S原&Y木:はいどうも~。ワゴンボーイズです。ありがとうございます。
S原:あーいま、ピンクパンサーのくねくね人形をいただきました~。
Y木:ありがとうございます。
S原:こんなんいくらあっても困らへんからね。クネクネしてオフィス机に引っ掛けて、上司に睨まれたりしますからね。
Y木:言うてますけども。
S原:はい。
Y木:ちょっと分からへんことがあるねんけどな。
S原:ほう。分からないこと?
Y木:おれのマミーがな。
S原:御母堂様が。
Y木:映画監督の名前を思い出されへんって言うてんるねん。
S原:映画監督の名前かー。じゃ、一緒に考えるから、分かっていることを言ってや。
Y木:アメリカ人監督でな。結構、長い間たくさん映画を撮ってるらしいねん。
S原:ほう。
Y木:それなりに有名やしDVDも結構でてるのにな。でもスピルバーグやイーストウッドみたいにアカデミー賞とかにも縁がなくて、いつまでも小粒扱いやねん。
S原:ほうー…それは……ジョン・カーペンターやな。
Y木:ジョン・カーペンターか。
S原:そうそう。ジョン・カーペンターは、ファンも多いけど、どちらかと言うとマニア受けしてる監督やねん。試しに、周りの友達に「ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOX」を持ってるかどうか聞いてみ?誰も持ってないから。
Y木:はー、でもよくわからんねんな。
S原:なにがわからへんの?
Y木:マザーが言うにはな、「サム・ライミとかブライアン・デ・パルマと同じようなオタクやったのに、いつのまにか天と地ほど引き離されてた」って。
S原:ジョン・カーペンターやないか!サム・ライミは「ダークマン」(1990)とか撮ってたのに、いつのまにか「スパイダーマン」(2002)で出世したし、デ・パルマは「悪魔のシスター」(1972)とか撮ってたのに、いつのまにか「アンタッチャブル」(1987)とか「カリートの道」(1993)で大御所になってるがな。それにひきかえ、カーペンターをみてみ?同じ時期でも「透明人間」(1992)とか「光る眼」(1995)とか、もはやブルーレイディスクが発売されても、7枚くらいしか売れへん映画ばっかりやないか。
Y木:7枚…はあー、でもわからへんねんな。
S原:なにがやねん。その特徴はカーペンターやって。
Y木:マザーが言うにはな。映画にどことなく品位がある、って言うねん。
S原:じゃあ……カーペンターとちゃうなあ……
Y木:やろ?
S原:カーペンターの映画に、誰も品なんか求めてないからな。だいたい100均のグラサンかけたら、人間の振りした宇宙人の姿がみえる映画を喜んで撮ってる奴に品位とか求めてもしゃーないからな。それは、確かにカーペンターとちゃうわ。他に何か言ってなかった?
Y木:マザーが言うにはな。
S原:うん。
Y木:映画本編に関係なくプロレスごっこを見せられて驚いた、って言うねん。
S原:そりゃ、カーペンターやがな!
Y木:そうなんか。
S原:それはカーペンターで間違いない!SFサスペンス・アクションを期待して観に行った観客を、汚いオッサン2人が路地裏でプロレスごっこをしている場面を延々とみせて、(別の意味で)驚かせた男やからな。「シックスセンス」(1999)よりもビックリやで。そんなビックリ映画を作るんは、この世に一人しかいない。カーペンターで間違いない!
Y木:でも、わからへんねんな。
S原:なにがやねん。もうカーペンターで間違いないって。
Y木:マザーが言うにはな。自分自身で音楽も作るんやけど、それがすごくセンスがあるって。
S原:じゃあ、カーペンターとちゃうやないか!
Y木:え?
S原:カーペンターは、シンセで自作のBGMを映画につけるねんけど、なんかもうヘロヘロで、ビヨンビヨンに伸びたパンツのゴムひもみたいな音楽やねん。だから、それはカーペンターではない!あれをサントラで売り出す根性もすごいけど、買う奴もすごい。まあ7枚しか売れんかったらしいけどな。
Y木:7枚…で、マザーが言うにはな。
S原:ほう。
Y木:ジョン・カーペンターじゃないって言うねん。
S原:じゃあ、カーペンターとちゃうがな!おれが延々と嬉しそうに「ゼイリブ」(1988)についてウンチクを披露していたとき、どう思ってたんや?ジョン・カーペンターじゃないって言うんなら、カーペンターじゃない!そりゃそうやろ。
Y木:で、マザーが言うにはな。
S原:ほう。
Y木:岩井俊二とちゃうか?って。
S原:絶対ちゃうやろ。
S原&Y木:どうもありがとうございました~。