S原:今回はソフトボール!
Y木:うわ、おれの苦手な感じの日本映画……
(あらすじ)
密かにフレンチシェフになることを夢見る佐賀の男子高生オニツカは、県内にソフトボール部がないため、創部するだけで全国大会に出場できるソフトボール部を作りたいという幼なじみのノグチに振り回され、部員集めに奔走していた。しかし、女子からもてたい一心で結成されたチームも次第に一丸となり、全国大会に向けての猛特訓が始まる。
S原:いやいや、これは偏見なしで観てほしい。いい意味で単純で楽しい映画やったで。期待せずに観たからかもしれんけど、普通に面白い。
Y木:少年ジャンプみたいなもん?
S原:いやー、昔のマガジンみたいな感じかな。主演の永山絢斗と賀来賢人がええねん。ぼくは永山絢斗は初対面やったけど、なかなかの雰囲気を持った人やな。賀来賢人は、「今日から俺は!」の実写版で三橋役やった人ね。あ、「今日から俺は!」はサンデーの連載ね。
Y木:どうでもええわ。
S原:あーそうそう。マガジンと言えば「はじめの一歩」って、いくらなんでも展開が遅すぎへん?
Y木:知らんわ。で、この映画はそういう少年漫画の王道やな?
S原:うん。モテたい一心で、ソフトボールで全国大会に出ることを目指す男子高校生たちの青春やな。本当にストレートで、全盛期の山口高志の直球みたいやった。
Y木:それはすごいな(笑) というか、例えが古いわ。しかし、ソフトボールの映画か。もちろん、これが野球やと普通で、面白くもないんやけど。
S原:そうそう。「下から投げるのが恥ずかしい」とか「女子じゃあるまいし」という雑音にめげずに頑張る姿を観る映画やねん。こういう映画って、キャスティングが全てと言ってもええくらい大事やろ?さっき言った主演の永山絢斗、賀来賢人は素晴らしいし、他の役者もええで。短気で問題児を演じた加治将樹、成績が良くチームメイトをバカにしている加藤諒、ソフトボール経験者の斎藤芳樹、やたらとでかい黒人のタイラーもみんな良い。
Y木:へえ。
S原:ついでに、成り行きでソフト部の顧問になってしまう大倉孝二、マネージャー役の波留、鎌田奈津美、平山真有、みんな良いです。
Y木:えらい褒めるな。
S原:この映画は、一般に有名なのかどうなのか知らんけど(S原もY木も流行りを全く知らない)、観客が期待しているポイントをちゃんと描いているのが素晴らしい。テレビドラマとどこが違うねん!と突っ込む人もおると思うけど、変な作家性とか凝った撮り方なんか全くなくて、青春映画のお手本やと思う。
Y木:話は上のあらすじのまんま?
S原:イエース。舞台は佐賀県の田舎の高校。その高校は全校生徒の9割が女子やねん。永山絢斗は、その高校の食品調理科で技術を学びながらフランス料理のシェフになることを目指しています。ある日、幼馴染の賀来賢人が佐賀県内に男子ソフトボール部が1校もないことに目をつけて、無条件で全国大会に出られるから(=女子にモテるから)ソフト部を創ろうぜ!と勝手に盛り上がる。永山絢斗は無理やりメンバーにいれられる。ちょうど4月になって新入生たちを強引に口説きメンバー9人が集まり、ソフトボール部が創部されます。
Y木:じゃあ、すぐに全国大会出場か。
S原:いやいや。佐賀県代表の高校と大分県の代表校と試合をしてその勝者が晴れて全国大会に行ける、ということが判明する。しかもその大分のソフト部は、昨年の全国大会準優勝校。意気消沈する部員たち。そこへ賀来賢人が言う。「やってみらんと分からん!」
Y木:ほんまに少年マンガみたいやな。
S原:やろ?それで、いよいよ本格的に練習開始となるねんけどな。同時に永山絢斗の元に「フランス料理人から技術を学べるワークショップ」への誘いのエアメールが届くねん。それが全国大会当日と被ってしまい、もしも全国大会出場が決まっても永山絢斗は大会に出場できないと分かる。果たして…?
Y木:おお、超ベタやな。でも、おまえが言うようにキャストというか役者がハマれば、面白そうやな。最後はどうなるの?全国大会に出場するところでおしまい?
S原:いやー、言いたくないなあ。これ、レンタル店で置いてるし、もっとたくさんの人達に観てほしいから、ネタバレ禁止です。
Y木:いつもネタバレ全開のくせに。
S原:まあな(苦笑)監督は豊島圭介。ウィキペディアによると東大卒らしい。高学歴の人が、青春バカ映画を撮るって素敵やわ~。
Y木:東大卒か。いろんな人がおるんやな。
S原:そうやな。ぼくらの大学時代にも、高校時代までチョー頭が良かったのに、ぼくらと会ってバカな話ばっかりしているうちに、本当にバカになってしまった奴がおったやろ?
Y木:あーおったな。この前、会ったやん(笑)
S原:相変わらず漫画の話ばっかりしてたけどな。最近はお風呂に入らないのに、健康ランドに行くらしい。理由を聞いたら「あそこは、たくさん漫画が置いてあるねんって!」「お風呂に入っている時間がもったいないやろ。その分漫画が読めるのに!」と熱弁してたな(笑)
Y木:相変わらず、やばい奴やなあ。いや、誰も知らない友人エピソードはええねんって。他にこの映画で良いところは?
S原:この映画では、賀来賢人が「やってみらんと分からん!」とよく言うんやけどな。この映画で、彼が言うと本当にそんな気になるねん。「よし、わしも明日から仕事頑張っぺ!」「体を引きずってでも、職場には行かなあかん!」みたいな。
Y木:よくわからんけど、まあ楽しめたみたいで良かった。
S原:さあ、今回の映画はおススメです。起承転結があって安心して観れます。ヤングな男子俳優たちが好きな人はバッチグーでしょう。ラストもさわやかです。あーこういう青春を送りたかった~!(魂の叫び)