S原:さあ、今回は「スラップショット3」!
Y木:ポール・ニューマンの映画やろ。えーパート3まで出来てたんや。
(あらすじ)
スポーツコメディの元祖『スラップ・ショット』の続編。弱小ホッケーチーム、チャールズ・タウン・チーフスが存続の危機に陥る。チームは試合に勝ってこの危機を打開するため、お構いなしの反則プレーを得意とするハンソン兄弟を加入させるが…。
S原:これは惜しい。
Y木:ほんまかいな。
S原:結果としてはイマイチな出来なんやけどな。これ、一歩間違ったら面白くなったかも、と思う。
Y木:一歩間違ったら、の使い方が間違ってるような気がするぞ(苦笑)
S原:ポール・ニューマン主演の第一作「スラップ・ショット」(1977)を観たのは、もう何十年も前やけど、いまでも結構印象に残ってるねん。あなた、覚えてる?
Y木:たしか、ケンカばっかりしてる映画やろ。
S原:そうそう。試合中に興奮してラフプレーになってしまうという。おまけに下ネタも多くて、でもラストがちょっとほろ苦い。いかにも70年代の映画やねん。
Y木:さすがに70年代の演出は出来ないやろ。
S原:うん。演出は現代風で観やすいです。
Y木:パート2も観たんか?
S原:観てない。だけど、あんまり評判は良くないみたい。今回のパート3は、アイスホッケーの少年チームが主役やな。舞台はチャールズタウン。かつてアイスホッケーで盛り上がってきたんやけど、ここ最近は財政が厳しい。主人公(ライリー)は、身寄りがなく少年のホーム(日本でいう児童養護施設?)で暮らしています。ライリーたちはホッケー・チームに所属ているねんけど、ある日、不動産屋の女社長・バーニーが町にやってきます。女社長は、町のためにホームをつぶすと言い出します。ホームの存続をかけて不動産チームと対決することになります。ライリーたちは、あのラフプレーで有名な「ハンセン兄弟」にコーチを頼んで……という話です。
Y木:面白そうやん。
S原:子どもが主役やし、単純でええねんけどな。もう少しキャラクターが面白いと、もっと良くなるはずと思う。
Y木:ラフプレーに興奮するキャラってこと?
S原:ラフコーチ(3人兄弟)は、じつは禅に心酔していて、怒りの感情を表に出さない。ところが、あるときから本性がでて暴力的な人間になってラフプレーばっかり教える。コメディやから、それでええねんけど、なんかスカッとせえへんねん。これはぼくがラフプレーを観てもスカッとしないタイプやからやろうな。
Y木:ラフプレーか。おれも苦手やけど、好きな人はおるやろうな。
S原:試合中にケンカをするところをみても、そんなに楽しいかなー。世界が平和なのが一番やで。
Y木:平和が一番はそうやけど、それでは映画は面白くならへんやろ。
S原:そうやなあ。メンバーの大半はラフプレーを教えてももらってノリノリやねん。でも「ラフプレーは嫌」という子どももおるねん。あとは主人公がホーム存続を願うあまり市長からの手紙を偽造してしまう。
Y木:えーあかんやん。
S原:立派な犯罪やけど、最後にはあっさりとスルーしてたわ(笑)あーそうそう。市長がレスリー・ニールセンそっくりやねん。知能指数0分署の人ね。
Y木:あんなショボい奴にそっくりなんか。
S原:クレジットみたら本人やった。
Y木:なんやねん。
S原:でも普通の人を演じてて全然面白くない(苦笑)この人も含めていろんなキャラがでるけど、どうも上手く絡まないのよ。もっと後半は面白くなるはずやけどな。要するに、こういう映画は「マンガ」でええと思うねん。ハッキリとしたキャラ、ベタな展開でOKなんやけど、そのうえでどこかキラリと光る場面とか役者があればなあ。上手く言えんけど、普通に撮る部分とそうでない部分を見極めて欲しかった。全部が無難な作りやと、ちょっと印象には残らんから。
Y木:言いたいことはわかるけどな。要するに今回はおススメしにくいってことやな?
S原:まあまあの出来なんやけど、わざわざこの映画を選ばなくてもええかな、と…(笑)
Y木:それを言ったら、大半の映画はそうやん。
S原:さあ、みなさま。何故かひっそりと中古店の棚に置いてあるような感じですが、意外に出会わないですよね?でも、大丈夫。出会わなくても、あなたはあなたらしく生きていけますよ。というわけで、明日も頑張りましょう!ゴーーーー!シュートォォ!
Y木:え…?みやたけし……?