あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「黒人魚」(2018)の巻

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S原:今回は人魚。ロシア映画ですよ。

Y木:黒い人魚か。意味深やな。

(あらすじ)

湖畔にある別荘に友人たちと静養にやって来たローマ(エフィム・べトゥルニン)。深夜、一人で湖で泳いでいると謎の女に出会う。その女に遭って以来、恐ろしい幻影に襲われ、日ごと体力が衰えていく。
婚約者のマリーナ(ヴィクトリア・アガラコヴァ)もローマと共に幻影に悩まされるようになる。湖で泳いで以来、ローマの異変を感じていたマリーナは湖に向い、かって、この湖で起きた女の入水自殺を知る。
自殺の原因を解明するごとに、女の想像を絶する恐ろしい逆襲が始まる! 、そして信頼関係を深めたマイルズは、親友のサラと共にA-X-Lを守ろうと軍からの逃走を図る―。

 

S原:これは雰囲気を楽しむ映画やな。

Y木:へえ。

S原:雰囲気だけの映画やったけど。

Y木:あかんやん。

S原:どうもなあ……湖に人魚がいて、その呪いに主人公たちが巻き込まれるというメインストーリーはええねんけど、演出も凡庸やから全然ハラハラドキドキしません。

Y木:下手ってこと?

S原:下手というか……普通に作ってるねんけど、印象に残らないのよ。こういう映画が一番困る。つまらないなら、もっとぶっ飛んでほしい(笑)

Y木:いや本人たちは真面目に作ってるがな。

S原:たぶんな。例えば「出来が良くない映画」でも、妙に印象に残る映画ってあるやん?奇妙な場面があるとか、登場人物が気がくるっているとか。この映画は、そういう方向を狙うべきやったと思う。

Y木:印象に残る場面がないってことか。ショッキングシーンというかホラーな場面はあるんやろ?黒い人形が水面からでてくるとか。

S原:えーと、これは人魚は出てきません。ヤング風に言うと「この映画ってさー、人魚って関係なくね?それに黒くねーし。バブルガムブラザーズの方が黒くね?」やな。

Y木:なんで、比較対象がバブルガムブラザーズやねん。それに、いまどきのヤングはそんな言葉は使わんわ。

S原:で、早速ネタバレやけど、湖で入水自殺した女性の怨念が原因やねん。その女性がいまだにウラミツラミを引きずって、主人公たちにまとわりくという。

Y木:迷惑な奴やな。

S原:巨人退団直前の清原かっちゅーの!

Y木:あー清原なあ……(苦笑)

S原:ホラー映画で「怨念」は普遍的なテーマやけど、どうも悪い意味でハリウッド映画の要素をいれてるのよ。例えば、「あ、変な幽霊みたいなのがいる!」 ➡ 「次の瞬間には誰もいない」というパターンが何回も出てくる。たぶん10回くらいあったんっちゃかな。あとは、肝心の湖がなあ……小汚いねん。とても、そこで泳ぐ気になれない水質なのに、この映画での登場人物たちは泳ぎます。そのへんもリアリティがないというか、どうも不自然なのよ。

Y木:その湖に人魚…じゃなかった幽霊がおるんやろ。

S原:うん。そこで意味深な場面が展開されるねん。女性(幽霊)の怨念にとまどいつつ、ついつい魅入られてしまう……はずなんやけどな。あんまり上手くいってません。

Y木:そうなんや。

S原:あとは主人公がなあ。

Y木:演技が下手?

S原:いやそういうのじゃなくて……なんというか…顔色が悪いねん。真っ青やで。

Y木:それはロシア系の白人やからやろ。

S原:もう少し栄養を摂取したほうがええで、ほんまに。あー配給制レーニンビスケットとかしか食べられへんのかな。

Y木:それはソ連時代やろ。というか、なんやねん、レーニンビスケットって。

S原:あーそうそう。大事なことを言い忘れてたわ。映画が終わってエンドクレジットで、ロシアの音楽が流れるねんけどな。

Y木:それが何?

S原:演歌みたいやねん。

Y木:知らんがな。

S原:まあ、そういう映画やったよ。みなさん、この映画はおススメできません。どこかで観たことのある場面とキレのない演出、そして栄養失調気味の俳優陣の3拍子です。というわけで、安売りコーナーで見つけても、スループリーズ!