
S原:今回はワンちゃん!
Y木:犬のロボットか。
(あらすじ)
A-X-Lは、アメリカ軍によって秘密裏に開発された軍用犬ロボット。最先端のAIによる高い性能とパワーのみならず、犬の忠誠心を備えた意思疎通が可能な究極の殺戮マシーンでもあった。ある日、A-X-Lは実験中に故障し、街の郊外に放置されてしまうが、バイク好きのマイルズという青年に発見される。そして、マイルズによって再起動されたA-X-Lは、彼をパートナーだと認識する。一方、A-X-Lを血眼になって探していた軍関係者は、再起動された事で居場所を突き止め、軍事マシーンの奪還に動き出していた。しかし、A-X-Lと出会い、友情、そして信頼関係を深めたマイルズは、親友のサラと共にA-X-Lを守ろうと軍からの逃走を図る―。

S原:改めて言うけど、男子はたいていロボが好きやん?
Y木:そうかな。
S原:女子はたいてい犬が好きやん?
Y木:はあ、そうなんかな。
S原:ロボットと犬が合体! 夢のコラボですよ、コラボ!
Y木:コラボちゃうやろ、べつに。
S原:映画はですねえ、キャシャーンのフレンダーみたいな感じのワンちゃんです。

S原:キャシャーンか。これって、子供向きの映画ちゃうの?
Y木:子供向きとまでは言えないけど、子供が観ても楽しめると思う。基本的にはロボワンちゃんと人間の友情物語やねん。軍の奴らが追いかけくるから、なんとか逃げようとするのがメインストーリーね。
S原:犬と友情が芽生えるドラマと、追ってからいかに逃げるかのサスペンスやろ。それって「E.T.」っぽくない?
Y木:「ショート・サーキット」とかな。基本は一緒です。王道です。


Y木:映画としてはどうなん?
S原:面白かった。よく出来てる方やと思う。たしかにベタで、展開はすぐに読めるけど、ポップコーンムービーとしては上質やと思う。
Y木:それならOKやな。
S原:ちょっと面白いのは、このワンちゃんは完全無敵ではなくて、ちょっと弱いねん。
Y木:え、主人公を助けるんちゃうの?
S原:そういう場面もあります。でも軍用のロボワンちゃんとしてはまだ完成していないらしくて(?)、そのへんがサスペンスにつながって面白いねん。
Y木:へえ。

Y木:そういえば、機械の犬って商品化されてなかった?
S原:AIBOやろ。ちょっと調べたら最新機種がでてて驚いたわ。しかしAIBOって、ほんまに飼ってる(一緒に住んでる)人って、おるんやろうか?
Y木:どうなんやろうな。おるんちゃう?
S原:いまなら、本物のワンちゃんくらい反応するんかもしれんけど……なんとも言えんよな。
Y木:そうやな。

S原:昔、テレビで魚が写って会話するっていうのもあったやろ?
Y木:あれはゲームちゃうかな。「シーマン」やろ。当時おれは結構ゲームをしていたから覚えてる。たしか人工知能で話す魚って話題になったはずやで。
S原:いまでも毎日シーマンと会話しながら生活している人っておるんやろうか?
Y木:知らんけど。
S原:小さな証券会社に勤めていて滋賀県のマンションで一人暮らしているアラサーのOLやろか?
Y木:なんで限定しているねん。

S原:でも、いまは「人面魚と話しててキモイ」とか「機械の犬と暮らしてアホちやうか」とか言ってるけど、これから絶対に時代は変わるよな。
Y木:変わるやろうな。
S原:だって、歩けない高齢者に介護パワースーツを着用する時代やで? バブルではしゃいでた電通の営業マンが予測できたか?
Y木:どういう例えやねん。
S原:しかし、高齢者にパワードスーツをセットオンかあ。かなり歩行の手助けになるやろうな。
Y木:そうやろうな。
S原:クモの宇宙人が攻めてきても、戦えるよな。
Y木:そりゃ「宇宙の戦士」(スターシップ・トゥルーパーズ)やろ! 言うと思ったわ!

Y木:しょーもない雑談はええから、この映画の話をしてくれよ。ベタなのはわかったけど、お!と思う場面とかないの?
S原:あります。まず、ロボットワンちゃんのデザインが良いです。メカゴジラっぽくて素敵です。
Y木:(画像をみて)この犬、なんかデカくない?
S原:デカいです。散歩に連れて行くと、目立ちまくりです。あとは、わざとアナクロというのか、最新式じゃないのよ。
Y木:レトロ?
S原:じゃなくて、少し前の機器をたぶんわざと使ってます。このへんは監督のセンスちゃうかな。
Y木:へえ。

S原:ほかは主人公はモトクロスの選手で、結構バイクアクションがすごい。スタントも撮影も大変やったんちゃうかな。
Y木:ほう。

S原:というわけで、これはなかなか面白かったです。ただ、ちょっと気になる点があるのよ。
Y木:気になる点?
S原:このロボットワンちゃんやけどな。
Y木:うん。
S原:眼が笑ってないねん。
Y木:……え?