あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

特定のアイドルファンのための映画(?)を観てみる!「電脳聖少女 i-DOLL」(2002)の巻

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S原:今回もレビューがほとんどないこの映画!坂井優美松岡由樹かわい綾川村亜紀が主演ですよ!

Y木:悪いけど、だれも知らん。

(あらすじ)

白い無機質な空間に、3人の少女。彼女たちは、自分が誰かも思い出せない。冷凍睡眠、彼女たちは、それぞれの理由で30年間の眠りについていた、と聞かされる。

彼女たちは、それぞれ失われた記憶を呼び戻す必要があるためディスクを再生するが……

 

S原:これは面白かったで。

Y木:えー、これが?

S原:ほんまやって。ぼくは好きやな。観る前に全く期待しなかったのもあると思うけど。

Y木:どうせチープなんやろ?

S原:もちろんバリバリ低予算です。やけど、最大限アイデアを凝らして工夫して作ってるし、なによりも出てくる女子たちが良い。こういう風に作ってほしいのよ~!

Y木:これアイドルやろ?知ってるの?

S原:グラビアアイドルとかタレントみたい。もちろん、ぼくは全員知りません。でも、それが逆に良かったかも。というのは先入観がない状態で観れるから。

Y木:まあな。

S原:とにかく、この監督(久保田和人)は、役者(とくに女子)を魅力的に撮ろうとしている。こういう姿勢と言うかセンスは、僕は買いたい。

Y木:えらい褒めるなあ。

S原:設定は、ちょっと舞台っぽいねん。限定されたシチュエーションで、謎がありつつ話がすすむタイプの映画やな。30年間冷凍睡眠をして、目覚めるところから映画は始まります。それが、坂井優美(ユミ)、松岡由樹(ユキ)、かわい綾(アヤ)の3人。そこへ、サイモンと名乗る男がやってきます。サイモン曰く「長い冷凍睡眠で記憶が無くなっている。各自の記憶はディスクに保存されているので、装置で再生すれば元通りになる」

Y木:ほう。それで?

S原:ここから、1人ずつの記憶の再生(修復)が、エピソードになる。ここはちょっとオムニバス風でいい感じやろ?

Y木:観てないからわからん。要するに、映画としては、この3人の娘のエピソードが主体になるわけやな。

S原:そうそう。この記憶再生装置を使って、自分は何者なのか?何故冷凍睡眠をすることになったのか?を理解するのよ。それがそのまま映画のストーリーになっています。最初は坂井優美の冷凍前のエピソード。優美は、当時モデルをやっていました。恋人は、宇宙飛行士のサトルですが、サトルは光速に近い宇宙船で旅立つ予定でした。サトルにとっては数カ月の旅ですが、帰ってくる頃には、地球では30年経過している。あるとき冷凍睡眠のチラシをみつけます。そのまま、恋人を待つために30年睡眠することにします。

Y木:なんかすごい理由やな。恋人は反対せえへんのか?

S原:恋人には相談せずに、勝手に決めてメールします(笑)

Y木:おいおい。

S原:で、次は松岡由樹のエピソード。いままでは3人(坂井優美松岡由樹かわい綾)しか登場していなかったのに、ここではアキ(川村亜紀)という知らない女性が登場します。彼氏が事故ったので10万円必要です。友達に借りましたが足りません。で、残り5万円のために松岡由樹援助交際しようとします。

Y木:えー。

S原:公園にいると、デザイナーのタカシという青年が声を掛けてきます。一緒にホテルに行きますが、実はタカシは援助交際は初めてで、余命1年の病気でした。事情を聞いた松岡由樹は、冷凍睡眠のチラシをみせて、一緒に冷凍睡眠をしようと言います。

Y木:なんで?

S原:「30年後には医療が発達して病気が治るかもしれないから」やな。で、一緒に松岡由樹も一緒に冷凍睡眠をする、と言います。

Y木:え、なんで?

S原:よくわからんけど、まあそういう気持ちになったんやろうな。「病気が治ったら私と結婚して!」と言います。

Y木:おいおい、さっき会ったばかりやろ。しかも援交の相手やのに。

S原:タカシは、かっこよく言います。「わかった」

Y木:「わかった」じゃねえ! 断れよ! お互いにどんな人間か知らんのに。

S原:最後のエピソードは、かわい綾です。30年前は彼女は婦人警官(20歳)でした。高校時代に好きだったヒデユキが、今でも気になっています。ヒデユキは、地上げのトラブルで父を殺されて、仕返しにヤクザを殺して指名手配中です。ある日、かわい綾は仕事中にヒデユキを見つけます。「自首して」と頼みますが、ヒデユキは刑務所に行ってもどうぜヤクザに殺される、と言います。そして……

Y木:おいおい、まさか。

S原:そうです。2人一緒に冷凍睡眠をすることします。「30年後には時効だよ♡」

Y木:……どれも、頭の悪いエピソードばっかりやん。これ、ほんまに面白いの?

S原:面白いよ。確かにこうやって話をすると不自然なんやけどな(笑)観ている間は気にならないし、じつはこの不自然なエピソードと途中ででてくる4人目の川村亜紀という存在が、後半になって生きてきます。

Y木:え、わざと不自然なエピソードになってるってこと?

S原:これ以上はネタバレになるから言えません。この映画は、ほとんど誰も知られていないけど、観たら好きになる人もおると思うねん。なので、今回はネタバレなしです。ここまで読んで興味がある人はぜひ観てください。

Y木:後半に種明かしがあるんやな? どんでん返しとか。

S原:それも内緒♡ さあ、みなさん、DVDのパッケージを見て敬遠する人が多いと思いますが、個人的には「意外な拾い物」と言っていいと思います。全体にお金がかかっていないことと、女子たちの容姿が一時代前なことに目をつぶってください。決して完成度は高くないですが、素直な作りが好印象です。あまり期待せずに、そして先入観なしに楽しんでください~!