S原:今回は飛行機版ダイハードもどき!
Y木:何本作られてるんねん、こういうのって。
(あらすじ)
東ヨーロッパからニューヨークに向けて飛び立った小型旅客機。 しかし、内部にテロリストがいた事からハイジャックされ、50人の乗客は人質になってしまう。 機内の安全を守るため乗り込んでいた航空保安官“エア・マーシャル”のブレッドは、テロリストたちに敢然と立ち向かう。
S原:まあ、いつもの典型的なB級ポップコーンムービーやったけどな。さぞかしヒドイんやろうな、と想像してたら意外に普通に観れたわ。
Y木:ほんまかいな。
S原:いや、映画としては穴だらけやで(笑) 最初から最後まで「おいおい」「適当やなあ」と言いながら楽しめますよ、あなた。
Y木:そういう楽しみ方は、普通はしないんやで。
S原:まず、主人公のエア・マーシャルなんやけどな。何故か裸に防弾チョッキを着ます。
Y木:裸? なんで?
S原:わかりません。
Y木:あーそう……
S原:そのあと飛行機がビューンととびます。ネットのレビューでは、飛行機のCGがチープだと突っ込まれてますが、ちゃんと飛行機にみえるからOKですよ。
Y木:はあ。それでテロリストがハイジャックするんやな。
S原:イエスです。
Y木:で、さっそく主人公が戦うと?
S原:ノーです。
Y木:は?
S原:すぐに主人公は撃たれます。防弾チョッキがあるので大丈夫でしたが、そのまま死んだふりをします。
Y木:ほう。それで時機をみて逆襲すると?
S原:いいえ、死んだふりをしたままです。
Y木:なんやねん、ダサい奴やな。
S原:一応、主人公が犯人グループのすきをついて、機内のどこかにいきます。それから、適当に機器を触ります。当然、飛行機の機器のエラーがでます。
Y木:素人が触ったらあかんやろ。
S原:一方で、アメリカ政府(軍?)が犯人と交渉しています。犯人グループの中で、「お金が欲しい派」と「このままアメリカの軍艦(?)に体当たりした方が良い派」がいて、ケンカを始めています。
Y木:目的を決めてからハイジャックしろよ。
S原:そのうち「一旦、島に着陸したほうがいい派」もでてきて収拾がつかなくなります。
Y木:なんやねん、もう。
S原:そうこうしているうちに、F-16戦闘機が飛行機を威嚇します。ついには「飛行機を撃て」と命令が下ります。
Y木:えー乗客がおるのに?
S原:そのまま船に落ちたら、もっとたくさんの人が死んでしまうということで迎撃命令がでてしまいます。バシュ!とミサイル発射。ビューンと飛んでいきます。
Y木:もうあかんやん。
S原:大丈夫です。なんとなく、ミサイルをひょいと避けます。
Y木:え……なんで避けれるの?
S原:わかりません。
Y木:……(無表情)
S原:結局いろいろとのんびりとしたイベントがあって、テロリスト達たちは主人公のパンチとかキックでやられます。
Y木:最後は?
S原:テロリストたちはやっつけます。飛行機は燃料がなく緊急着陸しないといけませんが、パイロットは怪我していて操縦できません。なんとなく主人公が操縦することになります。
Y木:操縦って。出来るの?
S原:出来ません。
Y木:……(無表情)
S原:「(着陸するには)タラップを下げないとな。どこだ?」と言うと、横に座っていた子供が「そのボタンだよ」と教えてくれます。
Y木:なんで、子供が知ってるねん。
S原:理由はありません。そして、「減速しないとまずいぞ。ブレーキはどこだ?」と焦ると、子供が「そこだよ」と的確に指示してくれます。
Y木:もうメチャクチャやがな。
S原:そういう楽しい映画でした。
Y木:どこが楽しいねん。最後は、もちろん全員が助かってハッピーエンドやな。
S原:その通り。さあ、みなさん、毒にも薬にもならない映画でしたが、一応最後まで観れました。もっとひどい映画はあるので、それに比べればマシなほうではないか、と……というわけで、チープな飛行機のCGが好きな人にはおススメします。あ、言い忘れた!
Y木:なんやねん。
S原:これ、飛行機内の臨場感をだすためにカメラがずっと揺れてるねん。
Y木:ふーん。
S原:でも、揺れ方が船みたいやねん。
Y木:船……
S原:たぶん、スタッフは船の映画やと思って作ったんとちゃうかな?
Y木:……(無表情)