あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「DVDを購入するかどうか?」 シェイクスピアに相談してみる の巻

S原:もしもし、シェイクスピア先輩?

 

シェイクスピア:おお、S原君か。久しぶりだな。

 

S原:どうも。なかなか連絡せずにすいません。今日はちょっと相談が。

 

シェイクスピア:なんだね?

 

S原:ぼく、中古DVDを買うのが趣味なんですけどね。

 

シェイクスピア:うむ。

 

S原:買うかどうか迷ってるDVDがあるんですよ。

 

シェイクスピア:つまり金貨と交換して、そのDVDとやらを自分のものにする、という行為を行うかどうか悩んでいるんだね。

 

S原:そうです、はい。

 

シェイクスピア:いいか、よく聞きなさい。

 

S原:はい。

 

シェイクスピア:買うべきか、買わざるべきか。それが問題だ!

 

S原:いや、それは分かってるんですよ。

 

シェイクスピア:そ、そうか。わかってるのか。では、そのDVDを手に入れることを、君は望んでいるんだね?

 

S原:はい。

 

シェイクスピア:今、望んでいるものを手にして、何の得があろうか!

 

S原:いや、得でしょ。

 

シェイクスピア:え?

 

S原:買い物ってそういうもんじゃないですか?


シェイクスピア:そう……そういわれれば、その通りだな。しかしな、買い物は夢、瞬間の出来事、泡のように消えてしまう束の間の喜びでしかない!

 

S原:じゃあ、買わないほうがいいってことですか?

 

シェイクスピア:いやまあ、それは君、自分で決めたまえよ。

 

S原:どっちなんですか?

 

シェイクスピア:まあそのう……きみ、ところで、いままでDVDを手にして後悔したことは?

 

S原:ありますよ、そりゃ。ハズレもありますから。

 

シェイクスピア:成し遂げんとした志をただ一回の敗北によって捨ててはいけない!

 

S原:敗北じゃないです。ただ単にその映画が面白くなかっただけです。

 

シェイクスピア:そうか、では、敗北ではないな……

 

S原:なんというか、今まで結構DVDを買ってきたんですよ。なので、選択眼には自信があるんですけどね。

 

シェイクスピア:自信かね。ふふふ。ひとつ言っておこう。慢心は人間の最大の敵だ!

 

S原:慢心じゃなくて、自信です。

 

シェイクスピア:うん?

 

S原:別物ですよね?

 

シェイクスピア:うーむ、そうだな……たしかに別物だな。

 

S原:さっきから気になってたんですけど、強引に言いたいことを言っていませんか?

 

シェイクスピア:いや、そういうわけではないのだが……では、あえて聞こう。きみは、そのDVDがとても価値のあるもの、輝くものとして認識しているのか?

 

S原:価値のあるもの、輝くもの……まあ、そうですねえ。

 

シェイクスピア:輝くもの、必ずしも金ならず!

 

S原:金じゃないですよ、DVDですよ。

 

シェイクスピア:うん、そうだな、金ではないな、うん……では、こうすればどうだ? 今晩一晩は我慢しなさい。

 

S原:はあ。

 

シェイクスピア:そうすれば、この次はこらえるのが楽になる。そして、その次はもっと楽になる!

 

S原:なるほど~。でも、そのあとにまた欲しくなったらどうすればいいんですか?

 

シェイクスピア:えーと……知らぬ。

 

S原:えー……

 

シェイクスピア:そこから先の格言はわしは残しておらぬ。

 

S原:はあ。でも、この機会に買わないと後悔する気がするんですよ。

 

シェイクスピア:後悔する! それこそ卑怯で女々しいことだ!

 

S原:卑怯ではないでしょ、べつに。

 

シェイクスピア:い、いや、そうなんだが……

 

S原:それに女々しいって。 絶対、怒られますよ、田島陽子に。

 

シェイクスピア:いや、わしの頃は男尊女卑の時代で……

 

S原:もういいですよ。所詮、買うか買わないかの話ですから。こっちで決めますよ。

 

シェイクスピア:ということは、買うべきか、買わざるべきか。それが問題だな!

 

S原:それ、さっき聞きました!

 

シェイクスピア:そ、そうか。さっき言ったかな。うん、ところで、どんなものが欲しいのか?

 

S原:あーこれなんですけどね。

 

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シェイクスピア:なんだこれは……?

 

S原:「ロミオ+ジュリエット」です。

 

シェイクスピア:わたしの本が元ネタではないか。

 

S原:そうですね。

 

シェイクスピア:映画化したことなど知らんぞ。

 

S原:そりゃ、まあ先輩が死んでから映画化したから、連絡出来なかったんじゃないですか。

 

シェイクスピア:この男たちはなぜ鉄砲をもっているんだ? 

 

S原:それは……

 

シェイクスピア:わたしの本に鉄砲などでてこんぞ?

 

S原:いやーそれはまあ現代的解釈というか。

 

シェイクスピア:……映画化するのに、わしに挨拶もなしか?

 

S原:そう言われましても。

 

シェイクスピア:菓子折りの一つももらっておらんぞ。

 

S原:はあ。

 

シェイクスピア:ちなみに、わたしは羊羹(ようかん)が好きだ。

 

S原:そうなんですか、初耳です。

 

シェイクスピア:もうこの電話を切ってもいいか?

 

S原:はあ、どうかしました?

 

シェイクスピア:せめて印税だけでももらわんとな。弁護士に連絡して裁判の準備をはじめなければ。相手が、ディカプリオならたっぷりと損害賠償請求できるじゃろうて。うひひひひひ!

 

S原:……キャラ、変わってますよ。