あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「マグナム・コップ」(2000)の巻

マグナム・コップ [DVD]

S原:さあ、今回はこちら。みんなが大好きなチャールズ・ブロンソン

Y木:べつに好きちゃうわ。

(あらすじ)

億万長者夫妻の殺人事件を捜査するポール警部だったが、次々に立ちはだかる妨害工作により、ついには自分自身が殺人容疑をかけられてしまう。正義と名誉を守るために命がけで戦う主人公を演じるのは『荒野の7人』のチャールズ・ブロンソン

 

S原:かなり昔、飲み屋でアメリカ人(初対面)で話す機会があってな。

Y木:ほう。

S原:結構、ぼくの中学生レベルの英語でも通じてな。お互いに映画好きってことがわかって盛り上がったのよ。アクション映画が好きだっていうから、「じゃあ、アメリカで人気のアクション俳優を3人教えてよ」と聞いたら、「スティーブ・マックイーンブルース・リー、あとはチャールズ・ブロンソンだな」だって(笑)

Y木:その3人(笑)なんかチョイスの仕方が変やで。

S原:こっちも酔ってるから「じゃあ、4人目はチャック・ノリスか?」って冗談で聞くと、大真面目に「あいつはスターじゃない。本当にこの3人はアメリカ人にとって特別なんだ」って語ってたな。

Y木:まあ、はじめの2人はともかく、ブロンソンなあ…ほんまかいな。

S原:日本ではみうらじゅんとか田口トモロヲがいじりすぎて、コメディアンみたいなイメージが定着してしまったかも(笑)

Y木:たしか若い頃は、名作というか結構ええ映画に出てたやろ?

S原:うん。「大脱走」(1963)「荒野の七人」(1960)とか。

Y木:あーあの頃は良かったな。

S原:個人的には「狼よ、さらば」シリーズ(1974~)がおススメやな。誰にも頼まれないのに、勝手に街のチンピラを殺していく話。ブロンソンは最初は悩んだりするけど、シリーズがすすんでいくうちに、どんどん気持ちが吹っ切れる(笑)通信販売で気軽に拳銃を取り寄せるとか、バズーカでチンピラを撃って体が木っ端みじんになって死体も残っていないとか(笑)

Y木:ほとんどコメディやがな。

S原:でも、おじいちゃんになっても気持ちよさそうにマグナムを撃ちまくるねんで。ええ人生やんか(笑)

Y木:まあな。それにしても「マグナム・コップ」。ダサいタイトルやな。

S原:僕が選ぶ世界3大マグナムが似合う男は、「黒岩先生」「加納錠治」「チャールズ・ブロンソン」やな。

Y木:なんで、ほかの2人がしょぼいマンガやねん。それで、この映画は最晩年の頃やろ?

S原:そうやと思う。さっきも言ったけど、ブロンソンの若いころの映画はファンも多いし、レビューとか考察が結構あるけど、年とともにどんどん扱いが雑になっていく(笑)最晩年の頃の映画はだれも取り上げない。これがこの世の哀しさよ。

Y木:まあ、おじいさんがアクションする映画をみせられてもなあ。内容はどうなん?

S原:内容か……この前観たけど、もうかなり忘れた(苦笑)まあ、そういう映画やったわ。

Y木:もうこんな映画ばっかり観るのをやめろよ。要するに刑事ものやろ?

S原:そうそう、典型的な刑事もの。ちょっと型破りで正義を貫く初老の刑事が、罠にはめられる。黒幕は麻薬取引で裏金をもらってる警察組織の幹部と市長やったかな。警察の不祥事がばれると大問題なので、なんやかんやとブロンソンの捜査を邪魔する。でも最後は悪い奴らを撃つ。最後は車ごと爆破でおしまい。それだけ。

Y木:うわー。いままで1000本くらい作られてきたようなストーリー(苦笑)普通の人は、わざわざこの映画を観ないわな。

S原:これぞワンパターンの美学!

Y木:うそつけ。そんなええもんでもないやろ。でもまあ、ブロンソンも別にいまさら新しいタイプの映画にでようとは思わんやろうな。

S原:うん。スタローンだって、高倉健だって、年取ったら同じ感じの映画で同じ演技ばっかりしてたもんな。

Y木:そうかもな。銃撃戦とかはあるの?

S原:ちゃんあるよ。おじいさんが、しかめっ面して銃を撃ってる。考えようによっては、なかなかシュールやで(笑)

Y木:ワンパターンはええねんけど、なんか新しい要素はないの?

S原:うーん、ないなあ。あーそうそう、たしかブロンソンには娘とかもおるけど、みんな警察関係者やねん。

Y木:へえ、それで?

S原:それだけ。

Y木:なんやねん。

S原:ほかに何かあったかな。あーそうそう、娘か孫かが妊娠したけど、相手とは結婚せずにシングルマザーで子どもを育てるっていうエピソードがあったな。

Y木:……なんて地味なエピソードや。

S原:まあ、ブロンソンが出ていればなんでもOK!という人向けやろうな。「お、ちゃんとセリフが言えてるなあ」「まだまっすぐ歩けてるで」「偉いなあ」と楽しむんやろうな。

Y木:敬老愛にあふれる映画やな。

S原: さあ、みなさん。若いころのブロンソンの映画を観たことはある人は多いでしょう。でも、晩年のブロンソンは観たことないはず。その目でしっかりと、ブロンソンの雄姿を目に焼き付けてください。価値はありませんがレアなのは確かです。見つけたらすぐにゲットですよ。あ!このDVDは、CDサイズなので見逃さないようにね~!