あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ファンボーイズ」(2009)の巻

ファンボーイズ [DVD]

S原:今回はすべてのスター・ウォーズファンに捧ぐこちら!

Y木:へえ。

(あらすじ)

世界中の『スター・ウォーズ』ファン達が、待望の新作『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の公開を待ちわびていた1998年。高校時代からの仲間である『スター・ウォーズ』オタクのエリック(サム・ハンティントン)たちは、「死ぬ前に『エピソード1』を見たい」と願う末期ガンで余命わずかのライナス(クリス・マークエット)の願いを叶えるため、ジョージ・ルーカスの本拠地であるスカイウォーカーランチに侵入し『エピソード1』のフィルムを盗みだし、世界で最初に見たファンとなり歴史に名を刻もうと、車でアメリカ横断の旅に出る・・・

 

S原:最初にあなたに言っておくわ。「今日からは、こう名乗るがよい。Y木と」

Y木:名乗ってるわ。しかし、おまえもいろんな映画をみつけるなあ。

S原:「中古DVDはお前とわしの間にもある。木にも石にも。いたる所にある!」

Y木:ないわ。

S原:これは、なかなか面白かったで。コメディとしてよく出来ていると思う。

Y木:そうなんや。オタクの映画?

S原:そうです。でも、根っこはベタやねん。変形のロードムービーというか。

Y木:余命わずかの友人と一緒に旅をするかー。「お涙ちょうだい」やな。

S原:いや、全然お涙ちょうだいではなかった。ただただ汚らしいオタクが、はしゃいで車で移動するだけやった(笑)そういう意味では、カラッとしている。ただあまりにも起承転結がハッキリしていて、あれよあれよという間に話がすすむ。そのへんが、物足りないと感じる人もおるかもな。

Y木:引っ掛かりと言うか印象に残らないってこと?

S原:そうそう。ただ、スター・ウォーズ好きなら、また違う視点もあるみたい。オタクネタというか、マニアしかわからないネタが散りばめられているらしい。

Y木:結局、ルーカスフィルムに侵入できるの?

S原:その前に少しあらすじを話します。映画が始めると、ハロウィンパーティーをしていて、そこにはスターウォーズのコスプレをしたファンたち(ライナス、ハッチ、ウィンドウズ)が集まっている場面です。彼らはオタク談義をしながらも、スターウォーズの新作「エピソード1 ファントム・メナス」に期待しまくってます。そこへライナスたち3人の幼馴染、エリックがやってきます。彼もスター・ウォーズのファンやねんけど、仕事(親が経営する車の販売店)もしていて、ちょっと幼馴染たちとは心の距離を感じ始めています。エリックは絵がうまくてコミック作家になる夢をもってて、一番応援していたのはライナスという男やねん。でも上手く行かなくてエリックとライナスは、長年交流をしていなかったのよ。帰ろうとするエリックに、ハッチとウィンドウズから、実はライナスが末期がんで余命数ヶ月であることを聞かされる。あんなに楽しみしていたエピソード1を観れない…というわけやな。

Y木:かわいそうに。

S原:いろいろあって、公開日まで待てないから、ルーカスフィルムの本拠地(スカイウォーカーランチ)に忍びこんで、勝手に新作フィルムを盗もうと計画をします。

Y木:立派な犯罪やがな。

S原:このへんもコメディやから、全然深刻な感じはしないんやけどな。映画としては、目的地(ルーカスフィルム)までの道中でのエピソードがメインです。「スタートレック」ファンの聖地イベントで大暴れしたり、人生で初めてナンパに成功したと思ったらコールガールやったり、ゲイバーで間一髪やったり、助けに来てくれた女性(ゾーイ)がオタク集団のうちの1人に密かに恋心を抱いていたり、というエピソードが続きます。

Y木:面白そうやん。でも、おれにとってはスタートレックスター・ウォーズも同じやけどな。

S原:スタートレックのファンとスター・ウォーズのファンは、仲が悪いらしい。

Y木:同族嫌悪かな?

S原:かもな。でも、どっちも好きっていう人も多いと思うけどな。ヨマヨイさん(一部に人気のネットラジオ「さばラジオ」のDJ。実は我らの先輩)なんか、どっちのシリーズも嬉しそうに話すやん。しかも会うたびに同じ話を延々と…(笑)日本でも、宇多田ヒカルのファンと倉木麻衣のファンが論争してたりしたからな。あ、いま思い出したけど、昔の映画の雑誌で「フェリーニヴィスコンティはどっちが偉大か?」とか特集してた…ような気がする。

Y木:全然違う個性やから、どっちが偉大かっていう問題じゃないやろ。

S原:たしかに。アンソニー・M・ドーソン(代表作「地獄の謝肉祭」(1980))とランベルト・バーヴァ(代表作「デモンズ」(1985))のどっちが偉大か?って言われても、ちょっと返事は困るしなあ。

Y木:困らへん。どっちもZ級のダメ監督やないか。映画本編の話にもどってくれ。結局はルーカスフィルムにたどり着くんやろ。どうやって忍びこむの?

S原:ネットで知り合った小学生くらいの娘に平面図をもらいます(笑)忍びこんだら、すぐに警備員に見つかってしまう。

Y木:そりゃそうやろ。

S原:そこからルーカスフィルムの内部でドタバタがあって、ついに捕まってしまう。「おまえら、実刑になるぞ」と脅されてるときに、ルーカス本人から連絡が入って…というクライマックスです。

Y木:ラストは言わないんやな。

S原:申し訳ありませんが言えません、マスターヨーダ

Y木:誰がヨーダや。

S原:この映画のラストは「考えるのではなく、感じるのだ」。

Y木:感じたくないわ。

S原:要するにここから先は、ぜひ映画を観て下さいってことですな。なかなか爽やかな結末とだけ言っておきます。

Y木:これ、スター・ウォーズのファンにとってはどういう評価なんやろ?

S原:さあな。あまりレビューもないから、ファンもほぼスルーかも…(笑)さあ、みなさま。スター・ウォーズ好きでなくても、安心して楽しめる佳作です。出てくる俳優たちがイマイチなのが玉にキズですが、それもまた良しですよ。そういうわけで、May the Force be with you!