S原:今回は、いかにもハリウッドなこの映画!
Y木:子供向きか?
(あらすじ)
ロイは、有名大学のバスケットボール・ヘッドコーチで、スポーツ番組でも取り上げられる程の人気だ。メディアが彼を取り上げるのには、その大きな態度にも理由があった。だがその態度のせいで、大学はロイを解雇した。お金に目が無いロイのエージェントは、大学のヘッドコーチに戻る為に良い印象を与えようと、ロイの通っていた中学校でのコーチを進める。ところが、中学校はロイが居た頃とはうって変わって、弱小チームで試合に勝った事がなかった。バスケットへの情熱を失っていたロイだったが……
S原:いやー参りました。
Y木:なんやねん、いきなり。
S原:もう王道中の王道。ベタ中のベタ。キング・オブ・予定調和やった。
Y木:まあ、そういう映画とわかって観てるんやろ。出来はどうなん?
S原:わりとええよ。でも、やっぱり驚きはないです。
Y木:そりゃそうやろ。
S原:ストーリーは上の通り。ヤンチャな男が、バスケ界から干されかけるけど、中学生たちと出会って、マインドチェンジ!最後は、みんなでが頑張って、青春を真っ白に燃やし尽くします!
Y木:なんか大げさやな。
S原:まあ、観ているあいだは面白いねんけど、1年後に覚えてるか?と言われると、自信がないです(苦笑)
Y木:いわゆるウェルメイドな感じやろ。
S原:そうそう。だから家族みんなで観れる。レッドビッキーズとか一発寛太くんとかに、多くを期待しないのと一緒やな。
Y木:おまえ、たまにマニアックな例えするけどな。全然、面白くないで。
S原:あーん、もう!つれないお方!
Y木:……その突っ込みも飽きてきたなあ。まあええわ。映画の内容をもう少し話して。ちょっとは印象に残った場面があるやろ?
S原:そうやなあ。あーそうそう。しょっちゅうゲロを吐く中学生がおったわ。
Y木:ゲロ……
S原:あと、すごい背が高い(188㎝)子もおるんやけどな。あんまりオツムが良くないねん。
Y木:オツム……
S原:他になにがあったかな。バスケのシューズマニアとかやたらと暴力的な女子もおったわ。そういう個性的なメンバーをいかにして一つのチームにするか?ってことやな。すごい弱いチームなんやけど、ハリウッドお得意の「いつのまにか上手くいく」展開になって、とんとん拍子で勝っていく……という展開になります。
Y木:主人公が教えるのが上手いんやろ?
S原:技術はあんまり教えてなかった。どっちかというと精神論かな。巨人戦を解説している掛布かよ!
Y木:なんやねん、その的外れなつっこみは。
S原:あと、この映画はコメディ要素もあるねんけどな。ゆるい感じでええよ。
Y木:例えば?
S原:試合中に手を上げさせるために、脇にスースーするクリームを塗るとか、暴力的な女子が芝生に座るために通りがかった男子生徒から上着を奪って下に敷くとか、タイヤ交換していると車が通りかかって主人公たちが泥だらけになるとか。
Y木:のんびりムードやな。ラストは?
S原:いわずもがな、やな。最後に「バスケをしている選手が、実は全員猿だった…!」とか、どんでん返しがあれば、ええのにな。
Y木:それは「猿の惑星」やがな。
S原:ほかには、例えば「チームメイトの1人が血を吐く。じつは白血病だった…!」という場面とかあれば、引き締まるのにな。
Y木:引き締まらへんわ。なんやねん、その松竹映画みたいな展開は。
S原:あー言い忘れてたわ。
Y木:なに?
S原:主演のマーティン・ローレンスやねんけどな。鼻の穴が大きいねん。
Y木:あー、そう……よかったな。
S原:さーみなさま。可もなく不可もない出来ですが、体調良い日曜の朝に観るにはピッタリですよ。悩み事があるときや、心に余裕がない時は「なにこのふざけた映画は!」って苛立つから、観ないでくださいませ~!