あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!サインじゃなくて「サイン・オブ・ザ・フィアー」(2002)の巻

サイン・オブ・フィアー (ユニバーサル・セレクション2008年第12弾)【初回生産限定】 [DVD]

S原:今回は、「サイン」(2002)のバッタもんです!

Y木:うわー…

(あらすじ)
不審な死を遂げた従兄の家を売却するため、仲間たちと彼の農場を訪れた大学生・レイン。そこで彼が見たものは、鉄条網で囲まれた荒れ放題の家と、トウモロコシ畑に出現した<ミステリーサークル>だった。翌日レインは屋根裏で奇妙なビデオを発見する。「あいつらがやってきた…」と謎のメッセージを残し、消えるビデオ。仲間も監視されているような感覚を覚えていた。そしてその夜、遂に惨劇が幕を開けた―!

 

S原:いやー、「サイン」自体が微妙な映画と言われてるのに、それに便乗するというたくましい商魂やで。

Y木:あの「シックスセンス」(1999)のシャマラン監督やろ。さすがに知ってるで。

S原:シャマランは「シックスセンス」だけの人やな。あとの作品は、『みんな期待して観てみるけど、ガッカリして、その後で腹が立つ』タイプの映画ばっかり作ってる人。いまや、何をやってもダメ出しを喰らってしまうという可哀そうな立場やな。

Y木:かわいそうに。

S原:まあ変な映画ばっかり撮るから、仕方ないわ。でも本人は、いまだに超一流監督のつもりらしいで。パーティでも「今度、ぼくの映画に出る?」とか言って女優を口説いてるらしい。

Y木:モテへんやろうな、あの監督は(笑)で、この映画のストーリーは?

S原:上の通りなんやけど、主人公がいとこの家を掃除して売却するために、友達から5~6人と一緒にやってくる。いとこは怪死してるねん。家に着いたら、なんか気味の悪い雰囲気を感じたりします。

Y木:定番やな。

S原:なんというか、前半はそれだけの話ですごいスローペース(笑)しかも、どうでもいい場面まで律義に描かれます。例えば、はじめて家に入ったときに、主人公や友達は「すげえ匂いだぜ」と顔をしかめます。

Y木:普通やん。

S原:ところが、そのあとも友人たちが、「くさいわ」「なんて匂いだ」「よくこんなところに住んでたな」という匂いの話題を延々と続けます。いかにこの家が臭いかを延々と説明します。

Y木:なんやねん、匂いフェチか。それはええとして、これはSF?

S原:うーん、というよりも一応ホラーかな。でも怖くないよ。さっき言ったけど、前半はややスローで、思わせぶりな雰囲気を楽しむ感じかな。たぶん、「溜め」みたいな流れを狙ったんやろうけど、ちょっと真面目過ぎて退屈やな。

Y木:どうせ、ヤングな男女がイチャイチャしたりするんやろ?

S原:ところが、この映画はチョメチョメしません。真面目に家を掃除します。

Y木:へえ。

S原:ボロボロの屋根を修理したり、やキッチンや玄関を掃除するシーンが続きます。ヤングなのに感心しますが、なんというか……地味です。

Y木:そりゃな。

S原:そんな地味な場面やどうでもいい雑談が続いた後に、ついに!一大事が起きます!

Y木:なに?

S原:黒人が、友人女性の着替えシーンを覗いてしまします!

Y木:どうでもええわ!

S原:ところが、このヤングたちは真面目なので、大騒ぎです。緊急に集まって、黒人を吊るし上げします。覗かれた女性は「もうお嫁にいけないわ!」と泣きわめき、友人が「おれが代わりに切腹して詫びる!」と叫びます。黒人は「悪かったよ、謝るよ!」と土下座します。「心からの謝罪じゃないだろ!」と大モメです。またこの場面が長い!

Y木:…変な映画やな。

S原:そうこうしているうちに、やっと映画は後半になります。いとこが残したビデオテープを見つけます。そこには、恐怖におびえる男(主人公のいとこ)が映っています。「ここはヤバいぞ」「あいつらが襲ってくるぞ」と震えています。困惑する主人公たち。

Y木:おお、ここから面白くなるんやな。

S原:あ!いま窓の外をサッと横切るシルエットが!

Y木:ベタやなあ。

S原:そして、家の近くにあるトウモロコシ畑で突然できるミステリーサークル!

Y木:それもベタやなあ。

S原:さらに、仲間の一人(女性)がミステリーサークルで行方不明に!

Y木:何回ベタが続くんや。

S原:さあ、謎が謎を呼び、話が拡がっていきます。ミステリーサークルの謎は?演出もムードも引っ張ります。さあ、どうなる?果たして奴らの正体は?

Y木:宇宙人なんやろ?

S原:当たりでーす!ジャーン!宇宙人でしたー!

Y木:驚かへんわ。そのままやがな。

S原:最後は、地面に光の輪が次々にできてその中から、宇宙人がよっこらしょって感じで出てきます。ところがこの宇宙人は、「鉄」と「電気」(電磁波)が苦手やねん。

Y木:ほー。じゃあ、鉄や電気で宇宙人をやっつけるんやな。工夫して撃退するパターンやな。

S原:いや、とくに工夫はせずに、ひたすら銃を撃ってたで。

Y木:頭を使えよ。

S原:最後は、家ごと宇宙人を爆弾でドカーンと一網打尽で、おしまい。

Y木:B級映画って感じやなー。それで、結局宇宙人はなんで襲ってくるの?

S原:分かりません。

Y木:え?

S原:謎は解決されません。

Y木:さんざんひっぱいておいて、最後はそれ?

S原:はい。宇宙人が来るぞ来るぞと思わせる → 本当に宇宙人がやってくる → 普通にやっつける。こういう映画やったわ。

Y木:いやあ。それはつまらんなあ。

S原:でも、宇宙人(黒い大きな目に、銀色タイツ)が次々とテンポよく登場するラストは、おもしろいよ。

Y木:観る気がせえへんなー。

S原:さあ、みなさん。この映画はラストだけみれば十分です。「サイン」と「サイン・オブ・ザ・フィアー」のどちらが面白いか?なんて愚問です。だって、どっちも面白くないのですから。シャマラン監督も負けずに、バカな映画を作り続けて下さいませ。ワゴンコーナーで待ってまーす!