あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「えびボクサー」(2002)「いかレスラー」(2004)の巻


S原:今回は2本立て!

Y木:これ、両方ともショボいので有名やな。

えびボクサーのあらすじ)

場末のパブで働く元ボクサー・ビルは、マンネリ化した毎日から抜け出そうと日々何かを探していた。そんなある日、友人からカマキリえびの存在を聞かされ、人間対えびのボクシングを思いつく。

 

(いかレスラーのあらすじ)

  かつて無敵を誇った超日本プロレスのレスラー・貫一は病のため引退。死を宣告された彼は修行の末「いかレスラー」となってリングに復帰。宿敵「たこレスラー」、そして謎の「しゃこボクサー」も出現し、リングはシーフード・バトルと化した!

 

Y木:なんかどっちも面白くなさそう(苦笑)

S原:うん、その通り。でもしいていうなら、「えびボクサー」のほうが面白い…かな。

Y木:へえ、そうなんや。

S原:まあ、どっちもどっちなんやけどな。えびボクサー」のほうが、ちょっとだけ深い…かな。

Y木:ほんまかいな。

S原:ちょっとだけな。「えびボクサー」はイギリス製やねん。アメリカの能天気な雰囲気でなくて、どこか暗めやねん。主人公もその周りも、いまの生活に苛立ちがあって、どこかで打破したいと思ってる。そういう奴らが、えびボクサーで人生の一発逆転を狙う。

Y木:ほう。なんで、えびがボクシングするの?

S原:「カンガルーだってボクシングをしてるからエビでも出来る!」という理由らしい。2メートルくらいのでっかいエビを捕まえて、それに無理矢理ボクシンググローブをつけるという(笑)

Y木:くだらんなー(苦笑)それでどうなるの?

S原:なんとかテレビ番組で使ってもらおうとドタバタする。テレビで有名になってお金儲けを狙うのよ。最後はテレビの生番組でエビ(というかエビの周り)が大暴れする…結局、大儲けはできない。『夢が破れて人生の哀愁を感じる』という風になればええねんけど、出来が良くないから、ただ単に失敗するという感じになってます。

Y木:見どころはやっぱり、エビの着ぐるみ?

S原:そうやな。上手くできてると言えなくはないけど、まあエビはエビやわ(笑)

Y木:そりゃそうや。で、「いかレスラー」のほうは?

S原:これはなー。ザ・着ぐるみって感じでなー。仮面ライダーの怪人みたいな。

Y木:あー納得。

S原:目がクリクリと動くところはかわいいんやけどな。初めからチープな映画を目指してるから、これを観て怒る人もおらんと思うけど、面白いかと言われるとなー…だって河崎実監督やし(笑)

Y木:あー、チープな映画を撮らせたら日本一という噂の人。

S原:うん。「飛び出せ!全裸学園」(1995)とか「日本以外全部沈没」(2006)とかそんなんばっかり。嫌いじゃないけど(微笑)でも、いかレスラーの正体は、本物のレスラーの西村修(当時・新日本プロレス)やから、贔屓目にみてあげたいんやけどな。さすがにいまは現役引退してるけど。

Y木:どんな人?いや、プロレスなんか興味ないけどな、どうせ話すんやろ?

S原:うん(笑)西村修は地味やけど、真面目で渋い選手やったな。実はこの人、癌になって手術後に復帰した苦労人やねん。でもちょっと変わった人でな。インタビューでも延々と長話をしてしまう。とくに病気を克服してからは、「気」とか「心技体」とかそういう話が多いねん。

Y木:そうなんや。でも癌の手術してプロレスラーとして復帰ってすごいやん。

S原:うん。でも、『長州力のせいで癌になった』と力説してた。仲が悪いから(笑)

Y木:なんやねん、それ。子供か。

S原:本人は真剣に力説してたけどな(笑)まあ、映画の話に戻ると、正直に言ってどうってことのない映画かな。でも、これはこれでいいんやろうな。

Y木:ストーリーは、あってないようなもん?

S原:うん。とにかくイカの着ぐるみが、のんびりと恋愛したり、プロレスしたり、買い物したり…それ以上は言いようがないです(笑)

Y木:2本まとめてみた感想は?

S原:うーん、やっぱり普通の映画ファンは、とくに観なくてもええんじゃないか、と(苦笑)やっぱり「Z級映画」「珍作映画」が好きな人向けやろうな。

Y木:まあ、そうやろうなあ。

S原:ということで、みなさん。この世に存在しなくても誰も困らない映画ですが、この映画たちがあっても困りませんよ!回転すし屋で、ついつい小休止としてエビやイカを頼んでしまう人、そんな人はマストバイ…かな?