あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!地球が静止する日じゃなくて、「地球が静止した日」(2008)の巻

地球が静止した日  [レンタル落ち] [DVD]

S原:さあ、今回はタイトルがすごいですよ。地球が静止「する」日じゃなくて、地球が静止「した」日!

Y木:静止したって過去形やったら、もう地球滅亡してるやん。

(あらすじ)

謎の未確認飛行物体がワシントンDCに飛来。現れたのは人間と同じ姿をした異星人・クラトゥと巨大ロボット・ゴートだった。クラトゥは各国の代表者に、大事なメッセージがあると言うのだが…。

 

Y木:これ、訴えられへんの?そのままパクリやん。

S原:うん、ウィキペディアによると『これはあまりにもオリジナルの『地球が静止する日』と酷似していたことから、本作の映画プロデューサーたちの行ないは盗作にあたると考えた20世紀フォックス(『地球が静止する日』の製作会社)から、法的措置も辞さないと警告された』らしい。

Y木:なんで、こんなしょぼい映画がウィキペディアに載ってるねん。そっちが怖いわ。

S原:ウィキペディア曰く『その後、法的な動きは出ていない』

Y木:もう相手にするのも面倒くさかったんやろな(苦笑)映画はどんな感じ?

S原:ある日に無数の宇宙船がやってきます。それを遠くからながめる男2人の会話。男A「宇宙人がやってきたぞ。こんなことになって大変だな」男B「それよりも、おれは小便がしたい」男A「はやくトイレに行けよ」男B「ああ、そうだな」これがオープニング。

Y木:…はじめから、つまづいてるやん。

S原:世界中の大都会に超大型ロボ(メガリス)が出現しますが、すぐに地球に攻撃をしません(立ってるだけ)。一方で、軍(特殊部隊)が、全裸で歩いていた「男」と「女」捕まえます。どうもこの2人は「宇宙人」らしいとわかります。男は眠ったまま、女は黙ったままです。いらだつ軍人は、「おいおい、わざわざ宇宙からきて何も言わないつもりかい?」とアメリカンジョークで諭しますが、「女」は無視します。

Y木:まあ、宇宙人にアメリカンジョークは通用せえへんやろ。

S原:そうこうしているうちに、ロボットが攻撃を開始します。たぶん、この「男」「女」が関係していると思いますが、なかなか会話が通じません。いろいろあって、やっと「女」が会話します。『このままだと、地球は兵器をどんどん開発し進歩していく。それは、いずれ他の惑星の脅威となる』

Y木:ありがちな設定やな。まあええわ。それで?

S原:「女」曰く『人類の真価を見せてくれたら、破壊を止めてもあげてもいいわ』と言います。しかも『今日の日没までに証明して』という期限付きです。

Y木:期限が早いな。ところで、人類の真価って何?

S原:さあな。軍人たちも戸惑います。「真価ってなんなんだよ」「見当もつかないぜ」「しかたない、女に自白剤を打とう」

Y木:おいおい。

S原:「女」に自白剤を打とうとすると、女はビームを出して、まわりの軍人たちをやっつけます。一方、別の場所にいた「男」も目覚めて話をはじめます。男曰く『「女」を地球に送り届けるために来た』『「女」の正体は破壊者だ』

Y木:よくわからんけど…

S原:誰にもわからないまま映画は進みます。アメリカ政府は巨大ロボに攻撃をします。でも逆襲にあって、世界中でロボが大暴れします。そして、なんとロボの発する電磁パルスで、地球の重力がストップすることが判明します。

Y木:重力がストップ?

S原:「地軸が傾く」のが原因らしい。

Y木:中学生の考えた設定みたいやな。

S原:面倒なので省略しますが、いろいろあって主人公(軍人)は「女」と一緒に逃亡します。

Y木:ああ、女の宇宙人と主人公が地球を救うというパターンやな。

S原:いや、「女」は一切助けてくれません。『わたしは見てるだけ』『あなたたち地球人が考えなさい』

Y木:えらい冷たいなあ。

S原:そのくせ、「女」の体調が悪くなると、主人公に助けてもらいます。

Y木:自分勝手な宇宙人やな。

S原:そのころ、軍施設に隔離されている「男」は軍の幹部に向かって言います。「もう時間がないぞ」「この地球は危ないから、さきに攻撃するのだぞ」それを聞いた軍人に「なぜ平和的な接触をしないんだ?いきなり攻撃するのはおかしいだろ?」と突っ込まれると、「……(それもそうだな)」と困った顔をします。

Y木:すぐに論破されてるやん。なんちゅう底の浅い宇宙人や。

S原:国連では、ロボに核攻撃を決定します。まわりにたくさんの住民がいますが、「ごめんね」って感じで、そのまま攻撃!もちろんロボは平気。核兵器で住民は死にます…

Y木:それって、モラル的にあかんやん。

S原:「人類の真価」がテーマなのに、モラルや倫理観もないまま映画はすすみます。そのころ、主人公と「女」は、ある教会で出産する場面に遭遇します。「女」は、その生命の神秘に感動します。感動してピカーッて光ります。

Y木:ピカーッて…

S原:やがて、宇宙人たちは主人公に微笑みます。昔の沢口靖子みたいに「あなたちの優しい心…忘れません…」って感じの雰囲気です。(実際は言わない)そして、宇宙船で帰って行って、おしまい。

Y木:え?「人類の真価」をみせないとあかんねんやろ?

S原:いつのまにか、その話はなかったことになります。

Y木:…ヒドイな。

S原:まあ、薄味映画やったよ。だいたい、元ネタの映画もイマイチやからな。制作費はともかく、出来はどんぐりの背比べやったわ(笑)

Y木:似たようなどんぐりに興味を向けるおまえがキモいわ。

S原:さあ、みなさん、レンタル店では絶対に横に並べて置いているでしょう(笑)B級映画のわりにはちゃんとしているほうですが、普通にまじめに生きている人に勧めてはいけませんよ。勝手にやってきて、勝手に帰っていくツンデレの猫みたいな宇宙人ですが、これはこれで世の中の役に立っているはず!そんなわけで、キアヌ・リーブス版に満足できなかった人はゲット、プリーズ!