あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「猿の惑星 征服」(1972)の巻

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Y木:猿の惑星かあ。

S原:今回は、ほとんどの人の記憶から消えているこの映画です。

あらすじ)

言葉を話す猿たちの繁栄を恐れた人間に、あの猿の夫婦が殺されてから18年。彼らの忘れ形見シーザーは密かにサーカスの団長によって育てられていた。猿が人間のペットとなっている社会で、奴隷として虐待を受ける仲間の猿の姿をみた彼は、ついに怒りを爆発させ、人間への反乱を開始した……!

 

S原:かなり昔、申年の正月に猿の惑星全5作一挙放送という特集があったやろ。8時間くらい延々と猿が映っているという(笑)

Y木:あーあったなー、サンテレビ(関西のチャンネル)やろ。あれは忘れられんよな。テレビの番組編成の奴がヤケクソになったんやろな。

S原:まあ、猿の惑星はいまだにリメイク(リブート?)されるくらいやから、人気作やと思うねんけど、オリジナルシリーズとしては全5作やねん。「猿の惑星」(1968)「続・猿の惑星」(1970)「新・猿の惑星」(1971)「猿の惑星 征服」(1972)「最後の猿の惑星」(1973)です。覚えてる?

Y木:最初のやつしか覚えてない。大学時代はみんなpart2をネタにして笑ってたな。

S原:だって、生き残った人類が爆弾を崇拝している映画やで。しかも、めちゃシュールやし(苦笑)まあ、シリーズの宿命というかだんだんダメになるんやけどな。これは、part4です。実は、前回のpart3「新・猿の惑星」は結構面白いねん。ある日、人の猿(人間と同じ知能を持った猿)が現代のアメリカにタイムスリップをしてきます。未来に地球が猿に支配されるという「事実」を知って、人間たちは恐怖を感じて、結局猿たちは人間に殺される。ところが2人が生んだ子猿が生きていて…というところで映画は終わります。

Y木:ほう。

S原:今回は、その生き延びた猿(マイロ)が主人公やねん。このマイロは人間の言葉も話せるし頭もよいが、普段はただの猿のようにふるまっています。まさに猿真似ですな、旦那。

Y木:しょーもない落語家みたいな表現はやめろ。

S原:この映画では犬や猫が死滅していて、猿をペットで買う一方、奴隷としてもこき使っているという設定やねん。サーカスの団長にかくまわれながらひっそりと生きてきたマイロだが、猿が虐待されているのをみて思わず言葉を発してしまう。そこから人間に追われて逃げていく…という展開やな。

Y木:あーそんな話なんや。全5作で完結やから、この映画では話は終わらんのね?

S原:終わりません。マイロ(途中でシーザーという名前に変わる)が、猿たちを率いて暴動を起こしたところでおしまいです。

Y木:じゃあ、part5では猿と人類の全面戦争やな。

S原:うん。しょぼかったけどな。

Y木:あかんやん。で、この映画の感想は?

S原:面白くないです。

Y木:やっぱりな。

S原:これ久しぶりに見直したんやけど、もう惰性で作ってるような感じでな。

Y木:猿のメイクはすごいんやろ。

S原:すごいよ。でも、すでに3本の映画で猿を見続けるねんで?いくら猿のメイクが上手くったって別に驚かへんって。

Y木:猿が好きな人もおるがな。

S原:そんなん動物園に行ったらええがな。

Y木:それを言ったらおしまいやろ!

S原:いやーとにかく、この映画は中途半端。例えば、賢いお猿さん(マイロ)が、人間にみつからないようにバカなふり(猿のふり)をするという場面なんか、いくらでも面白くできるやろ?ところがメチャクチャ凡庸で下手やねん。あとは人間たちが猿を迫害する場面も中途半端。たとえば、観客が、人間の仕打ちの酷さに嫌悪感を抱いて猿たちを応援するようなレベルでもないのよ。ただ単にいじめてるだけ。これではあかんって。

Y木:猿VS人類の戦いになるんやろ?

S原:なります。でも、ぬるい……翌日の風呂の水みたいな温度です。あー最後にボス猿が演説するねん。人間は地球を汚染している!とか。でも映画の出来が悪いから、「なんでサルに説教されなあかんねん!」という気持ちになる。「おまえらだって、バナナを食べた後にゴミ箱に捨てへんやろ!」って。

Y木:なんやねん。意味わからんわ。要するに演出がダメなんやな。監督ってだれやったけ?

S原:J・リー・トンプソン。この映画の前は「ナバロンの要塞」(1961)「マッケンナの黄金」(1969)とか撮ってます。

Y木:へー、ちゃんとしてるやん。

S原:この映画の後は、チャールズ・ブロンソン主演で「必殺マグナム」(1986)「バトルガンM-16」(1987)とか撮ってます。

Y木:あかんやん!って、観てないのに決めつけたらあかんか(苦笑)

S原:いや、ぬるいのは確かやで。でもなー、ぼくは子供の頃から「ちょっと猿っぽい」と言われてるねん。

Y木:あー大学時代もからかわれてたな。

S原:いや人間は(たぶん)猿から進化してるから自然なことなんやって。それはええねんけど、もしも、ほんまに現実世界で猿と人類が戦うことになったら、ぼくはどうなんやろ?猿っぽいということで、猿たちには優しくされるんやろか?

Y木:いや、真っ先に殺されると思うで。役に立たない人間第一号ってことで(笑)

S原:あーサンキュー。じゃ、人間側につくわ。

Y木:なんちゅう不毛な会話や。

S原:まーこの映画に話を戻すと、本当に猿が好きで好きでたまらないって人以外にはおススメできません。というわけで、次回の申年にどこかのテレビ局で一挙放送するでしょうから、べつにDVDは買わなくても良いと思います!では、モンキー、ゴーホーム!

Y木:最後はダジャレ……しょぼいなあ(ため息)