Y木:しょぼいパッケージにしょぼいタイトル。これ、どう考えても売る気ないやろ。
S原:今回は、極端にレビューが少ないこの映画ですよ!
(あらすじ)
時間を自由自在に操ることができる“時間移動装置”を巡るSFファンタジー。アメリカ政府が発見した3つの地球外物体。それは歴史を作り変えるほどの力を秘めた“時間移動装置”だった。その存在に脅威を感じた政府は、3つの装置を別々に保管するが…。
S原:これ、上のあらすじがそのまま映画の冒頭に流れるねん。もう少し細かく言うと、時間移動が出来る3つの装置のうち、すでに2つは盗まれるねん。それで、最後の1つを破壊することになる。
Y木:なんで破壊?いきなり意味わからんねんけど。
S原:大丈夫、最後まで観てもわからんから(笑)まあ、全体的なトーンは、80年代とかのSFやな。「スペース・インベーダー」(1986)とか「エクストロ」(1983)とか、あの雰囲気。
Y木:あー、好きな人にはたまらんテイストやな。
S原:うん。主人公は男子高校生。友人もいます。演じている2人は、どうみても20代後半の大人です。老けた高校生です。昔のエロ本て、おばさんがセーラー服をきたりしてたやろ?あれやな。
Y木:あったなー、そんなエロ本。いま思い出したけど、おばさんがセーラー服を着て野球拳してるエロ本をみんなでみたわ…(虚無笑)
S原:さて映画は、なかなかしょぼい場面からスタートします。隣の家にいたずら(遠くからノックをする手作り装置) をする主人公と友人。バレて隣の小太りなおじさんに追いかけられます。昔のマンガみたいに、右手を突き出して「こら~」「待て~」とスクーターで追いかけるおじさん(本当)。車で逃げる老けた高校生。おじさんはカーブを曲がり切れず、激突死。
Y木:いきなりえげつないな。
S原:そのあと、老けた高校生2人がなぜか「死んだらあの世があるのか?」という大霊界問答をはじめます。
Y木:大霊界問答…
S原:主人公と友人が、ひょんなことから最後の時間移動装置を拾います。すぐにバレて、悪い奴ら(政府の人間?)に追いかけられます。しかも、悪い奴らは、主人公の友人に出会ったとたんに問答無用で射殺!
Y木:これも、いきなりやな。
S原:命からがら逃げる主人公。農家の倉庫ににげて、装置(木片におもちゃのダイヤがはめこまれたもの)を触ります。触るたびにピカー!と緑色に光ります。何回も緑色の光で遊んでいるうちに、悪い奴らが追いつきます。主人公は、悪い奴らに緑色のビームを発射。あーら不思議、時間が数分間(5分くらい)戻っています。
Y木:あー時間移動装置やからな。
S原:でも、主人公(の意識)だけはなぜか時間が戻らない。だから、悪い奴だけが5分前からやり直し。そのあいだに主人公は隠れたりできる、というわけやな。悪い奴は「おれは、すでに2つの装置を持っている」「その移動装置を使えば、世界を支配できる」「おれは世界を支配したい」「だから、その装置をくれ」「おれは楽をして生きたい」と説明します。
Y木:本音まるだしやん。なんちゅう頭の悪い悪役や。
S原:また主人公が時間をさかのぼって、今度は主人公は悪いやつらの研究所(軍事基地?)に行きます。
Y木:なんで?
S原:その説明はありません。たぶん主人公は残りの2つの装置を探しているんだと思います。悪い奴らが3つ揃えたら大変なことにナルゾ!そのまえに、おれが3つゲットしなきゃ!ってことやろうな。
Y木:いやいや主人公が3つゲットしても、しゃあないんとちゃうの?
S原:その説明もありません。主人公は研究所でいろんな人にパンチを食らったり、パンチをしたりします。ルチオ・フルチみたいに絵の具の血がドバーってでます。 さあ、いよいよ2つの装置を保管している場所に着きました。3つはパズルになっているようです。主人公が持っている最後の一つを組み合わせれば、いったいどんな現象が起きるのでしょうか?あー、ドキドキしますねえ。
Y木:せえへんわ。
S原:あ。ちなみに、3つの装置は、木製の知育パズルそっくりです多角形の木片をいろいろと組み合わせます。主人公はオツムが弱いので、組み合すことが出来ません。そうこうしているうちに、悪い奴らに追いつかれます。
Y木:そりゃそうやろ。
S原:追いつかれるたびに、ピカーと装置を使って時間を戻る主人公。時間を戻して何回もパズルにチャレンジ。さあ、時間とパズルの勝負だゾ!
Y木:…時間を支配する装置やのに…もうちょっと有意義なことに使ったら?
S原:何回やってもパズルの答えがわかりません。ふと、目の前の壁を見ると、ジャーン!パズルの組み合わせ図形がポスターとして掲示されてました!
Y木:うそつけ。
S原:ほんまやんねん!ほんまに、こんなシーンがあるねんって!
Y木:はー(ため息)
S原:そして3つを組み合わせます。パズルが完成です!その途端、画面がピカーと真っ白に!
Y木:ピカー!が好きやな。
S原:主人公は、真っ白な部屋にいます。そこに、母親がでてきます。大霊界です!
Y木:おいおい、時間が巻き戻るという装置ちゃうんかいな。
S原:ハッと気づくと、かなり時間がもどっています。主人公の友人が死ぬ前です。友人が生きていることがうれしくて、立小便をしている友人の後ろから抱きつく主人公…
Y木:おい、勘違いされるぞ。
S原:そして、また大霊界について2人で話し合います。
Y木:意味わからん。
S原:最後は、主人公が3つの装置を夜空に向かって投げます。空中でピカー!光って、3つの装置は、それぞれ3方向に飛んでいく。ドラゴンボールそっくりですが、100均のパズルが捨てられていると思うだけで、だれも拾わないでしょう。主人公はつぶやきます。「今回のことで、命が大事だと気付いた」「ほんとうに大事なんだ…」おいまい。
Y木:命が大事って…いまさら?
S原:いやー、これも変な映画やった。低予算なのは仕方ないけど、どことなく薄味やしな。というか、やっぱり演出と説明が下手でよくわからんねんなあ。まあ監督が大霊界に興味があるってことだけはわかったわ。
Y木:ほんまに、おもろなさそうな映画やな。いつものことやけど…(苦笑)
S原:さあ、100均ショップで売っている木製の組み合わせパズルが好きな人にはたまらない映画ですよ。みなさん、「時間が巻き戻ったらええのになあ」と思いながら仕事をしているでしょ?ミー・トゥーですよ。ミー・トゥー!だれかが、3つの装置を手に入れて時間が戻ってしまう前に、さあこのDVDをゲットしてください。
Y木:時間が巻き戻ったら、ゲットしたこともなかったことになるんとちゃうの?
S原:…え?