S原：今回は、久ぶりにこういう映画！
Y木：うわ、デモンズ！しかもパート２って。
（解説）
アルジェントがランベルト・バーバと再び組んだシリーズ第2弾。前作の ”映画” に替わって今回は ”テレビ” を媒介として高級マンションで惨劇が始まる。1987年のアボリアッツ・ファンタスティック映画祭で恐怖映画賞にノミネート。
S原：これは昔観たはずなんやけどな。まったく覚えてなかった。
Y木：そういうレベルの映画ってことやろ。で、感想は？
S原：楽しめたで。
Y木：「面白かった」では、ないんやな。
S原：まあ………（苦笑）。でも、好きなんやけどな。こういう映画はやっぱりDVDを見つけたら買ってしまうわ。
Y木：そんなに何回も観ないやろ。もったいないなあ。
S原：80年代にレンタルビデオ市場が、急に拡がった時期があったやろ。あの当時って、怪しい映画ソフトがいっぱいあったやん。で、怪しさ満点のイタリア製のホラーが何故か流行したという。
Y木：あの頃、結構人気があって何本か観たけど、個人的にはイマイチやったなあ。「サンゲリア」（1979）とか「ゾンゲリア」（1981）とか、タイトルも意味不明やし。
S原：大丈夫やで。タイトルだけじゃなくて、内容も意味不明やから（笑）でも、なんというか独特のクセがあるやろ。あれにハマる人がおるんやと思うで。
Y木：それもあると思うけど、やっぱりおまえみたいに「昔に観たことがある」「昔、好きだった」というファクターがあるんちゃうかな。
S原：いまのヤングが、まっさらで見ても楽しめないということ？
Y木：多分そうちゃうかな。あの頃って、レンタル店に置いてあるビデオの種類も少なかったやん？いまみたいに情報も少ないから、「これって面白いんかな？」とワクワクしてレンタルして、ガッカリしてたやろ。「フューチャー・キル」（1984）とか、H・R・ギーガーがデザインしてて、なんか凄そう！って期待して観たら、汚いオッサンがお面をかぶっているだけみたいな（笑）そういう体験をしている人が楽しめるんとちゃうかな。いや、よくわからんねんけど。
S原：「フューチャー・キル」はレーザーディスクを持ってたのよな……（秋空をみる目）。ま、たしかに思い出補正はあるかもな。あと、この映画みたいに派手なスプラッターもありつつ、混乱気味のストーリーが展開されるのは、80年代ホラー特有かも。
Y木：混乱気味？
S原：横道が多いし、どうもスッキリしない作りなのよ。
Y木：下手なだけやろ。
S原：でも、この映画はちゃんとストーリーが理解できるで。
Y木：どんな基準やねん。普通の映画は、ストーリーが理解できるっちゅーねん。
S原：でも、主人公中心にぐいぐい話を進めてくれたら、もっと面白くなるはずなんやけど。どうもゴタゴタしてるというか。
Y木：いやー、ファンは、そういうゴタゴタ感も含めて楽しむんじゃないの？
S原：たぶんそうやろうな。食べ物でいうと滋賀県名産の「鮒ずし」みたいな（笑）じつは、ぼくも食べたことはないねんけど。
Y木：鮒ずしかー。おれも食べたことないわ。
S原：強烈らしい。まあ、あれよりはアプローチしやすいんとちゃう？テレビ画面から匂いもしないし（笑）
Y木：どういう比較やねん。
S原：で、この映画やけど、話はこれ以上ないくらいに単純です。マンションでホラー映画を観ていると、テレビからデモンズ（ゾンビ）がでてきます。それで、みんな襲われる。それ以上でも以下でもないです。でもテレビ画面から、ニューッとデモンズが出てくる場面は面白い。
Y木：それ、「ビデオドローム」（1982）のパクリやん。
S原：みんな、そう突っ込んでます。もしくは、貞子やんって。貞子の元ネタ説もあるみたい。
Y木：どうやろ、それは。これってストーリーは、1作目と全く一緒なんやな。
S原：1作目は映画館。2作目はマンション。限定された空間で襲われるのは全く一緒。もうストーリーを考えるのもめんどくさかったんやろうな。
Y木：適当やなあ。さすがマカロニ製。
S原：マンションには、なぜかスポーツジムがあって、筋肉男とかレオタード娘とかがデモンズに襲われます。あとは、たくさんの人が右往左往するという。
Y木：レオタード娘が襲われる場面が撮りたかったんやろうなあ……（呆笑）
S原：さあみなさん。これはリトマス試験紙のような映画です。あなたは、あっち側の人間か、こっち側の人間か？適当なマカロニホラーを楽しめる人間なのか？こういうDVDを買って後悔しないタイプの人間か？そして、合コンで「デモンズ２」の話題をして盛り上げることができるのか？そういう確認も人生には必要ですよ。というわけで、（一部のマニアのみ）マストバイでーす！
