あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「砂漠でサーモン・フィッシング」(2012)の巻

 

砂漠でサーモン・フィッシング [DVD]

映画チラシサイト:砂漠でサーモン・フィッシング

 

S原:今回は、パッケージだけで選んだこの映画!

Y木:ちょっと変わった映画っぽいな。

(あらすじ)

英国の政府機関で働く水産学者のジョーンズ博士の元に、ある日、バカげた仕事の依頼が舞い込む。それは砂漠の国イエメンの大富豪からで、川を作って、鮭釣りをしたいというものだった。ところがその話を耳にした英国外務省は、中東との緊張緩和のために支援を決定。国家をあげてのプロジェクトとしてジョーンズ博士が携わる事になって・・・

 

S原:これは、上のあらすじの通り。捻った、というか荒唐無稽なプロジェクトにチャレンジするお話です。

Y木:面白そうやん。実話?

S原:実話ではないみたい。ポール・トーディの小説「イエメンで鮭釣りを」が原作です。これは、人によって「大人の童話」のように感じて興味を持つか、「バカバカしい物語」と感じてスルーしてしまうかの2通りやろうな。

Y木:ハリウッドが喜びそうな題材やけどな。

S原:うん。個人的には「ユーモアのあるホラ話」みたいで僕は好きです。

 

砂漠でサーモン・フィッシング : 作品情報 - 映画.com

 

Y木:映画の出来はどうなん?

S原:なかなか上手いよ。起承転結もちゃんとしています。砂漠に水が漂う場面なんかは、たぶんCGやろうけど、なかなか見応えがあります。ただなあ……

Y木:なに?

S原:なんというか「旨味」みたいなものがないねん。カロリーゼロの低アルコールビールみたいで確かに良く出来ているんいやけど、どうも物足りない。

Y木:その例えでは、よくわからん。

S原:この映画では、①砂漠に本当に鮭釣りが出来るようになるのか?(プロジェクトが成功するのか?)と ②主人公たち(男女)2人の恋の行方がどうなるか? の2つが見どころやと思うねん。映画が進むにつれて、②の要素がどんどん大きくなっていく。恋愛映画に期待した人はOKやけど、ぼくみたいに①に期待してると肩透かしをくらう。

 

 

Y木:なるほどな。でも数々の難曲を乗り越えるんやろ?

S原:うん。でもどうも薄味やねん。もっと、いろいろな局面でシビアなほうが印象に残ったはず。イエメンなんて異国人がいけばカルチャーショックだらけやん?そんな異国の地で、主人公たちはある意味人生をかけて取り組んでいるので、もっと真剣で切羽詰まってると思うんやけど……

Y木:恋愛要素をバッサリと切り捨てたほうが良いってこと?

S原:個人的にはそう思う。例えば、「プロジェクトは成功するけど、主人公はフラれる」とか「プロジェクトは失敗するけど、主人公は新しい価値観を持つ」とか、そういうほうが余韻が残ったかも、です。

Y木:そういうのは「ハリウッド」的ではないから、やっぱり難しいんとちゃう?

S原:そうなんかなー。でもせっかくのユニークな題材やのに、無難な作りになってしまって結局は「どこにでもあるよく出来たロマンチックコメディ映画」の1本になってしまった…ちょっともったいないなあ。

 

砂漠でサーモン・フィッシング5枚目の写真・画像|cinemacafe.net

 

Y木:今回の映画はおススメ?

S原:うーん。「悪くないですが、あんまり期待せずに観てください」かな。というわけで、ユアン・マクレガーのファン以外は無理してゲットしなくてもよいかも、です!