S原:さあ、観てみると「どひゃー!」とびっくりするような、ぶっとんでいる映画を紹介しますよ。今回はコアラ!
Y木:ぶっとんでるというか、なんというか…
(あらすじ)
コアラの風貌で女性社員にも人気の敏腕課長、田村。漬け物会社に勤める彼は、韓国のキムチメーカー、ペ農産との業務提携に尽力していた。その矢先、恋人の洋子が何者かによって惨殺されてしまう。事件を担当した小野刑事は、かつて田村の妻、由香梨が謎の失踪を遂げている事実を知り、田村を事件の容疑者として取り調べを行なうのだが…。
Y木:「えびボクサー」(2002)「いかレスラー」(2004)とかもうええわ、こんなんばっかり。
S原:ほかに「かにゴールキーパー」(2006)もあるで。
Y木:ヤケクソやん。しかも、このDVDに書いてある「衝撃のサイコアラ・ホラー」って、ただのダジャレやん。
S原:うん。しかもホラーとちゃうしな。あと、観た人みんながつっこむねんけどな。まず、DVDのパッケージのコアラがでてこないねん。
Y木:おいおい、いきなりウソかいな。
S原:こんなかわいくなくて、もっと気持ち悪いぬいぐるみやった。しかも、「どこ見とんねん、コラ~」とかいうタイプじゃなくて、職場でも周りに気を遣う優男やった。名前は田村(笑)
Y木:会社員?
S原:うん。普通にオフィスで働いてます。スーツ姿のサラリーマンが、顔にコアラのぬいぐるみをかぶっています。
Y木:あー…くだらん。
S原:上司は、ウサギやった。あとローソンで働いている店員はカエルやで。
Y木:はあ…(ため息)これ、ストーリーあるの?
S原:一応あるで。はじめは、コアラ主演のサラリーマンドラマ風にすすんでいくねんけどな。ある日、恋人が殺される。警察はコアラを殺人の容疑者として警察につきまとわれる。精神科医に相談したら、「きみが無意識に殺したのかもしれない」と言われてショックを受ける。
Y木:それで?
S原:ここからさきはネタバレになるけど…言ってもいいんか?
Y木:別にええわ。
S原:あなた、これから観る楽しみがなくなるで。
Y木:一生観ないわ。はよしゃべれ。
S原:死んだと思った恋人は、実は生きていたのよ。それでコアラ課長を殺そうとする。そこへ刑事(野村宏伸)がやってきて、真相を話す。かつて、オーストラリアでコアラ大虐殺があった。その末裔が恋人なのでした!
Y木:へー(棒読み)
S原:そのあとに、カンフー対決があったりして、最後は観覧車のまえで、みんなで朝陽をみる。また今日もがんばろう!って感じで、おしまい。
Y木:映画製作をもっとがんばれよ。それにしても、ほんまに観る気がしないストーリーやなあ。映画全体もどうせヒドイ出来なんやろ?
S原:まあ河崎実監督やから(笑)全体的に、投げやりというか、伏線や回想シーンがかみあっていないというか…
Y木:下手で有名な人やからな。
S原:ストーリーに関係のない夢オチがあったり、ミュージカルシーンがあったりして、まったく意味がつながらない。相変わらずの演出ぶりやな。せめて、つじつまくらい合わせて欲しかった。
Y木:いやー、つじつまとか求める映画とちゃうんやろな。
S原:まあ普通の人は絶対に観ない映画ですが、何事も経験やろ?
Y木:「コアラ課長」の経験はいらん。絶対にいらん。
S原:意外と合コンにいったときのネタになるかもよ。「おれ、映画好きなんだよね」「へえ素敵。どんな映画が好きなの?」「あーそうね。最近観た中では、『コアラ課長』かな」「コアラ?かわいいいー。どんな映画?」「よくわかんねえけど、コアラがサラリーマンをしてるんだよ」「えーすごーい。おもしろそー」「じゃ、今度チョメチョメしようよ」「いいよ♡」ほら、これでモテモテ間違いなし!
Y木:モテるか。
S原:さあみなさん、来週の合コンのためにも、「コアラ課長」、ゲットだぜ!