あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

暴走する列車を紹介!6両目!「暴走超特急-ヨーロッパ・エクスプレス-」(1999)の巻

暴走超特急 ヨーロッパ・エクスプレスの画像・ジャケット写真

S原:今回はこれ、珍しいハンガリー映画ですよ! 

Y木:ハンガリーって…どこにあるんや?

(あらすじ)

300人の人質を乗せたヨーロッパ急行が暴走するノンストップ列車アクション。ヨーロッパ全土に勢力を振るう国際マフィアが、失踪する国際急行列車で国境突破を図る。5分にひとり乗客を殺害すると脅迫する一味に、特殊部隊チームの人質奪還計画が始まる。

 

S原:これはネットでのレビュー数が少ないうえに評判はイマイチ。でも、ぼくは楽しめたけどな。

Y木:ほんまかいな。いつものパターンなんやろ?

S原:基本的には同じ。でもところどころ工夫を凝らしている。まずいつもの「巻き込まれ型の主人公」じゃない。今回の主人公たちは「特殊部隊」やねん。

Y木:ふーん。

S原:チームとしてのスキルはそれなりに高いみたいやねんけど、発足したばかりで成果を上げていないから警察本部ではまだ評価されていない、という設定でな。本人たちはなんとか事件解決とかをしたいと意気込んでる。そんな中、極悪のマフィアグループが国外逃亡しようとしているという情報をつかんで、警察本部の正式な許可を得ずに独自に追跡する……なかなかええ感じやろ?

Y木:そうか?普通やん。

S原:冷たいなー(笑)それで、主人公たちはマフィアたちが乗り込む列車を特定して乗客のふりして同じ列車に乗り込むわけ。

Y木:そこでマフィアが列車をハイジャックすると?

S原:そうそう。こいつらは女性の人質を簡単に殺したりして、かなり冷血やねん。主人公たちはわざと人質になっているから、すぐそばにいる。でも警察本部より犯人検挙の許可が下りないから、ウズウズしながら列車で待機する……このへんまでは定番の展開やけど、ここからが、ちょっと面白い。ちいさな工夫があるねんな。

Y木:工夫?

S原:ハンガリー中央ヨーロッパにあって、いわゆる東と西の両方の影響があるみたいやねん。文化とか人種もそうやけど、この国では多言語社会でハンガリー語以外にもロシア語とかも使うみたい。犯人たちはハンガリー語が喋れずに、会話はロシア語だけ。主人公たちチームのなかにロシア語が出来る女性がいて、知らないふりして目の前で堂々と犯人たちの作戦を盗み聞きする。

Y木:へえ。

S原:逆にチームメンバーとは、犯人グループの目の前でハンガリー語で堂々と計画を話し合うとか、なかなか面白かった。

Y木:犯人たちはなんで国外逃亡をするの?

S原:たしか超高価な美術品を持ち出すという設定やったかな。なんか細かいことは忘れてしまった…(苦笑)

Y木:ま、アクションとかサスペンスを楽しむ映画やからな。タイトルは「暴走超特急」やけど、やっぱり暴走するの?

S原:いや、そんなに暴走せんかった(笑)とくに、スピードもでてなかったしな。犯人たちは隣国のオーストリアに行けと要求する。でも、オーストリア政府からは「うっとおしいから、来ないでくれ」と言われて国境が封鎖されてしまう。

Y木:うっとおしいから、って…人質の命は無視かいな。

S原:ハンガリー政府はオーストリアに拒絶されたので、列車を国内の路線をひたすら走らせ続ける。

Y木:バレるやん。

S原:いや、警察は『こいつら(犯人グループ)は田舎者で、海外旅行にも行ったことがないはず。なので国内と国外の景色の見分けがつかないはず!』と推理するねん。

Y木:おいおい。

S原:それで、通過する駅を『オーストリア風』に改造して、ごまかす作戦をするのです。

Y木:ごまかすって。どうやって?

S原:駅にオーストリアの国旗を掲げます。

Y木:なんちゅう安直な作戦や(笑)

S原:犯人たちはオツムが足りないから、駅の国旗を見て「やったぜ!これで国境を越えた!」と喜びます。

Y木:なんか変な映画やな。

S原:あーそうそう、普通はこの手の映画って、①犯人たちの車両と主人公たちの車両を切り離す → ②犯人たちの車両が激突・爆発! とか①主人公たちが列車から飛び降りる → ②犯人たちの車両が激突・爆発!というパターンが多いけど、この映画では珍しく最後はちゃんと列車がとまる。

Y木:間一髪ギリギリってやつやな。

S原:うん。あと1センチくらいで停まる。

Y木:1センチって、マンガか。

S原:しかも、停めるのは主人公たちじゃなくて、犯人たち(マフィア)が自分たちが停めてた。理由は「ぶつかったら危ない」から。

Y木:なんやねん、それ。

S原:あと列車を降りてからも話があるけど、最後は犯人が捕まっておしまい。

Y木:話を聞いてもそんなにおもろいとは思えん…

S原:いやーこの映画では「特典映像」があってな。ここがほかの作品を圧倒しているで。

Y木:特典映像?

S原:「水野晴郎の金曜ビデオショー」という解説がついてます。

Y木:解説かー。今どき珍しい。

S原:しかも、水野晴郎の解説がめちゃくちゃ適当!(笑)もう晩年やと思うけど、思いつくまま話しているだけ。例えば「この映画ではハンガリーでたった1本のアクション映画。ハンガリー国民はアクション映画なんか観たことないから、大ヒットしたんですねえ」とか「この映画は、いわばハンガリー版『シベリア超特急』ですねえ」とか。

Y木:そりゃムチャクチャや(笑)
S原:あとすごいのは、「ハンガリーのトップスターが共演したハンガリー版『オーシャンズ11』『オーシャンズ12』と言われる作品で、出演者がすごいんですよお」とか「この俳優はですねえ、えーと、『ハンガリートム・クルーズ』と呼ばれているんですねえ。ほかには『ハンガリーブラッド・ピット』、『ハンガリートム・ハンクス』、『ハンガリージュリア・ロバーツ』、『ハンガリーロバート・デ・ニーロハンガリーアーノルド・シュワルツェネッガー』……と次々に紹介します。

Y木:うひゃー。

S原:最後は言葉につまって、「えーとこの俳優は『ハンガリーの高倉鍵』ですねえ!』と言い切る(笑)

Y木:すごい、さすがマイク水野!(笑)

S原:ほんまに思いつくまま喋っているだけ。しかも、どの俳優も似ていない(笑)いやーここはほんまにおもろいで。しかも、あとは自分の映画「シベリア超特急5」の宣伝してた。すごくうれしそうに。

Y木:なんやねん、それ。

S原:さあーみなさん。この特典映像だけでも観る価値はあります。パッケージのような場面は皆無ですが、この手の映画が好きな人はOKでしょう。さあ、「シベリア超特急」のDVDをゲットするか?このDVDをゲットするか?さあ、あなたはどうする?

Y木:どっちもゲットせえへんわ。