あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ヘイヴンハースト」(2016)の巻

ヘイヴンハースト [DVD]

S原:今回はこれ!

Y木:ジェイソンもどき映画?

(あらすじ)

ニューヨークのマンハッタンにあるゴシック調の由緒正しきアパートメント。人生に行き詰った若い女性ジャッキーは、住人としてそこに入居する。老いた女性オーナーのエレノアの不気味さに戸惑いながらも、何とか新しい住環境に慣れようとするジャッキーだったが、住人が次々と消息を絶ち、その謎を追い始める。すると、そのアパートは悪魔の棲家だったのだ…。

 

 S原:ジェイソン系の映画というよりも、お化け屋敷系映画かな。

Y木:どうなん、これ?

S原:イマイチやったけどな。ところどころ変やねん。そこがちょっと面白い。

Y木:変って、どこが?

S原:主人公は、若い女性。じつはアル中で厚生施設に入所してたのよ。なんとか断酒が出来て退院して、このアパートにやってくる。この建物がやたらとでかいねんけど、この外観はゴシック調のいい雰囲気やった。それでアパートの管理人が訳ありな感じの老婆でな。 このアパートは、いろんな厚生施設からの退所者を受け入れているんやけど「もしも同じ過ちを犯したらアパートを出て行ってもらうわよ」と厳しく言われる。

Y木:導入部は、まあまあええ感じやん。

S原:そうこうしているうちに、娼婦が管理人に黙って、また商売を始めたのがばれてしまう。同じ過ちを犯してしまうねん。

Y木:あー、アパートを退去させられるんやな。

S原:いや、すぐに殺されてた。

Y木:直球勝負やな(笑)そんなすぐに殺すんかいな。

S原:どうもルールを破ったらあかん ⇒ 破ったらすぐに殺されるってことらしい。それで、この娼婦は部屋に空いた穴に落ちて殺される。

Y木:なに?穴って?

S原:なんか穴やった。そこに落ちて死んでしまう。

Y木:なんか適当やなあ。

S原:主人公は、少女と出会う。じつは主人公は幼い娘を亡くしていて、この少女の家庭環境が良くないと知って、なんとか守りたいと思うのよ。

Y木:それで、主人公とその少女に次々と何かが襲い掛かると?

S原:そうそう。まあ面倒やからかなり省略すると、ここの住人たちが次々と約束をやぶって殺されていく場面がちょっとおもろいねん。

Y木:おもろいって?

S原:例えば、男がベッドで寝ています。すると、グググーッとベッドが起き上がるねん。急角度になって、男は「危ない!落ちる!危ないっって!」と叫んでベッドにしがみつく(笑)

Y木:それ、80年代のお笑いやがな。

S原:それで、ベッドが垂直くらいに立ち上がって、男は滑り落ちて死ぬ。これが大真面目な恐怖シーンとして演出されてます。

Y木:うわー…

S原:さすがに主人公は「この家はおかしい」と気づく。友人が警察官(刑事?)なので、相談して捜査に来てもらう。ところが、まったく殺人の跡や怪しいところがないねん。

Y木:なんでわからへんの?上手に隠してるのん?

S原:隠してるというか、家自体がからくり屋敷みたいになってるんねん。家の中、たとえば壁とかドアが、シャキーン・シャキーンって動いて殺人の痕跡がみえなくなる(笑)

Y木:…それって反則やん。

S原:すごく下手なミステリーのトリックみたいやろ?まあそういう構造の家みたい。だからいくら警察がきても、犯行の跡がみつからな、と。

Y木:なんかB級ホラーならではの安易な展開やなあ…

S原:それで主人公はわざとお酒をのむ。自分のルールを破ったら、きっと殺そうとするだろう、それでこの家の謎を暴いてやるっていうわけなな。

Y木:いや、そんな危ないことをする前に、少女と一緒に逃げたら?(苦笑)

S原:お酒を飲んだから、「ルールを破ったなー」って感じで、変な殺人鬼に追われる。

Y木:あー、パッケージのやつね。

S原:右手に武器がついてたかな。ホームセンターで売ってるような武器やった(笑)でも、ちょっとかっこええねん。

Y木:どないやねん。

S原:それで、ラストがどんでん返しっぽいんやけどな。

Y木:ほう。

S原:最後に主人公は死んでしまう。主人公が必死で助けようとしていた女の子が生き残る。そして、生き残った女の子に屋敷の怪しい奴らが、「どうだい?わたしたちの家族になるか?」と聞く。

Y木:あーなるほどね、悪い奴らが誘惑してくるねんな。

S原:少女は「はい、なりたいです」と答える。

Y木:えーーーー!なにそれ!

S原:それで、悪い奴らの家族になっておしまい。主人公の努力は無駄に終わりましたとさ。

Y木:あかんやろ、それは……ほんまにそれで終わり?

S原:ほんまです。

Y木:カタルシスのかけらもないやん。

S原:うん。骨折り損のくたびれ儲け。だいたい、「シャイニング」のラストで息子が急に「ぼくも手伝うよ、お父さん」と言って、ジャック・ニコルソンと一緒に母親を襲ったら変やろ?

Y木:まあな。

S原:インディ・ジョーンズが最後に宝物にみつけたけど、「はじめから、じつは宝物とか興味がないねん」と宝物を捨てたら、変やろ?

Y木:そりゃそうや。

S原:そういうことやねん。

Y木:なんかおまえの例えは納得できないけど、まあ下らん映画やということはわかった。

S原:まあ変な映画やったわ。

Y木:こんな映画ばっかり語っているおまえのほうが、変やけどな(苦笑)

S原:さあみなさん、お化け屋敷映画としてはイマイチですが、変な場面が多くてちょっとだけ楽しいです。でも、ここでネタバレしてしまったので、もう十分でしょう。ワゴンで見つけてもスルーでいいと思いまーす!