あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ほぼ誰も知らない邦画 20連発!「ラブポリス」(2011年)の巻

ラブポリス ニート達の挽歌 [レンタル落ち]

 

S原:今回はこれ!

Y木:お笑い芸人が主演か…

 

(あらすじ)

仕事もせず、金もなく、これといった夢や希望も見つけられず、それゆえに恋人もいるわけがない……そんなニートを絵に描いたようなアキオ(吉村崇)とトオル大地洋輔)。ひょんなことから彼らは、男に恋愛でひどい目に遭わされた女性の復讐(ふくしゅう)を代理遂行するラブポリスとして立ち上がることに。しかし、その裏には失恋直後の女性は落としやすいのではないかという不純極まりない動機があった。ラブポリスとしての活動を通して、これまでの社会から取り残されたニート生活では得られなかった充実を感じるアキオとトオル。しかし、思いも寄らぬトラブルが彼らを待ち受けていた・・・

 

S原:前に紹介した「宇宙で一番ワガママな星」と同じで、これも吉本興業が製作にからんでます。

Y木:どうやった?

S原:「宇宙で一番ワガママな星」よりはマシやったけど……おもしろないです。

Y木:そうなんや。

S原:うーん。吉本は沖縄国際映画祭を主催しているから、映画ビジネスに興味があるんやと思う。でもなー、こういうことを続けるんかなあ。

Y木:かなり前の映画やから、いまは(吉本の)映画製作のスタンスも変わってるんとちゃう?

S原:そうかもな。当時は、松本人志板尾創路に映画を撮らせたりしてたから、そういう企画の一環なんかな。吉本のタレントを出演させてなんとなく作った映画なんか、どう考えてもダメやと思うねんけどな。

Y木:それは偏見やろ。企画次第やし、監督の力量次第やんか。いわゆる「化ける」こともあるし。

S原:だけどなー……

Y木:まあ言いたいことはわからんでもない。タレントとか芸人が主演というだけで、敬遠する人もおるやろうしな。でも、そういう偏見をぶっ壊すくらいのパワーとか勢いがあれば、面白くなると思うけどな。

S原:うーん、そういうパワーや勢いは感じんかったな。短い映画やのに、長く感じたし。でも、こういう映画って、そもそも誰が観るんやろか?

Y木:さあな。気軽にレンタルをしてもらうような作品とちゃうの?

S原:そうなんかなあ。なんか違和感を感じるねんなあ。

Y木:ストーリーは、上のあらすじと一緒?

S原:そうそう。これ、ストーリーは結構ええと思うねん。ニートの2人が鬱屈した気持ち(下心も含む)を抱えつつ、女性のために役立つことをする。当然、上手くいかないけど、最後は大きなトラブルをなんとか始末する。結局、女性にはモテないけけど、ちょっとだけ「大人」になる…こういう映画になれば面白いはずなんやけどなあ……

Y木:どんな風にあかんかったの?

S原:まず、ニートでコンプレックスを持っている描写が上手くない。説明的な台詞は多いけど、かれらの焦燥感みたいなものは伝わらへんねん。吉村崇も大地洋輔も悪くないけど、テレビで見るからどうしても「あ、タレントが映画に出てるのね」と思ってしまう。

Y木:演技が下手ってこと?

S原:いや、僕はむしろ演技は下手じゃなかったと思うで。なんというんかな、この2人はいまの現状(ニート状態)をなんとかしたいと思ってるねん。女性と××したいという下心はあるねんけど、もっと「いい年をしたオッサンの哀しみ」なんかが滲み出ると、もっと良いと思うんやけどな。

Y木:哀しみをみせる映画なんか?単純なコメディとちゃうの?

S原:コメディなら、もっとぶっ飛んでもらわんとな。

Y木:なるほど。

S原:哀しみを感じるような場面も少しあるねんけど、なんか他のコメディの場面とかみ合ってなくて、うだつのあがらないオッサン2人がリアルに感じへんねん。

Y木:中途半端?

S原:そやなー。コメディとしては笑えるシーンはないし、おっさん2人のペーソスを感じることもない。ドラマの展開としても単調やから、やっぱり退屈に感じる。

Y木:良い場面とかないの?

S原:あるで。ぼくが好きなのは、吉村が駅の近くで友人(同級生)とたまたま出会う場面。友人から「近いうちに同窓会があるから出席する?」とか聞かれて、とっさに吉村はごまかす。自分のみじめな姿をみせたくないねんな。その友人は会社帰りなんやけど、手にはオムツをもってる。吉村はそれを黙って見る。この場面で、子供がいる同級生に比べて、おれは……という表情の吉村はええよ。こういうのがもっとあれば、逆にコメディの要素も生きてくると思うんやけど。

Y木:下心で暴走する場面とかは?おもろないの?

S原:ぼくはダメやったな。あるとき女子高校生を助ける。女子高生から「ありがとうございました」とお礼を言われるねんけど、そのあとに「やらせて♡」とか言うねん。こんなん笑えるか?相手は女子高生やで。

Y木:笑えんな、それは…

S原:まあ、最後は大きな事件(のようなもの)に、一念発起して対決するんやけどな。ちょっと面白いのがそこくらい。それも最後の20分くらいやし…

Y木:どうも、おまえは吉本興業の映画とは合わんみたいやな。

S原:2本しか観てないけどな(苦笑)機会あれば、もっと観るわ。他はどうなんかなあ。ええ映画もあるんかなあ。

Y木:それこそワゴンセールでみつけたら?(笑)

S原:そうやなあ。さあ、みなさん。これも主演の2人のファンだけは楽しめるでしょう。でも、あんまり面白くないです。この映画を観るなら、ほかの映画をゲットしてくださーい!