あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ほぼ誰も知らない邦画 20連発!「宇宙で1番ワガママな星」(2010年)の巻

宇宙で1番ワガママな星 [DVD]

 

S原:今回はこちらですよ。

Y木:SFコメディ?

 

(あらすじ)

西暦2020年。カップ麺の懸賞で運良く宇宙旅行に当選した5人の男たち。それぞれ宇宙へ思いを馳せていたものの、彼らを待ち受けていたのは、ロシアの宇宙訓練施設やウソなのか本当なのかわからない意味不明な訓練など。予測不能の展開に驚き戸惑いっぱなしの彼らだったが、そこには宇宙旅行主催会社の陰謀が隠されていた。なんと、宇宙にはいくことは出来ず、宇宙に行ったふりをする計画だったのだ。それを知った彼らは、はたして…

 

S原:これは映画というよりも「テレビ」やった。

Y木:そうやろうな。

S原:一応、劇場公開したみたいやけどな。漫画みたいな展開やけど、小学生でもわかるし最後もちゃんと終わります。

Y木:上のあらすじをみると、「カプリコン1」(1978)を思い出すな。

S原:あのまんまです(失笑)宇宙旅行に行く予定が、主催者側の都合で行けなくなったから、宇宙に行ったふりをする……それだけの映画やった。

Y木:宇宙に行ったふりって?

S原:特撮で宇宙を背景に歩いたり、コントみたいな宇宙船内部で操縦したふりをするだけ。それを衛星中継でつないで、世間に向けては宇宙旅行に行ったことをする、と。セットもわざとチープにして笑わそうとしていると思うけど、完全に失敗している。

Y木:ドタバタのコメディなんやろ?

S原:いやあ、ちょっと違うなあ。

Y木:ハートフルな映画?

S原:それも違うなあ。

Y木:役者がかっこよいとか?

S原:べつに。

Y木:ハラハラドキドキは?

S原:せんかった。

Y木:施設から逃げ出して真実を伝えようとするとか?

S原:いや、そういうことはなかった。

Y木:どんでん返しは?

S原:とくにない。

Y木:なんやねん。じゃあ、どんな映画なんや?

S原:うーん。表現が難しいけど、しいて言うなら「テレビにでている人たちがでてる映画やけど、とくにこれといって面白くない映画」かな。

Y木:もうちょっと言い方があるやろ。要するに、つまらんのね。

S原:うん。つまらん。はー…(ため息)人それぞれやけどな、こんな映画を撮って、一体なにが楽しいんやろ?

Y木:楽しいというか、一応プロやから儲けるためにこの映画を作ったんやろ。

S原:そりゃそうやけど、いくらなんでも空しすぎるで(苦笑)この20本を紹介するシリーズの中では、ひょっとして一番制作費がかかっているかもしれん。潤沢ではないと思うけど、有名は俳優もたくさん出ているし、ロケとかお金かかってそうやしな。だけど、本当に印象に残らない……

Y木:ありきたりなんやな。

S原:完成度で言えば、これより低い映画はあると思うけど、「印象に残らない映画」としてはナンバー1かもしれん。毒にも薬にもならないどころか、水にも空気にもなっていない……さっきも言ったけど、この映画は「カプリコン1」とそっくりやねん。だけど、あれだってそんなに完成度の高い映画とちゃうやろ?

Y木:そうやな。

S原:だけど、いまだに語られる映画やろ。でも、この映画の話をする奴は、いま日本中でひとりもいないやん。

Y木:ぼろくそやがな。

S原:ほんまにな~(ため息)

Y木:なんか今回は、あかんかったみたいやな。

S原:主役の大倉孝二は顔色が悪いし覇気がない。きたろうは教祖役やけど、その役にまったく意味がない。佐野和真はいてもいなくても一緒。ココリコの田中は、演出が中途半端なせいで、何をしていいかわからない。マイケル富岡はテレビのトーク番組と同じ。ガレッジセールのゴリとか大泉洋とか、いつもなら脇役ですごく良いのに、この映画ではまったく輝きがない。こんなに役者の魅力を伝えない映画も珍しい。おそろしいほどの「役者殺し」映画やで。

Y木:今回は、キツイなあ。

S原:テレビ朝日吉本興業が製作してるんやけどな。やる気がないんやったら、はじめから作るなっちゅーねん。

Y木:そこまで言うか。ちゃんと最後まで観れるんなら、それでええやん。

S原:最後まで観れるよ。でもそれは、面白くないバラエティ番組と一緒やねん。単に最後まで観たというだけ。それで何かが生まれるわけじゃない(笑)

Y木:いや、たいていの映画はそんなに何かを生み出さないと思うけどな。

S原:そうなんやけどなー。なんか納得いかん。

Y木:おまえ、昔からそうやけど、制作費をかけてしょーもない映画を作った時の怒りは激しいよな。

S原:そうやねん。この制作費を、ほかの19本の映画にまわしてあげてほしかったわ……

Y木:そんなん言ってもしゃあないやん。出来不出来は、結果論やし。

S原:その通りなんやけど、とにかくほんまに中途半端やねん。逆に嫌悪感を感じて途中で観るのをやめるとか、怒りがフツフツ沸く映画のほうがええわ。あー、日本にはデートでこの映画を見に行ったやつもおるねんで。

Y木:そりゃ、おるやろ。

S原:統計によると、この映画のあとのカップルが別れた率は、なんと95%以上らしい。この数値にもビビるよな。

Y木:勝手に統計を作るなって。訴えられるぞ。

S原:さあ、みなさん。いわゆる「ダメ映画」を楽しむほどのひどいレベルでもありませんが、とくにこの映画を観なくてもよいです。この映画を観る時間があれば、コンビニで立ち読みしたほうが良いです。あなたは、あなたらしく生きていけます。観た後にハートにはなにも残りません。ワゴンセールでみつけてもスルーしてくださーい!

Y木:今回は、ほめるところゼロやないか……