あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

たぶんマイナーな日本映画をまた10本発掘!「新選組オブザデッド」(2015)の巻

(あらすじ)

新選組の名を振りかざして好き放題の生活を送っていた屑山下衆太郎は、ある晩ゾンビに出くわして噛みつかれてしまう。駆けつけた仲間たちに救出され命拾いしたものの、下衆太郎の心臓はすでに止まっており、次第にゾンビ化していく。一方、新選組が捕縛したゾンビを狙う武器商人カウフマン商会は、彼らのもとへ殺し屋・唐人エックスを差し向ける。やがて、京都の町にもゾンビウィルスが蔓延しはじめ……。

 

今回は、S原の1人語りです。

これは、正直に言うと映画としてはあんまり面白くないです。とくにゾンビ映画を期待すると肩透かしでしょう。

でもですねえ……妙に印象に残るんですよ……

「何が?」と言われると、それはズバリ「役者」!ですね。以下、敬称略で話します。

失礼ながら、主役の日村勇紀バナナマン)以外は誰一人として知らなかったのですが、まわりの役者たちがとにかく良いんですよ。

とくに女性であることを隠して新選組に入った火藤を演じた山本千尋の立ち姿と、局長の懐刀と呼ばれる新選組の監察方の山崎を演じた川岡大次郎のムッとした表情が忘れられません。この2人はすごく魅力的です。ネットで調べるとこの2人は、かなりたくさんの映画やドラマにでているようですが、監督が使いたくなるのも分かりますね。大きめの作品で役がハマれば、超有名になるのではないか、と個人的には期待しています。(なってほしい!)

ほかにも、ゾンビになるメリケン人のチャド・マレーンのいい加減さ(いい意味で)、主人公の惚れている芸者・なすび奴の水樹たまのややオツムが足りなさ(そこが可愛い)、山本千尋にあっさりとフラれる武石悟朗の情けなさ(少年漫画のわき役みたいです)……ほかにもみんな良いです。

渡辺一志監督自身が、坂本龍馬を演じていますが、ここだけはちょっと空気が違うような気がしましたね。ただ、いままでの坂本龍馬像とは違ったアプローチをしたであろうことは間違いないので、これは評価が割れるのを知っての確信犯的な演出/演技だと思います。もしも、この映画も役者たちの魅力が、監督(渡辺一志)の力量なら素晴らしいとしかいいようがないです。

ストーリーは、上の通りでそれ以上でも以下でもありません。しいていうなら、火藤と山崎の恋愛譚とか、主人公が(ゾンビになっても)サムライのまま死ぬことを選ぶとかが絡んできますが、わりとのんびりムードで話は進むので全然緊張感はありません。

かといって、クスクス笑うようなコメディーリリーフもあまりなく「ゾンビ時代劇」というキーワードだけではちょっと寂しいです。もう少し企画段階で「面白ポイント」を絞ったほうがよかったかも、、、まあ大きなお世話ですな(苦笑)

というわけで、バナナマンの日村ファンは必見。ゾンビ映画ファンはスルーでよいですが、(たぶん)有名でない俳優たちをチェックしたい人にもおススメです。

以上、S原でした。役者のみなさん、なかなか大変だと思いますが頑張ってくださーい!