あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「エシュロン -対NSA網侵入作戦-」(2006)の巻

エシュロン -対NSA網侵入作戦- [DVD]

S原:今回は意外にイケるこの映画!

Y木:ほう。

(あらすじ)

世界は 今も 盗聴されている・・・実際にその存在が噂される極秘盗聴システムをベースにダイナミックに描かれるスパイ・アクション!

 

S原:あまり知られていない映画でも、たまに『意外な拾いもの』があるやろ?

Y木:そうやな。このブログを始めるときに、本当はそういうのを紹介しようと話し合ったんやけどな。

S原:そうそう。はじまってすぐに、バカな映画を延々と語り合うブログになってしまった(苦笑)このブログはおもに「ワゴンコーナーにありそうなDVD(映画)」を取り上げていますが、今回は『意外な拾いもの』と言っていいと思います。

Y木:ほんまかいな。パッケージとかB級感ありありやん。

S原:こういう場面はないんやけどな(苦笑)チョー面白い!ってことはないけど、ちゃんと最後まで観れるで。

Y木:それが普通やがな。最後まで観れるって、どういう基準で映画を観てるねん。

S原:まあストーリーが僕好みっていうのもあるんやけど。なんというか、この映画は登場人物がなにをしているか、映画の展開が理解できるのよ。

Y木:だから、それが普通やって!

S原:エシュロンって知ってる?

Y木:知らん。

S原:ぼくも知らんかったんやけど、一部では有名らしい。ウィキペディアから引用すると、こんな感じです。

エシュロン (ECHELON) はアメリカ合衆国を中心に構築された軍事目的の通信傍受システム。同国の国家安全保障局NSA)主体で運営されていると欧州連合 などが指摘し、エドワード・スノーデンの告発によりPRISMで有線データ通信さえも盗聴されていることが明らかになった一方アメリカ合衆国連邦政府が認めたことはない。

Y木:あー、知らないうちに通信傍受されているってことな。

S原:イエース。そのエシュロンの映画やな。

Y木:主人公が巻き込まれるんか?

S原:いや反対。主人公は政府側の人間です。エシュロンは電話やファックス、電子メールを盗聴することのできるシステムやねん。要するにSNSや電話線を使って全世界を監視していて、なんと電話が切れていても傍受できるという設定です。開発されたのは冷戦時代でソ連にに対抗するためのものだったんやけど、現代でも諜報活動(盗聴活動)のために使用し続けています。それが本当かどうかはちょっと置いておくとして、この映画ではあるウェンデル・クランショー社という民間企業が、NSA(国家安全保障局)に対して新しい技術(タンブルウィードというシステム)を導入しようとするところから始まります。さっきも言ったけど、主人公はNSA(国家安全保障局)に勤務している中年のおじさんです。

Y木:へえ。それで?

S原:ところが、ある偶然からタンブルウィードに関する機密文書を全く無関係の一般女性(フランチェスカ)が手に入れる。ウェンデル・クランショー社はかなり強引な会社(たぶん政府筋の強力な後ろ盾がある)で、本来無関係のフランチェスカを自己都合で「産業スパイ」を決めつけて処分しようとする。あまりに卑劣なやりかたに、主人公は憤って自分の立場を捨ててまでフランチェスカを守ろうとする。主人公は、フランチェスカを守って逃亡しつつタンブルウィードのシステムを逆に利用して、この国家レベルの盗聴行為を世間に暴こうとする……こんな感じです。

Y木:なるほど。

S原:主人公は天才ハッカーを召集し反撃体制を整える。NSA側が周波数検知不可能な場所はオゾンの濃度が減少しているところであることを突き止めた彼らは、イタリアのモンブラン山脈へと飛び立つ。雪山で超大国アメリカへの反撃していくねん。

Y木:へえ、面白そうやな。

S原:面白いよ。

Y木:主人公は命を懸けて女性を守るというストーリーか。恋に落ちるってこと?

S原:いやそういうのじゃない。途中で主人公が言うけど「世界中を盗聴するような行為を続けるのはおかしい」と義憤にかられてるわけ。

Y木:あー世界の正義を守るってことか。

S原:実を言うとそこの動機が弱い。だって、いくら正義があったとしても、自分の命をかけて見ず知らずの女性1人を助けるか?と疑問に思うやろ。そこはちょっと説得力がないかな。あとは派手な、というか印象に残るサスペンスシーンやアクションシーンがほとんどない。これはイタリア映画やねん。ハリウッドならもっと『映える場面』を作ると思う。

Y木:地味なんやな。

S原:うん。でも結構お金はかかってると思うんやけどな。お互いに相手の裏をかく方法がユニークやねん。例えば同じ会話をわざと繰り返して向こうの監視システムをすり抜けるとか、音量を小さくして相手が耳をすましたところで一気に大音量を流して鼓膜とシステムを破壊するとか。

Y木:へえ。

S原:モンブラン山脈でのロケもすごい。本当に雪の降る山脈で撮影しているから、キャストもスタッフも大変やったと思うで。これ、イタリア本国ではどういう評価なんやろか。このブログの読者でイタリアの人がいたら教えてほしいわ。

Y木:イタリア人なんかおらんわ。日本人の読者も少ないのに(笑)で、ラストは?

S原:言えません。だって、ドキドキしながら観てほしいから。さーみなさま。基本、おじさんしか出てこない華のない映画ですが、アメリカ製でない独特の雰囲気も味わえます。現代ならではのテーマなのに、ちょっと昔のスパイサスペンス風なのも楽しいです。このDVDは、たまに中古店で見かけますのでサスペンス映画が好物の人はマストバイです!