あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

スポーツ映画祭り!第11試合「俺たち庶民派シューター」(2007)の巻

俺たち庶民派シューター [DVD]

S原:今回はこちらです。

Y木:コメディっぽいな。

(あらすじ)

カリフォルニアのビーチで、バスケットボールに命を懸けるチーム“The Minis”の面々。しかし、こいつらとにかく弱い!そんな中、西海岸最大のバスケ大会が開幕。「時は来た!」と意気込むチーム一同。しかし、人数不足に気づいてイキナリ崖っぷち!!「そうだ!彼しかいない!」そう思い立った一同は最後の望みをデニス・ロッドマンに託す!「…なんで俺が?」果たして史上最弱のチームは、ロッドマンを仲間に加え、優勝することができるのか?!

 

S原:これ、上のあらすじは、肝心なことを書いてないねんけどな。チーム名は、The Minis。文字通り低身長の人たちのバスケチームやねん。

Y木:なるほど。「配慮」ってやつかな。

S原:たぶんな。でも、そういうのはちゃんと書かなあかんやろ。「小人」とは書けないかもしれんけど、そういう人たち(おっさんたち)が主人公なんやから。こういうのを隠すから、変な空気になるねんって。

Y木:まあな。で、この映画はどうなん?

S原:普通かな。低身長症のおっさん2人が、趣味でバスケをしてるねんけど、周りからからかわれているねん。差別とかじゃなくて、陽気にからかうって感じね。メンバーの一人には息子がおるねんけど、その息子もバスケ選手。自分の父親には複雑な気持ちがあります。ある日、そんな彼らが街で、バスケ大会のチラシを目にする。彼らは早速、他の低身長症の友人を集めバスケットボールチームを結成する。その名も「ザ・ミニズ」というわけ。

Y木:真ん中の大きな黒人は?有名な選手?

S原:デニス・ロッドマンです。さすがに知ってるやろ?

Y木:あーたしか問題児のバスケ選手かな。

S原:そうそう。すごい個性的で、アクション映画(「ダブルチーム」など)にもでてるけど観てない。評判はすこぶる悪いけどな(笑)そういえば、一時期はプロレスまでしていたわ。リングで首絞められて宙づりにされてた写真が東スポ(関西では大スポ)にでてて、記事の見出しが『ロッドマン絞首刑!』いやー、当時大笑いしたわ(笑)

Y木:しょーもないことを覚えてるなあ…

S原:で、このデニス・ロッドマンが、コーチになります。

Y木:なんで?おっさんたちの無垢な心に打たれて?

S原:いいえ。ロッドマンが働く会社の社長がザ・ミニズを宣伝材料になって金儲けができると判断するのよ。で、気乗りのしないロッドマンがコーチをする。ちなみにロッドマンは、バスケ自体に興味が薄れています。

Y木:あかんやん。でも、そういう彼が、低身長のおっさんが頑張る姿をみて心が変わっていく……という展開やろ?アメリカっぽいよな。

S原:まあな。で、ロッドマンがコーチをして、練習が始まります。段々上手くなっていきます。同時にメディアにも注目されザ・ミニズは人気がでます。ところが、金儲けのためだけに自分たちを利用していたことを知って、チームは解散の危機をむかえてしまう……

Y木:なるほど。で、ラストはどうなるの?

S原:一応、伏せておきます。まあ、伏せる程のラストでもないねんけど(笑)でも、嫌味のない作りで気楽に観れる。それにこの映画は、75分しかないねん。ほとんど1時間のテレビドラマやな。でも、こういう映画をサラッと作るところは、アメリカのすごいところやと思わん?日本ではこうはいかんやろ?

Y木:そうやな。

S原:日本では企画段階で絶対に通らない。電通かフジテレビの社員が「おまえ、こんなバスケ映画なんて、誰が観るんだっちゅーの!」と怒鳴っておしまい。そのあとに「バスケ映画を作るんだったら、こうしようぜ。代わりにキムタクが、バスケでダンクっていうのはどうだ?そうだな、タイトルは『キムタクは、イケメンシューター』。マネージャー役は綾瀬はるかに打診しておいてくれ」……こういう会話があって、おしまい。

Y木:……おまえ、よくそういう無意味な妄想するけど、キムタクに恨みでもあるんか?

S原:あー、キムタクはこのブログも読んでるやろうから、ちょっと気を付けたほうがええかな。

Y木:読むか。まあキムタクはともかく、低身長のバスケ映画は、たしかに日本での製作は無理やろうな。「小人プロレス」でさえ、禁止になる国やからな。

S原:あー、あれな。何回か観たけど、お客さんを巻き込むのがなかなか上手いねんで。前座試合なんやけど、会場自体があったかい雰囲気になるねん。試合後に売店にいて、かわいいしな(微笑)

Y木:へえ。

S原:さあ、みなさん。単純すぎてサプライズのない映画ですが、スポーツ映画はこれでよいと思います。もう少しドラマがあれば、グッときたと思いますが、興味のある人はぜひどうぞ~!