S原:今回は、ブルース・ウィリスがB級映画に出始めた頃の映画!
Y木:あー、B級映画専門になったもんなあ。
(あらすじ)
マフィアのボス・メルから、メルのシマを荒らす連中の正体を暴くよう依頼されていたテスは、ダイナーの女主人の口を割らせようとするが、ダイナーの奥から現れたコックのビリーが「お前たちを殺せばメルから金がもらえる」とライフルをつきつけてくる。そこへ警官姿の謎の男も現れて現場は三つ巴の様相を呈し、事態は混乱していく。
Y木:たしかブルース・ウィリスは病気やったんやろ。
S原:そうそう。この頃から失語症の症状がでて、そのあと認知症と診断された。結局、引退したんやけど、最後の方はB級と言うかZ級映画ばっかり出てたのよ。もう誰も知らないような映画のパッケージに顔がドーン!と映ってるだけのジャケットね。で、実際は、ほとんど出てこないという(笑)
Y木:あー、そういう詐欺か。
S原:詐欺と言えばそうなんやけど……。ブルース・ウィリスのファンとしては、最後は出演作が少なくても良作とか佳作に出て欲しいんやん?
Y木:最後にもう一花みたいな?
S原:うん。やっぱり良い映画、良い演技が観たいからな。なので、B級映画ばっかりでてるから、はじめは「おいおい、そんなに小遣い稼ぎがしたいんかよ!」「ちゃんとした映画を選べよ!」と突っ込んでたけど、最近になって「もしかして、こういう映画しか出れなかったのかも……?」と思い直したのよ。
Y木:ちゃんとした映画のオファーがなかったってこと?
S原:それもあるかもしれんけど、たぶんもう複雑な演技とか厳しかったんとちゃうかな。撮影のための長い拘束にも耐えれんかったんやと思う。
Y木:なるほどな。もしも、そうならかわいそうに感じるなあ。
S原:ピーター・フォークも認知症らしいし、なんというか元気やった映画スターが老いていくのを観るのは辛いで。
Y木:ということは、この映画では、ブルース・ウィリスは主演じゃないねんな?
S原:そうそう。最後の方に悪役の大物ででてきます。まあ元気はないけど、ちゃんとボスらしく演技してたよ。主役はジャケットの下に写っている女性ね。
Y木:映画としてはどうなん?
S原:いやーあんまりやったなあ……。これは時系列を変える演出やねん。時間軸がかわって、どんどんエピソードが出てきます。
Y木:あータランティーノの得意なやつな。
S原:そうそう。でもなあ、やっぱりかなり上手く作らないと、分かりにくいだけやな。タランティーノの上手さを再認識したわ。最初は結構良いねんで。ギャング(?)のボスから、女性3人組にある場所に行けと命令されます。最近、メキシコの組織が暗躍しているから、そいつらの正体を暴いて、ついでのヤクを取ってこい、と。どうも3人組は前回に失敗している(らしい)から、今回は絶対に上手くやらないと殺されてしまう。緊張しながら、指定された場所に向かいます。
Y木:それで?
S原:途中で保安官(フォレスト・ウィテカー)が現れて、女性3人とやりとりをする。そこがなかなか不穏な雰囲気でな。この保安官がヤバい奴なのか優しいのか、女性たちが判断がつかない。フォレスト・ウィテカーの演技が上手くて、かなり怪しくて不気味やねん。
Y木:へえ、面白そうやん。
S原:面白かったのは、ここまでやったけどな(苦笑) ここから、さっきも言った通り時系列が変わって、話がゴタゴタします。わかりにくいけど、「この演出は、深い意味があるんかな?」「あとで伏線になる裏のエピソードがでてくるかな?」と淡い期待をして観続けてると、全然そんなことなかった。
Y木:結局、おススメできないってことか?
S原:この手の映画が好きな人(だけ)は楽しめると思う。会話もタランティーノ風で雑談が多いけど、どうかなあ。ということで、みなさん。ブルース・ウィリスの俳優としての最晩年にさしかかってきた頃の映画ですが、おそらくこの後からどんどん厳しくなっていくんでしょうね。すこし寂しいですが、ブルースさん、ゆっくりと休んでください~!