あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ゲームとかキューブとか、それっぽい映画たち「脱出ゲームZERO」(2011)の巻

脱出ゲーム ZERO

 

S原:今回はこちら、脱出ゲームですよ。

Y木:60分以内に脱出か。

 

(あらすじ)

密室に閉じ込められた男女6人が、仕掛けられた謎を解きながら脱出を目指すシチュエーションスリラー。密室に連れて来られた6人の囚人。各自に与えられたアイテムを駆使して60分以内に部屋から脱出すれば、特別恩赦により懲役が免除されると告げられる。

 

S原:これは楽しめました。

Y木:へえ、なんかB級っぽいけどな。

S原:製作費がないという意味のB級ならその通り。でも、その中で頑張ってます。

Y木:意外な展開とか?

S原:いやベタやった(笑) 人によっては最後まで読めると思う。この映画の良いところは、まずキャスト。役とキャストが上手くマッチしている。全然知られていない俳優たちやし、もしも監督(室賀厚)のセンスなら、なかなかすごいと思う。というのは、「キャプテン」のキャストにも感心したから。

Y木:あーそんな映画も取り上げたな。

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

Y木:他はどうなん?

S原:かなりテンポが早い。90分の映画を縮めて70分にした感じです(この映画は70分)。なので退屈しません。

Y木:ほう。

S原:ありきたりといえば、そうなんやけどな。実際、ネットのレビューではその辺は結構厳しめかな。舞台は近未来の日本。映画が始めると手錠に繋がれた囚人たちがある部屋に連れていかれます。刑務所長(もっと偉い人?)のような男が「刑務所の収容率が500%を超えた」「アムネスティという制度がある」「これは受験を希望する囚人にとある試験を課し、それに合格すれば恩赦、不合格なら処刑だ」という説明をします。

Y木:ちょっと待て。そいつらは殺人とかしている重犯罪者なんやろ。だったら死刑なんちゃうの? なんかまわりくどくないか?

S原:まあな。そのへんを気持ちよくスルーできるかどうかが、まず観る側の第一関門です。

Y木:観る側も条件をクリアせなあかんのか。嫌やなあ。

S原:そして「いまからゲームを始めるぞ」と強引な説明で始まります。

Y木:どんなゲーム?

S原:60分以内に部屋から出ればOKです。囚人たちは監視カメラでずっと見られています。ひとりずつ銀色のケースを選びます。そこには、なにかアイテム(道具)が入っています。そのアイテムが何かは分かりません。ケースは、時間差で自動で開きますが、いつ開くかは分かりません。

Y木:ほう。

S原:他の人は、他人のアイテムに触ってはいけません。このようなルールを破ったら処刑です。刑務所側の人間は出ていきます。囚人たちがいろいろと話し合っているうちに、各囚人のケースが開いていって……こういう感じです。

Y木:なるほど。最初のアイテムは?

S原:手錠の鍵です。主人公が鍵をゲットします。自分の手錠を外したあと、ほかの囚人たちの手錠も外します。

Y木:待て待て。映画としてそのアイテムは要る? はじめから手錠を外してゲームをスタートすればええやん。

S原:そのへんも目を閉じてください。

Y木:はあ。じゃあつぎのアイテムは?

S原:たしかチェーンソーやったと思う。ゲットしたおじさんが早速それでドアや壁を破壊しようとするけど、当然ビクともしません。電子ロックだから停電を起こせばドアが開くかも?と展開したり、なぜか毒ガス(ウイルス?)が入った試験管と空気清浄機がアイテムとして出てきたり、なかなか面白いです。

Y木:全員が協力して脱出するということ? それとも1人が生き残ればOKってことか?

S原:そのへんの説明はないねん。なので、囚人たちも協力すればいいのか自分だけ脱出すればいいのか理解しないまま各人が動きます。このへんはなかなか上手い。ここから細かく話してしまうと、いまから観る人が楽しめなくなるからこのへんでやめておきます。

Y木:良くない点は?

S原:これはみんなが指摘しているけど、オープニングとラストに何故か能天気なジャマイカ音楽が流れる。意図があるんかもしれんけど、まったく合っていない。ここでかなりマイナスになってます。あとは設定が粗くて強引すぎるのはご愛敬としても、登場人物がみんな単純すぎるかな。囚人たちの中にすこし頭の良い人物が1人いてほしかった。ゲームの展開の裏読みとか刑務所側の逆手をとるとか面白い展開が出来たと思うねんけど、おおむね予想通りになる。このへんが惜しい。あと少しでキラリと光る作品になったと思うねんけど。

Y木:そういうもんかな。観てないからわからんけど、あんまり面白くなさそうやけど。

S原:あー、ゲームとかキューブ系の映画が苦手な人は最初から見ない方がいいです。でも、さっきも言ったけどポップコーンムービーなんやから単純に観ればええと思うで。

Y木:今回はまあまあってことやな。

S原:イエース。さあみなさん、チープや設定がおかしいと言えばそうですが、なかなか頑張って作った努力を認めてあげたいです。ゲーム/キューブ系の映画が好きな人は一度ご鑑賞あれ~!