あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

女の子が大暴れ!「リズム・セクション -復讐の銃弾-」(2020)の巻

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S原:今回はこちら。女性が復讐します!

Y木:復讐ものか。

(あらすじ)

3年前に飛行機事故で家族を失ったステファニーは、生きる気力を失い自堕落な生活を送っていた。そんなある日、飛行機事故が何者かによって仕組まれたものだと知った彼女は、復讐を果たすべく真相を探り始める。やがて謎の男に拉致されたステファニーはその男のもとで過酷な戦闘訓練を積み、激しい戦いに身を投じていく。

 

S原:これは、なかなか面白かった。ただ、評価は分かれると思う。

Y木:なんで?

S原:わざわざ「007製作スタジオが放つ」ってキャッチコピーがあるけど、007みたいにスカッと楽しむ感じじゃないねん。映画のテンポも少しスローやし、アクションはあるけど、ド派手!ってこともないしな。

Y木:リアル志向ってことか。

S原:そうやな。映画全体もそうやけど、主人公の描き方をリアルにしたかったんやと思う。これ女性監督やねん。リード・モラーノと言う人で他の映画ではカメラマンもしているらしい。なので、映像にこだわりがあります。

Y木:あらすじは単純な復讐もの?

S原:うん。上のあらすじの通り。今は売春して生活をしている主人公がいます。かつて飛行機事故で家族がなくなっており、その原因の一つは自分にあると自責の念にかられています。ある日、客として男がきて「君の家族は飛行機墜落事故で死亡したことを自分は知っている」「自分はジャーナリストで、あの事故を調べている」「あれは事故ではない。爆弾によるテロだ」と言われるのよ。もちろんすぐには信じないけど、だんだんと主人公はそれを信じていく。そして真犯人が分かり、拳銃を持って殺しにいく……

Y木:ほう。それで復讐をするんか。

S原:でも主人公は普通の女性やから、結局殺せない。その後、いろいろあって、ジュード・ロウが殺しの先生役になって訓練を受けることになる。体力作り、極寒の水泳、格闘、銃の使い方、運転テクニック、いろいろなノウハウを教えてもらいます。そして、いよいよ復讐の日がやってくる……こういう感じです。

Y木:まあ、普通やん。

S原:個人的にはわりと面白かった。でも、映画の作りとしては「上手い」わけじゃない。これは、レビューでも多く人が指摘してるねん。確かに教えてもらったノウハウ法が役に立つような伏線回収もほぼないし、ジュード・ロウとの関係もはっきりしないしな。このへんが上手いくいったら「隠れた名作」になったと思うんやけど。ここが、かなり惜しい。

Y木:でも、そういう「ハリウッド製映画」にはしたくなかったんやろ、たぶん。

S原:そう思う。でも、復讐の物語やから、やっぱりスカッとしたいやん?途中でカーチェイスがあるねんけど、すごくゴツゴツしてて面白いねん。爆発のシーンもお金もかかっている。でも、どこか映画全編に閉塞感がある。それがこの映画の個性といえばそうなんやけどな。いいセリフもあるねんで。「体のリズム・セクションを意識すること」「心臓の音はドラム、呼吸の音はベース」とか。かっこええやろ?

Y木:そうやな。タイトルに由来にもなってるしな。

S原:でも、そういうセリフがうまくストーリーに生かされてなかった。そのへんは残念やけど、主役のブレイク・ライヴリーは、疲れ気味の女性の雰囲気がでているし、途中で黒髪のショートカットに変身してからどんどん魅力的になっていく。この手の映画が好きな人は楽しめると思う。

Y木:じゃあ、今回はおススメ?

S原:うん。でも「あまり期待せずに観てね」というのが本音かな(笑)ややスローテンポの復讐ものって珍しいし、観て損はないと思うねんけどな。

Y木:なるほどな。

S原:さあみなさん。多数ある復讐ものの中では異色作(?)ですが、このまま忘れられるのはもったいない映画だと思います。レンタル店でみつけたら、ぜひ一度観て下さいませ~!