あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「女の子よ 死体と踊れ」(2015)の巻

女の子よ死体と踊れ [DVD]

 

S原:今回は、アイドル主演の映画を観てみましたよ。

Y木:「女の子よ 死体と踊れ」か。結構、刺激的なタイトルやな。

あらすじ)

清掃会社YMMクリーナーでバイトをする、何処にでもいる5人の女の子たち。鬼のようなブラック女社長に恫喝されながら、嫌々だけど他にやりたいこともないから何となくつまらない毎日を過ごす日々・・・。そんなある日、森の中の清掃現場で彼女たちが発見したのは透き通るように美しい少女の"死体"。ノルウェーブラックメタルバンドの儀式を使って"死体"を蘇らせることに成功した5人だったが、その死体"あの"には知ってはならないヤバすぎる秘密が隠されていた・・・!

 

Y木:これは、ジャケットに写っているアイドルグループ主演やな。

S原:そうそう。ゆるめるモ!という6人組のグループらしい。

Y木:知らん…

S原:ぼくらみたいなオッサンが知ってたら、逆に怖いわ(苦笑)まず、前提でお話をしておきたいのは、ゆるめるモ!というグループについて全く情報を知りませんので、単純に「映画」として話をします。なので、ファンにとってはピント外れかもしれませんが、あしからず。

Y木:ま、ゆるめるモ!のファンは、こんなブログを絶対に読まんやろけどな(笑)映画本編はどうやった?

S原:惜しい出来やった!

Y木:どんな映画?

S原:DVDの裏面には、『話題のニューウェーブアイドルグループ"ゆるめるモ! "映画初主演作品!アイドル・ホラー秘宝第1弾! ファンタジック・ガーリーホラー映画誕生! !』と書いてます。

Y木:ファンタジック・ガーリーホラーか。

S原:残念ながら全体としてはイマイチ。ファンタジック・ガーリーホラーとしても中途半端。やけど、ところどころユニークで面白い。

Y木:ユニークなところって?

S原:まず彼女たちの雰囲気が、なんとも微妙やねん。ザ・芸能人でもなく、素人でもなく、ハッキリ言うとあんまりかわいい子はいません。

Y木:ファンに怒られるぞ。

S原:いや、モデルみたいな子って今はたくさんおるやん。たぶん、そういう美形でない子を集めたんとちゃうかな。その分、存在感というかオーラみたいなものがあって、そこは面白いと思った。ゆるめるモ!は、6人組で、それぞれの名前は、もね 、 けちょん 、 しふぉん 、ようなぴ 、あの 、ちーぼう、という6人。

Y木:なんや、すごい名前ばっかりやな。ギリシャ語みたい(笑)

S原:あと死体役の子(あの、という子)がおるねんけどな。その子は、ゾンビみたいで自分の意志では死ねないねん。例えば、燃やされても死なないし、体が真っ二つになって、下半身がなくなってももすぐに生えてくる(笑)こういう場面は、面白かった。

Y木:あーなるほど。それは面白いかも。

S原:あとはラストシーンが良い。ビルの屋上みたいなことろで、真っ白な服を着て歌って踊る。タイトルも「人間は少し不真面目」という面白い曲やし、演出と言うか撮り方がキレイで単純に良かった。ダンスも微妙にヘタウマでな(笑)ここは、監督(朝倉加葉子)が、かなりこだわった場面とちゃうかな。

Y木:じゃあ、反対にイマイチなところは?

S原:一番残念やったのは、それぞれのキャラがわからないこと。せっかくのアイドルグループやから、各人をもっと魅力的に撮らないとな。

Y木:さっき、ユニークな雰囲気って言ってたやん。

S原:全体的にはユニークな存在なんやけどな。ファンならすぐに見分けつくかもしれんけど、若い女子6人いっぺんにでてきても、なかなか顔が覚えられないやろ(苦笑)それぞれがどんなキャラクターなのか、最後まで見分けがつかんかった。

Y木:本人達はともかく、役柄で個性はあるやろ?

S原:結局、そこが弱いんやと思う。もっと、わかりやすく映画の中でキャラを作って欲しかった。漫画チックなキャラで充分よかったと思うしな。例えば、この子は、リーダーでみんなを引っ張る役とか、この子は勝手に暴走してしまうとか。ローリングストーンズでも、ミック(ボーカル)とキース(ギター)はステージで動くけど、ビル・ワイマン(ベース)は立ったまま、みたいな。

Y木:ビル・ワイマンはやる気がないだけやっちゅーねん。要するに「それぞれの見分けがつかんかった」と?

S原:そういうことやな。だから、ストーリーがすすんでも淡々と感じてしまう。そこが一番惜しい。ゾンビみたいに死ねないキャラとメンバーの個性をもっとからませて欲しかった。ハッキリ言って、こういう映画にストーリー性とか作家性とか演技なんかだれも求めてないやん?

Y木:いや、ちょっとは演技は求めてるやろ。

S原:アイドルなんやから、下手なんは分かってるはず。実際、下手やし(笑)でも、演技が下手でもすごく印象に残る人っておるやん。やっぱりキャラクターやと思うねんけどな。例えるなら『上手くカットできなかった原石』とでもいえばえええのか…

Y木:そうなんかなー、なんか違うと思う。要するにアイドル映画って、ファン向けやろ。ファンが楽しんだら、十分なわけやん。

S原:そうやけど、せっかく作るんやから部外者にも魅力を伝えてファンになってもらわないと。ぼくみたいに部外者でも、こういう映画を観る人間もいるわけやし。

Y木:たぶん、ゆるめるモ!のメンバーは、おまえにこの映画を紹介してもらってもあんまり嬉しくないんとちゃう?

S原:意外とこのブログのファンやったりして?

Y木:ない!絶対にない!キモイからやめてくれ。

S原:さーみなさま。アイドル映画なのか、変則ホラーコメディなのかなんとも形容しがたい作品ですが、ラストの雰囲気はなかなかです。正直に言って、おじさんになってしまったぼくからすると、もう少し年齢層が上の女性のほうが好みですねえ。でも、ゆるめるモ!、ガンバッ♡

Y木:キモイわー……