あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「デリート DELETE」(2003)の巻

DELETE [DVD]

S原:これは、ひどかった……(遠い目)

Y木:「脱出しなければ消去される」か。閉じ込められる系の映画やな。

(あらすじ)

カリフォルニア郊外。土曜の午後、3人の女性がパーティのために一軒家に集まる。やがて、窓辺に黒い影がみえて、なにやら怪しげな人物の気配が。さらに天井では不気味な足音が聞こえてきて…

 

S原:ほんまに、こんなに面白くない映画も珍しい。ストーリー、テンポ、キャスト、劇伴、カメラ、画質、音響、編集、もうすべての点で最低ランクです。

Y木:出来の悪い映画ってことやろ?そういうのは、このブログでもたくさん紹介してるやん。

S原:そうなんやけど、そうは言ってもどこか「ポイント」があるやん。

Y木:ポイント?

S原:「つっこむポイント」「笑えるポイント」やな。一応、このブログでは、①ワゴンコーナーにありそうで、②みんなが観ないような映画の、③つっこむポイント(笑えるポイント)を紹介するのが、目的やろ。

Y木:そういうブログやったんか。初めて知った。おまえが、観た映画をダラダラと話すブログやと思ってたわ(苦笑)それはええとして、この映画のストーリーは「殺人鬼に襲われる系」「家に閉じ込められる系」のサスペンスホラーやろ。

S原:そうです。ある女性がホームパーティーをしようとたくさん呼びかけたけど、2人(女性)しか来ない。3人は、そんなに仲が良いわけじゃないから、微妙な雰囲気になる。盛り上がらず気まずい会話が続きます。最初の場面から観客の心をつかみません…

Y木:いきなりあかんやん。

S原:そうこうしているうちに、屋根で誰かが歩いている音らしきものが聞こえる。テレビは、この周辺に連続殺人鬼がいるので注意してください、とニュースをしています。「わたしたち、狙われてるんだわ!」「どうしよう!」「殺されちゃうわ!」となるわけ。

Y木:なんか不自然やけど、まあええわ。それで?

S原:それだけ。

Y木:は?

S原:ほんまにそれだけなんやって!

Y木:いや殺人鬼が近くにおるかもしれへんねやろ。警察に言えよ。電話したらええやん。

S原:この家には電話はありません。しかも、誰も携帯電話をもっていません。ちなみに、「電話がない」「携帯をもっていない」という理由の説明はありません。

Y木:電話がない……どうするの?

S原:どうもしない。ひたすら家の中でビクビクしてるだけ。

Y木:窓をあけて隣の家に助けを求めるとかしたら?

S原:そういうことはしません。

Y木:あー、田舎っていうことか。隣の家まですごく距離があるような一軒家なんやな。叫び声も聞こえない、みたいな。

S原:いや普通の住宅街やった。窓を開けたらすぐに隣の家があります。

Y木:なんやねん。

S原:ちなみに、「隣に助けを求めることが出来ない」という設定の説明はありません。

Y木:……確かにひどいな。というか、大げさに言ってないか?

S原:言ってません。ほんまに、こういう映画なんやって!(怒)

Y木:なんで逆ギレやねん。せめて3人の個性はあるんとちゃうの?

S原:めがね、短髪、ぽっちゃりさんの3人。とくにキレイでもありませぬ。

Y木:でも主人公は3人なんやろ。3人の性格の違いによってドラマが動くとか、殺人鬼と対決するとか、そういうのはあるやろ?

S原:ありませぬ。

Y木:はあー…(ため息)

S原:そもそも、3人とも性格が良くなくて、観ていて感情移入も出来ないねん。とにかく工夫が全くない。「他人が家の中でグズグズしている時間」が、こんなに退屈なものやと初めて知ったわ(苦笑)

Y木:殺人鬼は、どんな奴?

S原:ボーガンで殺人をするんやけどな。最後の方ででてきた…ような気がする。覚えてないけど、マーク・ハミルを薄味にした感じやったかな……昨日観たばかりやのに、もう忘れたなあ(苦笑)あ、今思い出したけど、ぽっちゃりさんが、意を決して外にでるねん。走って隣の家に行くんやけど、「助けて~、殺人鬼がいるのよ~」って訴えても、隣の人は無表情で困った顔をするだけ。

Y木:なんか逆にシュールで、面白いかも、と思ってきたわ(笑)

S原:つげ義春みたいやろ。でも珍作として楽しめないのよなー。そういう意味では「悪夢の銀河鉄道」(1984)とか「ふぞろいな秘密」(2007)とか、やっぱり名作と呼ばれるだけあるよなー。

Y木:呼ばれてないわ。

S原:あーあ、出来は悪くてもええから、せめて印象に残るように作ってほしい。このブログのために。

Y木:このブログに取り上げられても、うれしくないやろうなあ…

S原:さーそういうわけでみなさん。いままで紹介したなかでも、トップクラスの失敗作ですが、世の中は広いのでこれ以下の映画もあるんでしょうね。この映画でも、一応セリフと口の動きは合っていましたし、ピントもずれていませんでしたからね。お時間ある人は、ぜひネットでこの映画のレビューをチェックしてください。すべてダメ出しの状況も納得の出来ですよ(本当に褒めてる人はいない)。「ひどいことがネタにならない映画」を観たい人のみ、ゲットしてくださーい。でもほんとうにおススメしませーん。