S原:今回はシンガポールの近未来SFアクション!
Y木:ありがちやなあ、この感じ。
(あらすじ)
強さと美しさを兼ね備えた女性ヒロインが活躍するSFアクション。巨大ネットに管理される都市・シンタワンに暮らす賞金稼ぎ・ダッシュは、失踪した大企業社長の捜索を依頼される。事件を調査する彼女は、次第に恐るべき陰謀が進行している事に気付く。
S原:これは「ブレードランナー」「攻殻機動隊」系の映画が好きな人向けです。それ以外の人には、きついです。
Y木:やろうな。
S原:やっぱりマニアックすぎるんやろうな。押井守とかウォシャウスキー兄弟(姉妹)とか大友克洋とかの世界観そっくり。ということはあれよ。普通の人は、わざわざコレを選ばないってことよ。普段、映画を観ていない田舎の45歳の中学教師(社会科)がこれをレンタルしないってことよ。やろ?
Y木:例えが具体的すぎてわからんわ。どういう話?
S原:物語の舞台は2023年。シンタワンという巨大な都市。この世界では、サイバーネットが全ての人間のIDを管理社会です。そんな中、犯罪者たちはSIMと呼ばれる偽のIDを取得し、その管理から逃れて生きています。主人公(ダッシュ)は、そんな犯罪者たちを追いつめる賞金稼ぎです。ある日、主人公は、大企業のエントロポリス社から依頼を受ける。「内部の人間エドワードが極秘情報を持って逃走してしまったので、始末せよ」と。
Y木:おお、ブレードランナーっぽいな。極秘情報というのは?
S原:その極秘情報は、SIMに代わる偽IDを習得する神経モーフィングに関する情報やねん。主人公はエドワードを追いつめるが、何者かの手によってチャンを殺されてしまう。主人公は、この事件の裏に何か怪しさを感じて……という感じです。
Y木:ハードボイルド風やな。
S原:うん。話はわりと典型的な感じです。それが、仮想空間やら近未来のビジュアルで展開されます。ベタといえばベタなんやけどな。
で、おまえの感想は?
S原:結構、面白かったで。ただし「B級にしては」やけど。
Y木:それは、毎回そうやん。
S原:たしかにな。残念なのは、話がわかりにくいことやなあ。凝りすぎてるというか。よく考えれば「ブレードランナー」って、あらすじは単純やん。でも、あのビジュアルと世界観で入り込めるやん。
Y木:ハードボイルドやからな、基本的には。
S原:これも基本は単純なはずなんやけど、凝った場面とひねったストーリー展開をしっかりと観ていないと、途中から消化できないかも……
Y木:なるほど。頭でっかちってことか。
S原:そうやな。あとは主役の女性ハンター(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)はアクションとか頑張っているけど、もう少し魅力的に撮れてればなあ。ちょっと、容姿がぼく好みではないねん。
Y木:おまえの好みなんか知らんわ。
S原:あ!でも、ちゃんとシャワーシーンはあるねん。
Y木:おまえ、好きやなあ。シャワーシーンが。
S原:でも短すぎる!(怒)
Y木:どうでもええわ!
S原:さっきも言ったけど、ビジュアルや場面場面はすごく凝ってます。何気ない路地なんかも、シンガポールやから新鮮に感じるしちゃんと近未来に見える。そういうロケ場所の選び方も含めて、これは結構お金がかかってるんとちゃうかな。
Y木:そうなんか。じゃあ「意外な拾いもの」?
S原:うーん。そこまで言っていいものかどうか。
Y木:なんか、今回ははっきりしない感想やな。
S原:ほんまに、〇✕が言いにくい映画やねんって。というわけでみなさん。ダメな映画ではありませんが、なんとなくおススメしにくい映画です。近未来のビジュアルが好きな人のみどうぞ~!