あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

70年代のややカルト映画特集!「くたばれカポネ」(1973)の巻

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S原:70年代のややカルト映画シリーズ、最後はこちら!

Y木:ジュリアーノ・ジェンマか。これまた懐かしい。

 

(あらすじ)

1920年代のニューヨーク、文無しのチンピラと、八百長を断ったために追われている覆面レスラーがコンビを組む。彼らはギャングのボスに用心棒として雇われるが、根が優しいためどうしても非情になれない。ある日、貧しい一家からの借金とりたてを命じられた二人はどうしてもそれが出来ず、代わりに別の組の用心棒を脅して金を巻き上げてしまうが、その事から激しい抗争が始まってしまう…

 

S原:これはイマイチやった。今回のシリーズの中で、ぼくは一番ガッカリやったな。

Y木:へえ。イタリア映画?

S原:たぶん英語を話してたし、舞台はアメリカ(NY)なんやけどな。よくわからん。DVDの裏面には「イタリア映画」と書いてるけどな。

Y木:ギャングモノやろ?マカロニ風というか。

S原:いやこれはコメディやねん。脱力系というのか、もう今となっては誰もしないようなギャグばっかり。例えば、主人公たちが逃げる → あわててドアを閉める → 追手がドアにぶつかって仰向けに倒れる…とか、 空手道場に行く → 師範に「目を閉じろ」と言われる → 目を閉じると股間をけられる…とか(苦笑)しかも、結構しつこい。

Y木:うわー、ドリフみたい。

S原:そうそう。あのノリやな。小学生が喜ぶようなドタバタやねん。驚いたのは、イタリアでは大ヒットしたらしい。ちょっと信じがたいけどな。

Y木:へえ、じゃあ観る人によっては面白いんちゃう?

S原:かもなあ……で、ぼくにとってはコメディの部分もイマイチやったけど、もっとダメなのが主人公2人に魅力がないこと。要するにキャラクターがよくわからんのよ。

Y木:そうなんや。ストーリーもお笑い系?

S原:うーん。話はギャング映画っぽいねんけどな。舞台は1920年、ニューヨーク。暗黒街のマフィアの大親分アンジェロは、覆面プロレスラーの大男チャーリーに八百長試合を命じます。だが、チャーリーは相手を倒してしまう。大親分が怒ってチャーリーに襲い掛かろうとしします。そこを助けたのはソニーという男。これが、ジュリアーノ・ジェンマです。ソニーは丁々発止のやりとりの末、大男チャーリーとともにマフィアの仕事を手伝うことになる。

Y木:それで?

S原:リトルイタリーでの集金の仕事を始めるんやけど、みんなイタリー人は貧乏やねん。同胞ということもあり同情して、2人は彼等に食料品を与えたりする。それでもお金を集めないと大親分に怒られてしまうので、2人は敵対するギャングの縄張りを荒してしまう。大親分は、もめ事になるとまた怒るが、ソニーはとっさに「あなたのことを殺すと脅したから、許せなかった」「あなたを守りたかった」とウソをついてごまかす。大親分はそれを鵜呑みにして関係のある上院議員や敵の子分達を殺すように命じて…という感じやな。

Y木:ちょっとしたことで、話が脱線して主人公たちが右往左往するわけやな。面白そうやん。

S原:でも、どうも「切れ味」がないのよなあ。結局、主人公2人たちがギャングたちの裏をかいて大金をせしめるとか、敵対するギャング同士を戦わせて壊滅させるとか、そういうスリリングな展開になると期待したんやけど、ただ単にウロウロするだけやった。

Y木:とぼけた味わいを楽しむ映画なんやろ。ジュリアーノ・ジェンマはどうやった?

S原:ええ感じやったよ。この人って独特の雰囲気があるやろ。ちょっと陰影があるような。マカロニ西部劇ではピッタリはまるねんけど、こういうコメディでは浮いています。ケンカに強いんか弱いんかよくわからん設定やし。もっと「腕力もダメ。銃もダメ。でも知恵を絞って難局を乗り切る」とか「バカっぽくふるまってるけど、じつは凄腕」とか明確なキャラにして欲しかった。なんか、よくわからんままに映画は終わってしまった。

Y木:最後はどうなるの?

S原:あんまり覚えてない…(苦笑)たしか警察に捕まるけど、マフィアたちも捕まって、主人公たちは犯罪に関与していないということで釈放される。最後は、またプロレスラーになった大男チャーリーのセコンドに、ジュリアーノ・ジェンマがいる場面でおしまい、やったかな。

Y木:たしかに話を聞いてても、パッとしないな。

S原:そうやなあ。なんとなく映画自体がぼんやりとした出来やった。ところどころ、クセのある場面もあって、そこは楽しいんやけど、あっという間に観終わるって感じではなかった。

Y木:70年代の映画やろ。(映画の)リズムもちゃうしな。

S原:さあ、みなさま。田舎の親戚を訪ねていったら、都会とはまったく時間の流れが違うように感じるときがあるでしょう?ああいう気持ちで、お酒での飲みながらゆったりと観たら楽しいかもしれませんよ。ジェンマのファンにはおススメです。「よく出来た映画」を求めてる人にはおススメしません。というわけで、70年代のややカルト映画はいかがだったでしょうか?時代を感じる映画ばかりで個人的には楽しかったです。「これってカルト映画ちゃうやん!」と突っ込む人もいるかもしれませんが、ご容赦を~!