S原:これは、ひどかった……(遠い目)
Y木:「脱出しなければ消去される」か。閉じ込められる系の映画やな。
(あらすじ)
カリフォルニア郊外。土曜の午後、3人の女性がパーティのために一軒家に集まる。やがて、窓辺に黒い影がみえて、なにやら怪しげな人物の気配が。さらに天井では不気味な足音が聞こえてきて…
S原:ほんまに、こんなに面白くない映画も珍しい。ストーリー、テンポ、キャスト、劇伴、カメラ、画質、音響、編集、もうすべての点で最低ランクです。
Y木:出来の悪い映画ってことやろ?そういうのは、このブログでもたくさん紹介してるやん。
S原:そうなんやけど、そうは言ってもどこか「ポイント」があるやん。
Y木:ポイント?
S原:「つっこむポイント」「笑えるポイント」やな。一応、このブログでは、①ワゴンコーナーにありそうで、②みんなが観ないような映画の、③つっこむポイント(笑えるポイント)を紹介するのが、目的やろ。
Y木:そういうブログやったんか。初めて知った。おまえが、観た映画をダラダラと話すブログやと思ってたわ(苦笑)それはええとして、この映画のストーリーは「殺人鬼に襲われる系」「家に閉じ込められる系」のサスペンスホラーやろ。
S原:そうです。ある女性がホームパーティーをしようとたくさん呼びかけたけど、2人(女性)しか来ない。3人は、そんなに仲が良いわけじゃないから、微妙な雰囲気になる。盛り上がらず気まずい会話が続きます。最初の場面から観客の心をつかみません…
Y木:いきなりあかんやん。
S原:そうこうしているうちに、屋根で誰かが歩いている音らしきものが聞こえる。テレビは、この周辺に連続殺人鬼がいるので注意してください、とニュースをしています。「わたしたち、狙われてるんだわ!」「どうしよう!」「殺されちゃうわ!」となるわけ。
Y木:なんか不自然やけど、まあええわ。それで?
S原:それだけ。
Y木:は?
S原:ほんまにそれだけなんやって!
Y木:いや殺人鬼が近くにおるかもしれへんねやろ。警察に言えよ。電話したらええやん。
S原:この家には電話はありません。しかも、誰も携帯電話をもっていません。ちなみに、「電話がない」「携帯をもっていない」という理由の説明はありません。
Y木:電話がない……どうするの?
S原:どうもしない。ひたすら家の中でビクビクしてるだけ。
Y木:窓をあけて隣の家に助けを求めるとかしたら?
S原:そういうことはしません。
Y木:あー、田舎っていうことか。隣の家まですごく距離があるような一軒家なんやな。叫び声も聞こえない、みたいな。
S原:いや普通の住宅街やった。窓を開けたらすぐに隣の家があります。
Y木:なんやねん。
S原:ちなみに、「隣に助けを求めることが出来ない」という設定の説明はありません。
Y木:……確かにひどいな。というか、大げさに言ってないか?
S原:言ってません。ほんまに、こういう映画なんやって!(怒)
Y木:なんで逆ギレやねん。せめて3人の個性はあるんとちゃうの?
S原:めがね、短髪、ぽっちゃりさんの3人。とくにキレイでもありませぬ。
Y木:でも主人公は3人なんやろ。3人の性格の違いによってドラマが動くとか、殺人鬼と対決するとか、そういうのはあるやろ?
S原:ありませぬ。
Y木:はあー…(ため息)
S原:そもそも、3人とも性格が良くなくて、観ていて感情移入も出来ないねん。とにかく工夫が全くない。「他人が家の中でグズグズしている時間」が、こんなに退屈なものやと初めて知ったわ(苦笑)
Y木:殺人鬼は、どんな奴?
S原:ボーガンで殺人をするんやけどな。最後の方ででてきた…ような気がする。覚えてないけど、マーク・ハミルを薄味にした感じやったかな……昨日観たばかりやのに、もう忘れたなあ(苦笑)あ、今思い出したけど、ぽっちゃりさんが、意を決して外にでるねん。走って隣の家に行くんやけど、「助けて~、殺人鬼がいるのよ~」って訴えても、隣の人は無表情で困った顔をするだけ。
Y木:なんか逆にシュールで、面白いかも、と思ってきたわ(笑)
S原:つげ義春みたいやろ。でも珍作として楽しめないのよなー。そういう意味では「悪夢の銀河鉄道」(1984)とか「ふぞろいな秘密」(2007)とか、やっぱり名作と呼ばれるだけあるよなー。
Y木:呼ばれてないわ。
S原:あーあ、出来は悪くてもええから、せめて印象に残るように作ってほしい。このブログのために。
Y木:このブログに取り上げられても、うれしくないやろうなあ…
S原:さーそういうわけでみなさん。いままで紹介したなかでも、トップクラスの失敗作ですが、世の中は広いのでこれ以下の映画もあるんでしょうね。この映画でも、一応セリフと口の動きは合っていましたし、ピントもずれていませんでしたからね。お時間ある人は、ぜひネットでこの映画のレビューをチェックしてください。すべてダメ出しの状況も納得の出来ですよ(本当に褒めてる人はいない)。「ひどいことがネタにならない映画」を観たい人のみ、ゲットしてくださーい。でもほんとうにおススメしませーん。