あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

舞台のDVDを観てみる!「千歳月」(2007)の巻

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S原:今回の舞台のDVDはこれですよ。

Y木:恋愛もの?

(解説)

『生まれ変わっても  引き裂かれた二人は必ず導かれる そして 千年も前から続くこの運命に叫ぶ  「もう離さないで・・・」』

千年も前に悲劇的な別れをした二人が、現世に生まれ変わり再び出会う。

 

S原:これは、まったく予備知識がなく観たんやけど、なかなか面白かった。

Y木:千年前からの純愛ストーリーか。究極の恋愛ものやん。すごいな。

S原:うーん、そうなんやけど、実は「恋愛」が主軸のような、そうでないような。

Y木:えー、そこがメインやろ。

S原:バックボーンはそうなんやけどな、ちょっと変わった構成・演出やねん。千年前に悲恋に終わった男女が現代に(生まれ変わって)、別々に住んでいます。男性は20代のサラリーマン、女性はミュージシャンを夢みています。実はお互いに夢の中で逢っているけど、どこのだれかは分からない。ある日、街角で男性は、その女性に出会う。驚く2人だが、まさか夢で逢ってますよね?とも言えず、女のライブを観に行く約束をしてその場は分かれる。

Y木:出だしは普通やん。

S原:そのままラブストーリーになるのかと思ってたら、今度は女性と友人2名(カップル)が賃貸の部屋をみにいく場面になります。ところが、そこでは誰かが住んでいるような気配があったり、つじつまの合わないことが分かる。このへんは、ミステリー風になりつつ、舞台ならではのコメディリリーフもあって、なかなか楽しいです。女性と男友達は、部屋にあったコーヒーを飲んだせいで、不思議な空間(ただし部屋のまま)に迷い込むことになる。そこには、若い男性と小学生くらいの女子が住んでいて…

Y木:へえ、そんな展開になるんや。

S原:どうもこの空間は、現実世界でない夢のような空間で、男性と小学女子は2人で(ここで)生きているらしい、ということが分かっていく。女性は、この男性が部屋の以前の持ち主(借主)だと気付く。と同時に女性も男性も同時に、夢の中で逢っていた「恋人同士」ということにも気付く。やがてお互いは、千年前の記憶をはっきりと思い出して、再び恋に燃え上がる。女性は夢の中だけでなく、現実世界でもちゃんと男性と再会したい、と願う。

Y木:なるほどな。

S原:でも問題があってな。じつは、この男性は交通事故で意識不明(3か月くらい)になってずっと病院にいることが分かるねん。だから、意識だけが夢の空間にさまよっていたわけやな。

Y木:あー現実では再会できない、と…それは寂しいな。

S原:うん。しかも小学生女子のほうは、すでに死んでいることが分かる。

Y木:えー!それは……

S原:女性はどうしたものか悩む。もしも上手く男性が意識不明から回復したら、今度の小学女子がひとりぼっちになる、それどころかあの夢空間自体がなくなってしまうかもしれない。

Y木:どうするの?

S原:ここから先は、ぜひ観てください。やっぱり舞台のラストまでペラペラ話すのは、ちょっと抵抗があります。

Y木:おまえ、Z級映画はラストまで詳しく話すやん。

S原:あれはええねんって。二度と劇場公開なんかせえへんから(笑)でも芝居は、また再演するやろ。その人たちのためにもマナーは守らないとな。

Y木:おまえがマナーって……散々マナー違反で映画の紹介をしているくせに。

S原:まあな。少し最後の場面に触れると、クライマックスでバラード(Scene of Heavenの「千歳月」という曲)が流れるねん。曲と場面の組み合わせとしては、あんまり合っていないように感じたけど、  どうもこの芝居は、この歌詞がベースになっているらしい。上の解説の文言も歌詞の一部になってます。なので、曲が流れるクライマックスありきで、脚本とか作ったんかもな。

Y木:へえ。

S原:でも、ちょっと合っていないと思うけどなー。歌詞のない静かな音楽で充分やったんとちゃうやろうか。

Y木:まあ、ラストがどんなんか説明もないし、観てないからわからん。

S原:そうやな、悪かった(苦笑)でも、このDVDは楽しかった。役者もそれぞれ味があったしな。全員、美男美女でないところがすごく良かったで。

Y木:……それって嫌味?

S原:ちゃうねんって。ほんまに、ええ感じで「美形でない顔」やねんって。このへんは観て頂戴としか言いようがないけどな。

Y木:確かに、舞台・芝居は生で観るのは一番やもんな。

S原:そうそう。だからこうやって芝居のDVDで紹介するのも、失礼かもな。

Y木:かもな。

S原:さあ、みなさん。これは恋愛ものとしては、変則かもしれませんが、「変化球」を楽しんでくださいませ。あまり、見かけないDVDですので、お店で見つけたときはゲットですよ!