S原:今回はワンシチュエーションのサスペンスですが……
Y木:なんか不満げやな。
(あらすじ)
ある日、いきなり何者かに拉致されたお互いに見も知らぬ5人の男女が、井戸の底のような場所にある地下室で目を覚ます。地下室にはドラム缶に入れられた『大量の水』と『一本のメス』、そして『人間は何も食べないと30日で死ぬ』というメッセージのカードのみが残されており、彼らは自分たちがこの場所へと閉じ込められている事を知らされる。彼らはこのメスが『互いに殺しあって相手の肉を食べろ』という誘拐犯からのメッセージだと気づきつつも、何とかしてこの場所から脱出する方法を見つけ出そうとするが、脱出する手段の無い地下室で彼らの飢えは極限へと達し…
S原:あのな、誰でも映画の好き嫌いってあるやん。
Y木:あるな。
S原:ワンパターンで分かり切っていたととしても観たくなったり、反対にいくら名作と呼ばれても観る気がしない映画ってあるやろ。僕にとっては、今回の映画がそれやねん。テーマは人肉。カニバリズム。あーめちゃくちゃ苦手。こんなDVD、なんで買っちゃっのか……(ため息)
Y木:知らんがな。ちゃんとパッケージの裏面を読めよ。
S原:最近は、あまり裏面も読まずに買うことが多いねん。やっぱり予備知識がない方が楽しめるから。
Y木:まあ、とくにサスペンスはそうやけどな。結局、観たの?
S原:観ました。ちゃんと作られていて最後まで観れます。人肉の描写も直接的でなくて思ったよりはマシやったけど……やっぱり人肉ネタは苦手やわ。
Y木:話は単純そうやな。井戸に入れられた男女が、極限まで追いつめられるって話やな。
S原:うん。一応、男女5人が井戸というか地下室みたいな場所に入れられます。1人以外は、みんな犯罪歴(殺人など)があるねん。
S原:これ、「30日間は水だけで人間は生きられる」というのが大前提やねん。
Y木:ほう。
S原:実際にはたぶん30日も生きられへんと思うねんけど。それはまあええとして、描写がおかしすぎるねん。
Y木:描写?
S原:水だけで何日も過ごしたら人間はガリガリに痩せるやろ? 髪もボサボサになるし、髭も生えるやん。体力も気力もなくなっていくし。このへんが全然感じられない。狂気に走るのに説得力が無いから、人肉を食べてしまうというショッキングさもないのよな。
S原:途中から少し顔面が汚れるとかあるけど、やっぱり当たり前の描写というかリアリティがなさすぎる。「マシニスト」のクリスチャン・ベールなんか、誰でもビックリするやろ。
Y木:不眠症の役な。あれは凄いという評判やな。
S原:あれよりも厳しい状況やのに、この映画では30日たってもちょっと元気がなくなるだけという。これではなー。もしかしたら、監督や5人の俳優が本気で取り組んだら、面白くなったかもよ、最後とかももう動く力も残ってないから、5人がノロノロと動いて殺しあうとか。
Y木:たしかに異様なムードの映画になったかもな。観たいかどうかは別として(苦笑)
S原:というわけで、今回はワンアイデアで頑張ったのは認めますが、どうも納得がいきません。人肉ネタが好きな人は観ても損はないでしょう。個人的には犯人の動機もちょっとそれは……です。気になる人はレンタルからどうそ。でも、やっぱりおススメできません~!