あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

麻雀映画 第7局!「麻雀飛龍伝説 天牌 元禄闘牌決戦史」(2011)「麻雀飛龍伝説 天牌 無間地獄脱出史」(2011)の巻

麻雀飛龍伝説 天牌 元禄闘牌決戦史 [レンタル落ち]

 

 

(元禄闘牌決戦史のあらすじ)

黒沢に師事していた沖本瞬(波岡一喜)、伊藤芳一(北代高士)、後藤正也(印南俊佑)は25歳以下が出場できる大会・若獅子杯の予選通過を懸け、それぞれ戦っていた。B組の決勝進出をほぼ確定させている芳一に対して、決勝に残るためのサポートを乞う正也だったが、芳一は正也からの直撃で決勝進出を決める。手を抜かない芳一に納得できない正也は恨みを持ったまま、芳一の前から姿を消してしまう。一方、A組の予選を一度も負けないパーフェクトゲームで勝ち上がってきた瞬は決勝で芳一と対戦できることを楽しみにいた。しかし、ある事件をきっかけに3人の人生の歯車が狂い始める・・・

 

(無間地獄脱出史のあらすじ)

若獅子杯で沖本瞬に敗北した伊藤芳一は、波城組ナンバー1代打ちの津神元と対局をし、圧倒的な力の差を見せつけられる。一方、後藤正也は元禄杯での事件から立ち直れず、新宿の組織の代打ちを買って出て、仲邨組の影村、一心会の奥寺、そして波城組ナンバー2の北岡と6億円が掛かった卓を囲むことになる。残りの指を賭ける影村、妻子を人質に取られる奥寺を筆頭に、各々の人生を賭けた闘牌が始まる。

 

S原:これは、パート1とパート2らしい。らしい、と言ったのはどうもシリーズの順番がハッキリしないから。他にもシリーズ作品があるみたいやけど、サイトによって書いている情報が違うねん。もしかすると、パート3とパート4かも……レビューしている人もすごく少なくて、よく分からない。

Y木:それはええけど、このパッケージ……ごっつい怒ってる顔やなあ。

S原:主演は、波岡一喜。ヤクザものというかVシネマにこだわっている俳優です。このブログでも「頂点(てっぺん)」を取り上げました。

Y木:その記事を覚えている人も少ないやろうな。

talksessionyands.hatenablog.com

 

 

S原:これも漫画原作(麻雀飛龍伝説 天牌)で、解説によると「総計600万部、連載回数600話、コミック60巻発売中の麻雀漫画の金字塔「麻雀飛龍伝説 天牌」が圧倒的なリクエストの声により、またまた映像化!」ということらしい。

Y木:すごいな。60巻か。(S原注:あとで調べると100巻以上でてました…)

S原:ぼくも読んだことないねん。だからなのか、この映画はちょっと説明不足、特に登場人物がどんな人間かがちょっとのみこみにくい。たぶん漫画を読んでいる前提で作ってるんやと思う。その反面、キャラクターの説明が少なくて展開が早いとも言えるのよ。だから物語がスピーディーであっという間に観れます。

Y木:なるほど。

S原:要するに麻雀の戦いをメインに据えているのよ。もちろん、それが見どころなんやけど、登場人物の背景を描きすぎると時間がなくなってしまうやろ。だから製作陣も割り切ったんやろうな。

Y木:まあ、あれちゃう?原作を全く知らん人は、この映画はレンタルせえへんのとちゃう?

S原:そういうことやろうな。まずは「元禄闘牌決戦史」から話します。ここでは、主人公の沖本(波岡一喜)と東大生の天才雀士・伊藤(北代高士)、伊藤の友人で同じ東大生で陰のある後藤(印南俊佑)が主な登場人物です。伊藤と後藤は、全日本学生麻雀選手権に出場します。伊藤は昨年の優勝者で、早々と予選通過を決める。一方の後藤は、ギリギリで予選通過できるかどうか。最後の試合で、たまたま伊藤と同じ卓になる。後藤は「仲間だからアシストしてくれるだろう」と期待します。で、試合がはじまると、全然助けてくれない。それどころか勝手に自分だけ勝ってしまう。後藤は負けて予選通過できず、屈辱を味わう。

Y木:予選通過のためにアシストか。麻雀は勝負やろ。それはどうなんやろ。

S原:そうやねん。ちょっと陰鬱というかウジウジしてるのよ。で、負けた後藤は酒を呑んで泥酔します。そこで、女子高生が歩いているのと見つけます。それは、伊藤が家庭教師をしている娘やねん。ジーとみつめてこっそりと後をつけます。

Y木:おいおい、やめてくれよ……

S原:で、公園の近くで声をかけて押し倒したところで、伊藤がやってきて女子高生を助けます。

Y木:あーよかった。

S原:これを機に、後藤は伊藤から離れます(もちろん伊藤は家庭教師もクビになる)。ここまでが前半ね。で、後半は伊藤が主人公と勝負するエピソードになる。両方とも強く良い勝負です。それをヤクザたちが見ています。

Y木:ヤクザ?なんで?

S原:代打ちをさせる人物を探しているんやろうな。で、彼らが、麻雀卓の後ろからそれぞれの手牌をみて話す内容が、麻雀の解説になっていてここは分かりやすくて良かった。

Y木:結局は、主人公が勝っておしまい?

S原:はい。そのあとに、後藤をはじめ訳ありの4人が集まって、ヤクザの代打ちで新しく麻雀の勝負を始める場面でおしまい。これが次回の予告編的な役割になってます。ただ、このシリーズはたくさん登場人物がいて関係が複雑みたいやから、どうしても物足りなく感じる。たくさん伏線を張ってるけど、回収はもっと後になるんやろうな。全部理解出来たら面白く感じるんとちゃうかな。

Y木:なるほど。もう1本(無間地獄脱出史)はどうやった?

S原:こっちは、麻雀の激闘場面がほとんど全てやった。ところどころ回想とかあるけど、ともかく訳ありの4人が戦うというシンプルな構成やったわ。

Y木:訳ありって?

S原:結局、全員ヤクザの代打ちやねん。前作に出た東大生の後藤、妻子の命を脅かされている男・奥寺、自分の指(すでに人差し指がない)を賭けている男・影村、そして正体不明の変人とクセのある4人が負けられない戦いに挑みます。良かったのは、変人を演じたアンタッチャブル柴田英嗣。チャラチャラしながらも、妙にピントがずれている雰囲気が良かった。「哭きの竜」で印象に残った浜谷康幸が、またヤクザ役で登場していて、やっぱりこの人はええわ。もっと売れてもいいと思うんやけどな。

Y木:延々と麻雀をするだけの映画?

S原:そうです。麻雀をはじめて、劇中ずっと麻雀をしています。そして勝負がついておしまい。ここまでくれば、潔いよ。

Y木:へえ。最後はどうなるの?

S原:それは言えない。本当に勝負するだけのストーリーやから、今から観る人はドキドキして観てください。

Y木:主人公はでないんやな。

S原:そうやねん。波岡一喜は、少ししか登場しません。こらから絡んでいくんやろうな。

Y木:で、おまえの評価は?

S原:悪くないです。けど、さっきも言ったけど登場人物が多いから、爽快感みたいなのはなかったかな。原作ファン、Vシネマのファンは楽しめると思う。それにしても、他の2本「四川弔激闘史」と「 黒沢最終決戦史」が気になります。だれか観た人は感想を教えてくださいませ~!