あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

まだまだあります!(たぶん)知られざる日本映画を12本観る!「百地三太夫の逆襲」(2013)の巻

S原:今回は忍者映画!

Y木:また変な映画をみつけて……

(あらすじ)

織田信長が伊賀攻めを行った伊賀天正の乱から数十年後、乱のさなかに死んだとされた百地丹波百地三太夫)は、弟子の石川五右衛門らを連れて山奥で生き延びていた。時は豊臣秀吉の治世となり、百地は伊賀攻めに加担した秀吉を討とうとするが、天下の大泥棒として名をあげていた五右衛門は、百地の首を差し出し、秀吉の家臣になろうと企んでいた。

 

S原:この映画は、一言でいうと「気の毒な映画」やった。

Y木:いきなり上から目線かい。

S原:やりたいことはわかるねんけどな……(微笑)

 

 

Y木:低予算ってことやろ。

S原:そうそう。基本的には、こういう「お金がかかっていない映画」を応援したいねんけどな。でも時代劇はやっぱりお金がかかるやん。ロケも時代に合わせないといけないし、衣装も特別に用意しないといけないし、時代劇用の演技(セリフなど)が要るやん。

Y木:まあな。

S原:おまけに、この映画は忍者アクションが加わる。これは難しいって。

Y木:なるほどな。

S原:さっき言ったような要素に、説得力を持たそうと思うとそれなりにお金がかかる。衣装やセットがちゃんとして、はじめて「あ、これは時代劇なんやな」「戦国時代の忍者の話なんやな」と思って、ストーリーやキャラクターに集中できるわけやん?

Y木:これは時代劇やろ。

S原:いや、これは「時代劇っぽいなにか」やな。

Y木:ひどいな。

S原:悪く言うつもりはないです。よく頑張ったと言いたい場面もある。何度も言うけど、やりたいことは分かる。でもなあ……メジャー作品と比べるのは酷やけど、製作費がないと、どうしても「学芸会」っぽくみえるのよ。これが精いっぱいなんかな。

Y木:大体わかった。本編の話をしてくれ。

S原:時は戦国。百地三太夫という凄腕の忍者がいます。弟子に、石川五右衛門がいます。百地は、石川に「秀吉を討て」と命じます。ところが、五右衛門は、反対に百地の首をとって秀吉に差し出して、秀吉の正式な家臣になろうとしていました。

Y木:ほう。

S原:一方、くノ一の2人(円と彩)が山奥で忍者になる修行(というか運動)をしています。そのヤングな女子2人は、ミニスカートで網タイツです。いわゆる「くノ一コスプレ」です。ここで、正直に言っておきましょう。

Y木:うん?

S原:くノ一コスプレは。

Y木:はあ。

S原:僕は嫌いじゃないです。

Y木:キモイから、話をすすめてくれる?

 

 

S原:で、突然、くノ一の1人(吉沢明歩)が温泉に入る場面が挿入されます。ちゃんと、ヌードが映っています。

Y木:温泉か。その場面も撮りたかったんやろうな。

S原:そうこうしているうちに、五右衛門の一味(泥棒5人衆)と忍者グループを率いる服部半蔵の一味(烏組3人衆)とくノ一人組の3つどもえの戦いになって……という感じです。

Y木:忍者アクションがメインやろ。そのへんはどうなん?

S原:やっぱり厳しいです。いろいろと人間関係に凝ってるねんけど、チープさばかりに目がいって集中できない。あとは、演技がな……(苦笑)

Y木:演技がどうこうという映画じゃないやろ。

S原:そうやな。脇役の俳優たちは普通やねんけど、肝心の主役2人(浜田翔子吉沢明歩)は、かなりきつい。でも、衣装が似合ってるから許しちゃう♡

Y木:ほんまにキモイから、やめてくれ。

 

 

S原:あ、思い出した。面白い場面があるねん。烏軍団の1人と誰かが戦うねんけどな。川で2人に向き合って、斬りあうねんけど、それがゆっくりやねん。

Y木:ゆっくり?

S原:たぶん、マトリックスみたいな感じのバトルを撮りたかったんやろうけどな。ほんまに、役者はゆっくりと動いて、シャキーン!とか効果音がはいるだけ。ここは斬新やった(笑)

Y木:まあ、今回はダメってことやな。

S原:ダメなことはないで。「そういう映画」と割り切れば楽しめると思う。

Y木:「そういう映画」をわざわざ観る人は少ないやろうなあ。

S原:さあみなさん、ダメダメと言うことはありませんが、いったい何人の人がこの映画を観たのでしょうか? 好事家にしかおススメできませんが、くノ一コスプレに萌える人はアリでしょう。しかし、いろんな映画がありますなあ。というわけで、次回もお楽しみに~!