Y木:こ、これは……(絶句)
S原:さあ、だれも興味のないDVDを紹介しますよ!
(解説)
月500万円も稼いだカリスマキャバ嬢・愛川ももが、異性の気を惹く究極のマル秘テクニックを紹介!
Y木:おまえ、ほんまにこんなDVDを買ったん?
S原:うん。
Y木:ちゃんと自腹で?
S原:うん。
Y木:すごいな……もう言葉もでてこないわ。
S原:そうかなー。だって、コンビニでコーヒー買ってもお金は要るやん。
Y木:絶対にコーヒーのほうがええわ。
S原:えーでもコーヒーは飲んだら終わりやん。DVDは観終わったら他の人にあげれるやん。学際で訪問したときに大学の後輩(現役生)たちとかにいつも渡すんやけどな。
Y木:やめろ。そうでもなくても、おまえは「会うたびに本とかDVDとか押し付けてくる頭のおかしいOB」と思われてるんやから。
S原:えー、意外と喜ばれてるんやけどな。
Y木:まじで迷惑がられているから、やめろって。それで、このDVDは一体全体なんやねん。というか、おまえはキャバクラとか興味ないやん。行ったことないし、これからも行かへんやろ?
S原:行かへん。でも、どんな人たちが働いててどんな人たちが客として通うのかは興味あるで。
Y木:どうでもええやん。
S原:そんな言ったら、地球の破滅だってどうでもええやんって話になるやろ?
Y木:なるか。
S原:まあ、このDVDは、HOW TOものなんやけどな。結論から言うと、全然大したことなかった。中身は初級編、中級編、上級編と分かれています。初級は、100万を稼ぐキャバクラになるための方法やな。
Y木:興味ないけど、どうせ話すやろうから一応聞くわ。どんな方法?
S原:HOW TOらしく、簡潔に紹介します。
「負けない面接 」⇒キャバクラ嬢になるには、まず店に雇用してもらいます。面接はちゃんとしましょう。
「失敗しない接客 」⇒いい加減な対応をせずに、ちゃんと接客しましょう。
「指名が欲しい!」⇒次回に指名してもらえるように、マメに連絡しましょう。
「ヘルプでポイント稼ぎ」⇒ヘルプ(指名でなく席につく)の場合でも、ちゃんと接客しましょう。
「要注意なお客様」⇒いろんな人がいるので気を付けましょう。
Y木:おいおい、全部当たり前のことやがな。
S原:中級編は、300万を稼ぐための方法です。
「危険な待機席」⇒待機しているときも、ちゃんとしましょう。お客さんはみていますよ。
「お姉様との関係」⇒先輩キャバ嬢とも仲良くしましょう。意地悪をされます。
「一番お金を持ってるのは誰」⇒グループできたときは一番お金を持っている(と予想して)ターゲットをロックオン! でも汚い服を着ている人でも金持ちがいるので要注意ですよ。
「また来たくなるお見送り」⇒お見送りは重要なので、精一杯愛想よくしてください。キスしようと言われたら、「今度ね♡」と返答しましょう。
Y木:うわー……
S原:聞きたくないでしょうが、上級編(500万稼ぐ方法)も紹介します。
「好みに合わせて七変化 」⇒ミニスカートが好きなお客さんには途中で着替えましょう。
「究極の接待テクニック」⇒スケベなことをしてくる客には、自分のふとももに相手の手を置いて決して手を離さず、他の部位(胸、お尻)を触らせないようにしましょう
「 携帯を使いこなせ 」⇒お客さんが帰ったその日にすぐにメール(写真付き)を送りましょう。
「連携でポイントゲット」⇒たまには、ほかのキャバ嬢からお客さんへ連絡しましょう。新鮮味がありますよ。
Y木:……全然中身がないやん。
S原:さすが、やっぱり月500万円を稼ぐキャバ嬢は一味違う。
Y木:違わへんわ。これって、視聴者をバカにしてるんか?
S原:ほんまにどういう内容なんやって。しかも、本編(30分くらい?)が終わった後に、驚異の映像が収録されているのですよ、あなた。
Y木:驚異の映像?
S原:なんと愛川ももちゃんのプライベート映像がたっぷり収録されていま~す!
Y木:……(無言)
S原:自室、夜ごはん、美容室、飼い犬、バッグ(もちろんブランド)の中身まで完全収録ですよ、モナミ!
Y木:ど・う・で・も・え・え・わ!
S原:いやーパジャマ姿がかわいいねん。ちょっとウトウトしたりしてな。
Y木:きもいからやめろ。というか、そんなパジャマとか写す時間で、ほかのテクニックを収録しろよ。
S原:はー(ため息)あなたは、わかってないわ。
Y木:なにが?
S原:このDVDは、愛川ももちゃんが働いているキャバクラのお客さんが買うんやん。
Y木:あーそういうことか。だからプライベート映像が収録というわけか。ほろ酔い気分の客に売るわけやな。
S原:そうそう。女子プロレスラーとの飲み会イベントでも、ファンが酔ったころを見計らって、グッズをテーブルに並べるやん?あれと同じやで。
Y木:キャバ嬢と女子プロレスラー……同じなんか?よくわからん……
S原:さあ、みなさん。誰が・誰のために作ったのか理解できないDVDですが、観たからといって高熱が出るわけではありません。友達たちとのんびりと観て下さい。それよりも、ふと思ったんやけどな。
Y木:なにが?
S原:ぼくが、このキャバクラに行って、Z級映画の話をしても、キャバ嬢たちはムリヤリ話をあわせてくるんやろうか?
Y木:さあな。そりゃ仕事やから、「すごーい」とか「楽しそう」とか「そのDVD欲しいかも」くらいは言ってくれるんちゃう?
S原:そうか。言ってくれるんか…じゃあ今度、一緒にキャバクラに行ってみようって。要らなくなったDVDをたくさん持っていったら、盛り上がるんとちゃう?
Y木:頼むから一人で行ってくれ……