あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「スーパーマンIV 最強の敵」(1987)の巻

スーパーマンIV 最強の敵 [Blu-ray]

(あらすじ・解説)

クリストファー・リーブが正義の味方のマントをまとうだけでなく、核の廃絶という刺激的なテーマを展開するのにも一肌脱いだシリーズ第4弾。世界を核兵器の売人にも居心地良くするため、レックス・ルーサーが打倒“鋼鉄の男"を掲げて創り出したのが、放射能を帯びたニュークリアマン。最強の敵を迎え、想像を絶する死闘が繰り広げられる。さらに自由の女神を救い、エトナ山の噴火を食い止め、爆破された万里の長城を再建するスーパーマン。エキサイティングな冒険、ここに完結!

 

スーパーマン……誰もが知っているヒーローなのに、あまり(映画を)観たことがないという不思議な映画ですね。とくに、このクリストファー・リーブ版は、いまとなってはもう観る人も少ないんではないでしょうか。

このシリーズはpart2(冒険編)までは、まあまあだったのですが、part3(電子の要塞)は珍作中の珍作でしたねえ……(苦笑)あれは、たしか夏休みに劇場公開だったはずなんですが、楽しみにしていた子供たちにビターテイストのメモリーを与えた映画だったですね。ぼくの友人は、「めっちゃ弱いねん、スーパーマン!」と本気で怒ってましたから。

 

part3は興行収入も良くなかったし、打ち止めにしてもおかしくなかったのですが、なぜか続きましたね。クリストファー・リーブ自身も「もうスーパーマンの続編には出演しない。だって、もうやることがないからね」とインタビュー(雑誌スクリーン)で語ってたんですけどね。まあ、スーパーマンも目の前に積まれた札束のパワーには負けたということでしょうか。

で、この映画ですが結論からいうと悪くないです。

おいおい、ほんまかいな!と突っ込む人の気持ちも分かるんですが。まあ待って下さいませ。あのpart3のあとでは少々のことは目をつむろうとするのが人情ですよ。

良いところをまず言うと、ぼくはブルーレイで観たのですが、それなりに画像はキレイです(ただし空を飛ぶ特撮場面はかなり厳しいです)。

あとジーン・ハックマンもノリノリで悪役を演じていてバッチグーです。それにしても、この人は不思議な俳優ですね。「フレンチコネクション」(1971)「スケアクロウ」(1973)「ミシシッピー・バーニング」(1988)などの映画史に残る映画に出演している一方、「ボディ・バンク」(1996)とか「カナディアン・エクスプレス」(1990)とかB級臭プンプンの映画も嬉しそうに出演していますから。分け隔てなく映画出演するナイスなおじさんですね。あ、ちなみにぼくは「カナディアン・エクスプレス」、すごく好きです。

それにストーリーが単純極まりなくて、良いです。

①悪いヤツ(レックス・ルーサー)が、強い奴(ニュークリアマン)を作ります。

②スーパーマンがやっつけます。

これだけです。起承転結ですらありません。清々しいです。ちょっとくらいスマホの画面をみていても、ラストさえ観ていればバッチグーの親切設計ですよ。

え?他のエピソードもあるだろうって?イエース、ありますよ。一応、クラーク・ケントが勤務している新聞社の内部ゴタゴタとか、国連で平和についてスーパーマンが語るというエピソードがあります。でもですねえ、そういうのを観たいわけじゃないんですよ。なぜ変な青いレオタードと赤いピチピチブリーフのおじさんに世界平和の説教を喰らわせられるんでしょうか?グズグズしてないで早く「最強の敵」を出せっちゅーの。80年代の映画のリズムというのを除外しても、ちょっとスロー過ぎますよ。このへんが欠点でしょうか。あ、でも、女性二人とクラーク・ケントとスーパーマンでWデートする場面は面白かったです。

 

というわけで、「スーパーマンIV 最強の敵」は最低作ではないですが、おススメしにくいです。レンタル店でみかけて、ちょっと気になっている人もいると思いますが(いないか)、最近のアメコミ映画とは全く違う(とくに特撮部分)ということを理解してもらえれば、まあ楽しめるかも……です。

今回はストーリーについてほとんど語っていませんが、本当に語るべき部分のないストーリーなんですって……(苦笑)

というわけで、次回以降もお楽しみに。以上、S原でした!