Y木:シレーヌ……だれ?
(あらすじ)
美しい人間の女性と肉に飢えたハイエナ型捕食獣との間を自由に変体するミュータント軍団と、ハンターと呼ばれる武装した男たちとの、狩るか狩られるかの死闘! 雌ミュータントの誘惑に抗えない男は一人残らず血祭りに。エロティックな刺激がバイオレンスを加速させる、魅惑のクリーチャーホラー!!
Y木:これはなに? 鳥に変身するの?
S原:いやハイエナです。
Y木:『喰うか、交わるか!』って、すごい頭の悪いキャッチコピーやな。
S原:えーすごくキャッチーやん。中古DVDのワゴンコーナーで『買うか? 奥さんに怒られるか!』と購入を迷う気持ちと同じやで。
Y木:一回、奥さんに本気で怒られたほうがええんちゃうか。
S原:まあ、このキャッチコピーは最高ってことよ。宣伝担当者の底力を見たで。
Y木:その人の底力は、べつのところで発揮して欲しかったわ。
S原:映画の内容は上の通り。ハイエナの美女が人間を食べちゃうぞ~♡ という映画です。
Y木:それにしても、おまえ、飽きずにこんな映画ばっかり観るよなあ。
S原:でも、これはわりと面白かったで。
Y木:あれやろ、「スピーシーズ」シリーズみたいな感じやろ?
S原:そうやな。スピーシーズとかはエイリアンみたいなのが正体やん。これはハイエナ。設定を変えただけで、スピーシーズの製作者側に訴えられないエコロジー思想にのっとった映画作りやな。
Y木:どこがエコロジーやねん。ストーリーは?……って、聞くのも無駄なくらい陳腐なんやろ、どうせ。
S原:そのとおり。田舎町(のさらに山林)にハイエナ人間たちがいます。リーダーはおばさんです。おばさんは、観客サービスのためにやたらとTシャツを脱ぎます。でも、ヌードが映る前に、ハイエナに変身するから、観客の期待に応えていません。
Y木:観客サービス……
S原:主人公は、小汚いおじさんです。ある日、ハイエナ人間に妻子を殺されて、傷心しています。そこへサミュエル・L・ジャクソンのものまね芸人みたいな黒人がやってきます。「おまえの妻子を殺したのは、ハイエナ人間たちだぞ!」 なぜか主人公はあっさりと信じます。
Y木:ものまね芸人……
S原:そして銃をもってサミュエルものまね芸人と一緒に、ハイエナ狩りをします。一方、田舎町では、不良グループがケンカをしています。ダサくてしょぼい感じの不良です。「おれたちの仲間に入りたけりゃ、100ドル持ってきな」。まるで80年代の少年チャンピオンみたいなセリフを言います。
Y木:80年代の不良……
S原:いろいろあって、80年代不良グループのリーダーたちと、小汚いおじさん(主人公)と、サミュエルものまね芸人が、ハイエナ人間たちと戦います。さあ、どっちが勝つか勝負だど! そしてものまね芸人たちが勝ちます。
Y木:……終わり?
S原:そうです。
Y木:なんかもう、コメントするのも飽きてきたなあ。
S原:いや、しばし待て、友よ。
Y木:え?
S原:この映画では、まだ語るべきことがある。
Y木:あーそう。なに?
S原:顔。
Y木:は?
S原:顔です。
Y木:顔がなんやねん。
S原:出てくる俳優たちの顔が、、、長いねん!
Y木:知らんがな!
S原:いやー、いろんな映画を観てきたけど、こんなに顔の長い俳優ばっかり出る映画は珍しい。藤田まこととか嶋田久作も出演したかったやろうな。
Y木:したくないわ、こんな映画。
S原:観てみないとわからんねんけど、まずサミュエル・L・ジャクソンのものまね黒人の顔が長い! ほんまに長い! これぞザ・馬面っすよ、先輩!
Y木:誰が先輩や。
S原:あと、最初にハイエナ人間たちに殺されてしまう主人公の妻も馬面! 不良グループのなかの2人くらいも馬面! ハイエナ人間の女性リーダーも馬面! おまけに、事件を捜査する保安官まで馬面!
Y木:やかましいわ。
S原:すごいのは、ハイエナの女リーダーの妹。「あ、この女性は普通顔のサイズなんやなー」と思ってたら、ブービートラップがあった。なんと、ハイエナに変身したら顔が伸びる!(笑) ハイエナなのに、馬面! 馬面フェスティバルだYO!
Y木:いやなフェスティバルやなあ。
S原:やっぱり、このポイントだけは譲れんかったんやろうな。馬面にあくなき執着心をもつ、この監督に乾杯さ!
Y木:わかった、馬面の話はもうええ。
S原:えー……もう少し話させてよ。
Y木:もうええって。だれも馬面の話なんか聞きたくないやろ。
S原:でも、今回はこれしか話すことないねん。
Y木:だったら、もうやめろよ!
S原:というわけで、みなさん。スピーシーズとか狼男系が好きな人にはアリでしょう。でも、わざわざこれを観なくても、本家を観ればいいのでしょうか……?(微笑)というわけで、馬面フェチの人のみおススメします~!