あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「僕は君のために蝶になる」(2007)の巻

僕は君のために蝶になる デラックス版 [DVD]

S原:今回は香港映画です。

Y木:変わったタイトルの映画やな。

(あらすじ)

女子大生のエンジャ(リー・ビンビン)が密かに憧れていた美男子アトン(ヴィック・チョウ)と結ばれる。しかしある日、アトンは事故で急死してしまう。その3年後、法律事務所で働くエンジャの夢の中に、アトンが毎晩姿を現すようになる。はじめは戸惑うエンジャだったが、毎夜の逢瀬を続けるうち、次第に彼を心待ちにするようになっていく。そして、今まで知らなかったアトンの過去、秘められた想いが次第に明らかになり…

 

S原:これを中古店で見つけたときは、ほんまに男が蝶になるSF系ファンタジー映画やと思ったのよ。それで買ったんやけど、全然違った(笑)しかも、すごい変な映画やった。

Y木:蝶になるっていうのは?

S原:「死者が蝶になって帰ってくる」というような比喩というか意味らしい。頭が悪いから、そういう言い伝えを知らんかった(笑)

Y木:それはええとして、ラブストーリーやろ?

S原:一応そう。「ゴースト」(1990)みたいな映画やねん。

Y木:あーなるほど。

S原:でも、なんか中途半端でな。純愛ものでもなく、ホラータッチでもなく、ラブコメでもなく、サスペンスでもなく。

Y木:ふーん。

S原:ストーリーはわりとシンプルでええ感じやねん。主人公は、エンジャという女性。学生時代に、アトンという男子が好きだった。ちょっとしたことで、2人は口喧嘩をする。エンジャは、車で帰る。ここからが変やねん。男はバイクで追いかける。粘着質に「キミはボクを本当に愛しているのか?」と聞く。無視するエンジャ。よそ見運転をしているので、対向車を避けきれずに、アトンは事故死する。

Y木:それで?

S原:3年後。エンジャは法律事務所に勤めています。弁護士のアシスタントです。あの事故がトラウマになって、薬を飲んでいます(睡眠薬精神安定剤)。精神科医に相談して、薬の服用をとめる。すると、死んだはずのアトンが見えるようになる。

Y木:へえ。それでもう一度フォーリンラブってことか。

S原:いえ、幽霊となったアトンは、エンジャにグチグチと責めます。「3年間そばにいたんだぞ」「なぜ気付かなかったんだ」「あの事故さえなければ、今頃おれはハーレーになっていた」「おまえのせいだ」

Y木:ひどいな、おい。

S原:エンジャは怖がります。しかも、死後解剖の痕跡(縫合の後)がついたままで登場するねんで(苦笑)

Y木:リアルやけどそんな演出は要らんやろ。

S原:そのうち、調子に乗ってアトンは昼も夜もエンジャの前に出現します。

Y木:うっとおしいなー。

S原:そうこうしているうちに、エイジャは、今まで知らなかったアトンの過去を知ることになります。父親は厳格で頑固な警官であり、厳しく育てられたこと、それがトラウマだったこと、など。まあ、死んだ男の言い分もわかるけど、そんなん聞かされても仕方ないやろ?死んでるんやし。

Y木:そうやな(笑)

S原:まあ、他にもエピソードがあるけど、変な映画やった。もっとラブストーリーなら、純度を高めないとあかん。なんで幽霊になってグチグチ言われなあかんねん。

Y木:あーあれでしょ。男優、女優をウリにしてるんやろ?「ゴースト」も「デミ・ムーアが超カワイイ」とか話題になったやん。

S原:今では誰も言わないけどな(笑)そうやな、なんかアイドル(F4というらしい)で、人気のある男優(ヴィック・チョウ)らしい。でも、全然カッコよく撮れていないわー。もっと魅力的に撮らないと。これってファンタジー設定やん。男優を少し半裸にしたり、凝った服装にしたり、いくらでも女子が「萌える」要素を入れれるのになあ。完全に失敗していると思う。

Y木:イマイチなんや。

S原:もっとイマイチなんは、女優(リー・ビンビン)やな。ショートカットでさっそうな雰囲気なんやけど、どうも顔色が悪いねん。

Y木:それは、好きな人を失ったからやろ。

S原:いやー単に撮影のときに寝不足やったんやと思う。それか、監督からのセクハラに困っていたんかもしれん。

Y木:勝手に妄想するなって。怒られるぞ。

S原:どっちにせよ、なんか魅力がなかった。これは、申し訳ないけど監督(ジョニー・トー)のせいやと思うけどなあ。もうちょっと、ちゃんと撮ったれよ。

Y木:結論としては今回はイマイチやったと。

S原:そうねえ。これを面白いという人もおるんかなー。俳優のファン以外は、ちょっとキツイんとちゃうかな。

Y木:なるほど。

S原:さーみなさま。これは実は香港映画ですが、あと数年でこのような映画は、中国共産党がすべて輸出禁止にするでしょうね。え?なぜって?だって、この映画を観ても、共産党を礼賛する気持ちになれませんから、ね♡ というわけで、変な映画でした。再見!