あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「アイドル・ハンズ」(1999)の巻

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Y木:なにこれ?アイドルグループの青春映画みたいなパッケージやな。

S原:これは、もう真面目な人が観たら怒りだすような映画やったわ。

(あらすじ)

右手に悪魔の取り付いた少年を描いたホラー・コメディ。ハイスクールにも行かずマリファナを吸いながらMTVを観るだけの自堕落な生活を送ってるアントン。自分の住む町で奇怪な連続殺人が起きていることも知らないアントンだったが、ある日右手の異変に気づいた。自分の意思で動かないこの右手が次々と殺人を起こしていたのだ。両親や親友たちもその犠牲となり、遂には長年恋焦がれてきた彼女にまで右手が襲いかかろうとしていた!

 

Y木:ホラーコメディか。悪ノリ映画やな。

S原:うん。とにかく主人公は、学校にも仕事にも行かず毎日マリファナを吸ってテレビを見てるだけのクズみたいな奴やねん。友達に「将来の夢ってあるか?」と聞かれて「そうだなー、毎日こうやってマリファナを吸ってテレビを見続けたいな。その間に、かわいい女の子にご飯を作ってもらえたら、楽でいいよな」と答える(笑)ちなみに友達2人も同じような自堕落なダメ人間。

Y木:若いのに、もう人生終わってるやん…

S原:そんなダラダラした主人公の右手に、突然、悪魔(?)が乗り移る。自分の意に反して、次々人を襲ってしまう。友人たちもあっさりと殺してしまう。

Y木:うわ、友達を殺してしまうんか。

S原:そのあと、友達はゾンビになって、主人公と一緒にテレビをみてダラダラしてたけどな。

Y木:…筋金入りのダメ人間たちやん。ところで、なんで「アイドル・ハンズ」ってタイトル?

S原:原題『idle hands』=『暇な人、怠け者』っていう意味らしい。英語のことわざに、Idle hands are the devil's workshop. (暇な手は悪魔の仕事場)というのがあるらしいから、それを元にした内容なんやろうな。他の人のレビューで、解説してくれてた。

Y木:世の中には、ヒマな…いや親切な人がおるんやな。

S原:バカバカしい場面も多くて楽しいで。例えば、言うことを聞かない右手に困った主人公たちは「右手を忙しく動かせば悪いことをしなくなるかもよ」と考えて、編み物をする、とか(笑)

Y木:あーそういう映画ね(微笑)編み物も効果はあるの?

S原:いや、なかった。右手は次々と周りの人を殺してしまうので、仕方なく主人公は右手を切り落とす。

Y木:うわー…痛そう。

S原:あんまり痛そうじゃなかったで(笑)切断されたあとも、右手は自由に勝手に動く。次々といろんな人を殺す。主人公とゾンビ友人たちは、それを止めようとする…という展開やな。

Y木:「死霊のはらわた」(1983)とか、あのへんの感じやな。

S原:そうそう。自分の右手と戦う一人芝居はそのまま。たぶんオマージュのつもりちゃうかな。ほかにも、ビール瓶で頭をグサッとか、電動のこぎりで首チョンパとかがでてきます。スプラッター系といえばそうなんやけど、そんなに激しくないし楽しめるで。ただ、意外と全体の雰囲気が淡々としてるのが残念やったわ。もっとバカ映画っぽい盛り上がりがあると、隠れた珍作として評価されたと思うんやけど。

Y木:されへんわ。それで、切断した右手はどうなるの?

S原:主人公のガールフレンドとかを襲うから、必死で戦う。最後は、女刑事(?)が、変なナイフ(魔力を封印するという設定らしい)を右手に投げてあっさりと消滅して、おしまい。

Y木:いやー、ほんまに中身のない映画やな。
S原:うん。その通り。「アダムス・ファミリー」(1991)とか、ああいうのが好きな人なら楽しめる思う。

Y木:というか、そのまんまやん…(苦笑)

S原:さーみなさん。この映画ななかなか楽しいですが、わざわざ探して観る映画でもないです。コントのようなテレビドラマのような安物感が漂っていますが、マリファナを吸いながらテレビばかり見てるとダメ人間になるということだけはわかりますよ。みんな、まじめに生きましょう!