あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定)

便乗映画特集!もはや何に便乗しているかわからないタイトルの「ナイトメア・ビーストと迷宮のダンジョン 」(2012)の巻

ナイトメア・ビーストと迷宮のダンジョン [DVD]

S原:さあ、今回はよくわからないタイトルの映画!

Y木:このタイトル、意味が全然わからん。

(あらすじ)

ナンシーは新居へと越してきた。しかしその家の地下は古代カルト魔術の儀式が行われた場所だった。その残骸を発見したときから、異次元空間への悪夢を見ることに。度重なる怪奇現象の実態を聞いた妹のケリーも駆けつけるが、悪夢の世界へと捕らわれてしまう。妹を助けるため夢の世界に戦いを挑むナンシーだが…。

 

S原:たぶん、タイトルから推察すると、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)とか「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016)とか「ダンジョン&ドラゴン」(2000)とかにちょっとずつ便乗映画してる感じなんやけどな。ふたを開けたら、どの映画にも似てなくて、どの映画のファンから見向きされないという可哀そうな映画やった。

Y木:パクリ映画はそういうもんやろ。

S原:実は、これタイトル以外はパクリとは言いにくい。だって原作は、あのH.P.ラブクラフト(魔女の家で見た夢)やもん。

Y木:ラブクラフト!えーすごいやん。

S原:ぼくは、むかしラブクラフトが好きでかなり読んだけど、映画化はどれもイマイチなんばっかり(苦笑)

Y木:まあそうやろうな。

S原:ストーリーはかなり単純やねん。主人公の女流作家(ナンシー)は、元夫(不動産屋)から、タダ同然で郊外の家を借りる。ところが、地下室(倉庫)には、奇妙な幾何学模様があったり、変なネズミ(?)が夜中に現れたり気味悪く感じる。やがて悪夢にうなされるようになって、妹に電話で相談して来てもらう。主人公は、悪夢を見続ける。やがて、別次元世界に入り込んでしまう…という話。

Y木:話はシンプルやな。

S原:話自体は大したことない。ストーリーよりも、雰囲気とか別次元の風景とかそこで起こる視覚効果を楽しむ映画ちゃうかな。

Y木:楽しめるの?

S原:うーん、やっぱり製作費がなあ…(苦笑)キャストも最少人数(4人くらい)に抑えてるし、監督や特撮チームの頑張りは認めたいけど、どうにもチープやった…ちょっと気の毒になったわ。

Y木:おまえに同情されたら、もうおしまいやな。

S原:カクカク動く怪物(ネズミ?)が主人公を襲ったり、夢の中で3つ足の丸型ロボットが歩いたり、骨だけのコウモリ(?)が飛んだり、やりたいことは分かる。ああ、この監督、好きなのねえって(笑)

Y木:おまえも好きやろ。

S原:うん。他に、ちょっと面白かったのは、自分の意に反して勝手にホラー小説を書いてしまう場面。全体的にテンポも良いし、B級と割り切れれば楽しめると思うんやけどな。

Y木:じゃあ、それでええやん。こういうB級映画は、B級映画として楽しむのがお互いにハッピーやで。ラブクラフトらしいとことはないの?

S原:ちょっとだけある。夢の中でつかんだ石(偶像?)を大学教授にみせると「それは邪神を崇拝する宗教の神だ。ニオ・ラス・オテップだ」と解説される。夢の中で出てくる邪神が、クトゥルフによく似ているし、このへんはラブクラフト風味なんやけどな。そのあと、この世での存在を消されたた妹のため、意を決して別次元(自分の夢)に乗り込んでいく。自分のパワーで3人になったり、悪魔を真っ二つにしたり(笑)、大暴れしてあっさりと妹を取り返す。

Y木:それは…簡潔やな(笑)

S原:最後は、妹も無事に戻りハッピーエンド。そもそも借りた家自体も存在しなかったかも…と言う雰囲気でおしまい。

Y木:まあ、どうなんかな。最近、こういう映画を観てないからわからんけど、ラブクラフトというよりは、B級っぽい映画のような感じがするけど?

S原:そやな。この原作は読んでないから、どこまで改変してるかわからんけど、ラブクラフトって怪物(?)がそのまま出てこずに、ゾクッとさせる小説が多いやろ。「現実とは別の世界があるかも?」とか「なにかが存在してるかも?」とか「人類が生まれる前から地球にいた神々が存在するんじゃないか?」という雰囲気を楽しむ小説やん。だけど、映画としては『雰囲気』だけではやっぱり物足りない。どうしても、異世界の生物とかが主人公を襲ったりする場面を描くから、B級っぽくなってしまうんかなー。

Y木:ま、ラブクラフト本人がこれ観たら落ち込むんとちゃう?

S原:たぶんな(苦笑)さあ、みなさん、ラブクラフトファンなら一度は観ても良いでしょうが、タイトルに釣られて家族で観てはいけませんよ。どこか消化不良気味の出来ですが、途中で眠くなることなく最後まで一応観れます。B級映画に免疫のない方は、このあたりから観始めるのもよいかも、です。そういうわけで、これからB級映画の世界のドアを開こうとしている友人にプレゼントするためにも、マスト・バーイ!