あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

アイデアで勝負!な映画たち「ミステイクン」(2011)の巻

ミステイクン [DVD]

S原:今回はコレ、吉本興業製作の映画です。

Y木:えー、イマイチそう…

(あらすじ)

お笑い芸人・野性爆弾川島邦裕が主演を務めた新感覚サスペンススリラー。「自分の部屋が気持ち悪い」とカメラを回し始めた川島。ところが、衝撃音、フリーズ、不協和音、リフレインなど奇怪で恐ろしい現象が次々と川島を襲い、耳慣れない音が鳴り…。

 

S原:これは、正真正銘の「失敗作」やと思う。

Y木:いきなり直球の結論やな。

S原:なんというか褒めようがないねん。出来が悪いとかじゃなくて、単純にほんまに面白くない…

Y木:一応、狙いはあるんやろ?

S原:狙いは分かるねんけどなあ…あまりにも映画の出来が稚拙でコメントが出来ません。

Y木:ボロクソやん。

S原:いまテレビで人気のお笑い芸人・くっきーこと野生爆弾の川島邦弘主演やねん。初めは、くっきーが、自分の一人暮らしの部屋に複数のカメラを置いていくところから始まる。それで自分の生活を撮り続ける。その映像がそのまま映画になっているわけやな。くっきーが、寝ている姿や、楽器を弾くところ、宅配業者とのやりとりや台所でリンゴを食べる姿が映る。とくに何が起こるわけでもなく、メリハリなく普通の生活が延々と映るだけ。ここが異様に長い。20分くらいあったんとちゃうかな。

Y木:それは長いな。でも演出やろ?

S原:たぶん…な。でも、おじさんの日常が映るだけやで。ほんまに苦痛やった。

Y木:何か起こるんやろ?

S原:途中で、白い服を着た女性が首つり自殺(?)している姿がカメラに映る。くっきーは「うわあああ」と驚くけど、つぎは風呂場で、生きているタコが映る。

Y木:わけわからんねんけど。

S原:浴槽でタコを飼っているという意味みたい…でもよくわからん(苦笑)そのあと、いきなりガガガガと不快な音がして主人公がビクッとなるとか、友人が訪ねてきて浴槽のタコを料理してあげるエピソードが、断片的に続く。このへんも平坦でやっぱり退屈なまま映画は進んでいく。ここで50分くらい経っています。ちなみに、映画は70分くらい。

Y木:それはキツイなー。

S原:そのうちに、くっきーの口から黒い髪の毛がでてきたりします。あわてて、友人を呼ぶと、友人の着ていた(?)白いシャツが血だらけで発見される。突然部屋の電気が切れて、浴室に行くと白い服を着た女性が変な格好で壁にくっついている。くっきーは絶叫してそのまま気絶する。「食人族」方式でカメラがバタンと倒れます。

Y木:みんな好きやなあ、「食人族」(笑)

S原:次の日、友人がくっきーを探して布団をめくると、主人公が血だらけで死んでいるのを発見する。そこでピンポーン!

Y木:ピンポーン?

S原:ここで、どんでん返しがあるねん。じつは、いままで映っていた映像は、クイズ番組の出題映像(間違い探し)というオチやねん。だから、いままでの「恐怖の場面」が、間違い探しクイズの「正解」になるというわけ。

Y木:うわ、しょーもなー…

S原:それも、クイズ番組の場面がまたダルい。草野仁が司会です。

Y木:それでおしまい?

S原:さらに、クイズ番組で主人公とやりとりをしているうちに、今度は、くっきーが、本当に殺人鬼(宅配便の人)に襲われる映像が映って、番組の出演者たちがビビるところで、映画はおしまい。

Y木:えー…なにそれ…

S原:ほかのお笑い芸人(河本準一)とかがでてるけど、なんというかな、芸人の間ではこういうのが面白いんかな。こういうノリで映画を作ってしまうセンスやから、みんなテレビを見なくなるんとちゃうやろか。

Y木:まあそれは結果論やって。面白ければ「野心作」「問題作」と言って高評価されるわけやし。言い方を変えれば、「新しいことにチャレンジして失敗した映画」とも言えるやん。

S原:ものは言いようやな(笑)あ、言い忘れてたけど、最初と最後に、監督とくっきーと河本準一と3人で雑談する場面が挿入されてるねん。

Y木:演出?

S原:演出…とは思えんけど、上映時間が短いからという内輪ウケで笑ってたけど、それもどうなんやろか。

Y木:いやー全く意味が分からん。

S原:誰もわからんよ。監督が最後に「あの、今日は、こんな映画を観ていただいてありがとうございました。気を付けてお帰りください。さよなら」と言って、ほんとうにおしまい。

Y木:…ひどいな。

S原:そういうわけで、珍作中の珍作です。でもお勧めできません。いやーまだまだこんな作品があるなんて、世の中は広い!ぼくはいままで、かなり底辺の映画を観てきたという自負があったんやけどな。自分の認識が甘かった。まだまだ修行は続くでござるよ!

Y木:…もう解脱したら?だれも困らんで。