S原:今回は香港映画です。
Y木:変わったタイトルの映画やな。
(あらすじ)
女子大生のエンジャ(リー・ビンビン)が密かに憧れていた美男子アトン(ヴィック・チョウ)と結ばれる。しかしある日、アトンは事故で急死してしまう。その3年後、法律事務所で働くエンジャの夢の中に、アトンが毎晩姿を現すようになる。はじめは戸惑うエンジャだったが、毎夜の逢瀬を続けるうち、次第に彼を心待ちにするようになっていく。そして、今まで知らなかったアトンの過去、秘められた想いが次第に明らかになり…
S原:これを中古店で見つけたときは、ほんまに男が蝶になるSF系ファンタジー映画やと思ったのよ。それで買ったんやけど、全然違った(笑)しかも、すごい変な映画やった。
Y木:蝶になるっていうのは?
S原:「死者が蝶になって帰ってくる」というような比喩というか意味らしい。頭が悪いから、そういう言い伝えを知らんかった(笑)
Y木:それはええとして、ラブストーリーやろ?
S原:一応そう。「ゴースト」(1990)みたいな映画やねん。
Y木:あーなるほど。
S原:でも、なんか中途半端でな。純愛ものでもなく、ホラータッチでもなく、ラブコメでもなく、サスペンスでもなく。
Y木:ふーん。
S原:ストーリーはわりとシンプルでええ感じやねん。主人公は、エンジャという女性。学生時代に、アトンという男子が好きだった。ちょっとしたことで、2人は口喧嘩をする。エンジャは、車で帰る。ここからが変やねん。男はバイクで追いかける。粘着質に「キミはボクを本当に愛しているのか?」と聞く。無視するエンジャ。よそ見運転をしているので、対向車を避けきれずに、アトンは事故死する。
Y木:それで?
S原:3年後。エンジャは法律事務所に勤めています。弁護士のアシスタントです。あの事故がトラウマになって、薬を飲んでいます(睡眠薬、精神安定剤)。精神科医に相談して、薬の服用をとめる。すると、死んだはずのアトンが見えるようになる。
Y木:へえ。それでもう一度フォーリンラブってことか。
S原:いえ、幽霊となったアトンは、エンジャにグチグチと責めます。「3年間そばにいたんだぞ」「なぜ気付かなかったんだ」「あの事故さえなければ、今頃おれはハーレーになっていた」「おまえのせいだ」
Y木:ひどいな、おい。
S原:エンジャは怖がります。しかも、死後解剖の痕跡(縫合の後)がついたままで登場するねんで(苦笑)
Y木:リアルやけどそんな演出は要らんやろ。
S原:そのうち、調子に乗ってアトンは昼も夜もエンジャの前に出現します。
Y木:うっとおしいなー。
S原:そうこうしているうちに、エイジャは、今まで知らなかったアトンの過去を知ることになります。父親は厳格で頑固な警官であり、厳しく育てられたこと、それがトラウマだったこと、など。まあ、死んだ男の言い分もわかるけど、そんなん聞かされても仕方ないやろ?死んでるんやし。
Y木:そうやな(笑)
S原:まあ、他にもエピソードがあるけど、変な映画やった。もっとラブストーリーなら、純度を高めないとあかん。なんで幽霊になってグチグチ言われなあかんねん。
Y木:あーあれでしょ。男優、女優をウリにしてるんやろ?「ゴースト」も「デミ・ムーアが超カワイイ」とか話題になったやん。
S原:今では誰も言わないけどな(笑)そうやな、なんかアイドル(F4というらしい)で、人気のある男優(ヴィック・チョウ)らしい。でも、全然カッコよく撮れていないわー。もっと魅力的に撮らないと。これってファンタジー設定やん。男優を少し半裸にしたり、凝った服装にしたり、いくらでも女子が「萌える」要素を入れれるのになあ。完全に失敗していると思う。
Y木:イマイチなんや。
S原:もっとイマイチなんは、女優(リー・ビンビン)やな。ショートカットでさっそうな雰囲気なんやけど、どうも顔色が悪いねん。
Y木:それは、好きな人を失ったからやろ。
S原:いやー単に撮影のときに寝不足やったんやと思う。それか、監督からのセクハラに困っていたんかもしれん。
Y木:勝手に妄想するなって。怒られるぞ。
S原:どっちにせよ、なんか魅力がなかった。これは、申し訳ないけど監督(ジョニー・トー)のせいやと思うけどなあ。もうちょっと、ちゃんと撮ったれよ。
Y木:結論としては今回はイマイチやったと。
S原:そうねえ。これを面白いという人もおるんかなー。俳優のファン以外は、ちょっとキツイんとちゃうかな。
Y木:なるほど。
S原:さーみなさま。これは実は香港映画ですが、あと数年でこのような映画は、中国共産党がすべて輸出禁止にするでしょうね。え?なぜって?だって、この映画を観ても、共産党を礼賛する気持ちになれませんから、ね♡ というわけで、変な映画でした。再見!