Y木:おお。「2010年」!
S原:いやー、久しぶりに再見したわー。
(あらすじ)
傑作「2001年宇宙の旅」の続編。前作で未解決だったモノリスの正体や、ディスカバリー号のその後に決着をつけるべく、アメリカ人科学者らを乗せたソ連の宇宙船レオーノフ号が木星へ向けて旅立った。前作にも登場していたフロイド博士が主人公となり、彼が目撃するボウマン船長の幻影を交えながら、大宇宙の深遠で起ころうとしている奇跡が描き出される。
S原:あなた、「2001年宇宙の旅」(1968)が大好きやろ。
Y木:好きやで。昔、「2010年」も観たで。
S原:どうやった?
Y木:もう全部忘れた……なんにせよガッカリしたのは覚えている。
S原:みんな、そう言うのよなあ…(苦笑)当時も賛否あったけど、やっぱり酷評が多かったのを覚えている。いまとなっては、もう「なかったこと」にされている可哀そうな映画やな。
Y木:たしかに、この映画について話しても盛り上がらんもんな。おまえ、これ、もう一回観たの?
S原:観たで。ちなみにぼくも全然覚えてなかった…(笑)中古店で見つけたときに、逆に「これってどんな映画やったかな?」と興味が湧いたのよ。
Y木:どうやった?
S原:面白かった!やっぱり、「2001年宇宙の旅」と比べられてしまうから、どうしても低評価になるとは思う。でも、意外とちゃんと作ってるし、いま観たら特撮部分も味があるしな。
Y木:確か、木星が太陽になる話やろ?
S原:そうそう。モノリスの謎を解明する云々の話なんやけど、同時に米ソ冷戦時代も背景にある。最後はわかりにくいけど、木星が太陽になって地球に太陽が2つになる。地球に夜がなくなって、それで平和が訪れる…という話。
Y木:そんなストーリーやったんや。ほんまに忘れてるなあ(苦笑)しかも。米ソ冷戦というのが時代を感じるなあ。
S原:でも、いまとなってはそれも「味」になってるで。前作と違って重厚感はないけど、サスペンスがあるから面白い。でも、その分どこか小品みたいに感じる。結構、制作費はかかってると思うけどな。
Y木:監督は、たしかピーター・ハイアムズやろ。「カプリコン1」(1977)の人。
S原:そうそう。どちらかというと、そんなに制作費をかけずに映画を作ってスマッシュヒットを狙う監督やな。「アウトランド」(1981)とか「カナディアン・エクスプレス」(1990)とか、結構おもしろいよ。
Y木:なんにせよ、地味な監督やん。当時も不思議やったけど、なんでハイアムズやったんやろか。
S原:わからんけど、この映画に関しては、製作・脚本・撮影・監督をしてるから、かなり気合が入ってたのは間違いない。アーサー・C・クラークとも頻繁に話し合ったみたいやし、これはこれで良かったような気がする。
Y木:そうなんかな。それにしては、みんなの印象に残っていないというのが、なんともまた……
S原:まあ、それがあの監督の作風かも。一所懸命につくっても、どことなくB級臭さが漂うという…カーペンターと双璧かもな(笑)
Y木:主演はロイ・シャイダーやろ。それも、B級っぽくみえる原因ちゃうの?
S原:そうかもな。まあ、細かいこと言うときりがないけど、もう昔の映画やし、みなさん許してあげてちょうだい。
Y木:なんで許しを乞うてるねん。
S原:いやー、ほんまに評価されてないから、なんか可哀そうになって(笑)
Y木:なんやねん。
S原:さあ、みなさん。ほかのレビューでもさんざん突っ込まれていますが、「2001年宇宙の旅」とは別物として観れば十分楽しめますよ。あだち充の「タッチ」と「H2」を比べて不満を言ってもしかたないでしょ?そういうことです。
Y木:どういうことやねん。わからんわ。というか、今回、ほとんど内容に触れてないやん…(苦笑)
S原:そういうわけで、昔観たままで忘れてしまった人が大半だと思いますが、もう一度観るのもアリです。こういう映画こそ、ワゴンコーナーで見つけると楽しいですよ!マストバイです!