あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

どっちが勝つんだ? VS映画特集! 「ヒットマン VS ヒットマン 裏切りの報酬」(2009)の巻

ヒットマン VS ヒットマン 裏切りの報酬

S原:今回は、クールに決めているジャケットがなかなか雰囲気ですよ!

Y木:タランティーノっぽいなあ。その分、B級臭さが充満してるけど。

 

(あらすじ)
アメリカとメキシコの国境付近で横行する麻薬取引。その阻止に手を焼く合衆国政府は、極秘裏に、麻薬取締局へとある指令を下した。「腕の確かな暗殺者を雇い、巨大な麻薬組織を壊滅せよ」。そして集められた、冷徹なヒットマンたち。彼らは淡々と、確実に、暗殺という仕事をこなしていく。しかし、そんなある日、政府から取締局へ新たな指令が下される。それは、政府が暗殺者を雇ったという事実を封印するため、「暗殺者を暗殺せよ」というものだった・・・。

 

S原:えーと、まずネットの数少ないレビューでも突っ込まれている通り、これは上のあらすじ紹介が間違っています。

Y木:またかいな。

S原:販売会社の担当者も観ずに、適当に書くんやろうな。

Y木:そもそも、そういうDVDを出すなよ。誰得やねん。

 

ヒットマンVSヒットマン 裏切りの報酬 - B級映画をみてガッカリした人きてください

 

S原:まず、このキメキメの2人マイケル・マドセンデヴィッド・キャラダインは主役じゃありません。この2人が雇う4人の殺し屋(ヒットマン)が主役です。ある組織(マフィア?)が、自分たちと対立する麻薬組織の密売人を極秘裏に暗殺するために4人の殺し屋を雇います。素性を隠した四人は、あだ名で呼び合います。たぶんイタリア系の「フォーリナー」(頭は良いがヤク中)、カウボーイハットの「ホワイティ」(白人至上主義)、アメリカ先住民の「インディアン」(悟りを開いている)。そして、黒人の「ブラッキー」。

Y木:おい、黒人を「ブラッキー」って呼ぶんか。それって、ええんか。2009年の映画やろ。

S原:大丈夫ちやう?クロマティがホームラン打った時に、スポーツ新聞で「クロウ、大暴れ!」とか見出しつけてたやん。

Y木:いやあれは、名前がクロマティやから、クロウなんやろって。

 

気がつけば40年(16)クロマティ頭部死球で緊急入院 退院したその夜に劇的な代打満塁決勝弾― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

S原:そんなん言ったら、「アパッチ野球軍」の猿っぽい外野手なんか「モンキー」という名前(本名)やったやん。

Y木:「アパッチ野球軍」なんか引き合いにだすなっ。話がややこしくなるやろ!

 

アパッチ野球軍 おまけ④ : CLUB 80's

 

S原:で、この映画ですが、そういう4人はいろいろあって、身元がバレてしまいます。組織は、そんな4人の口を封じるために、さらに別の殺し屋を雇い、彼らを抹殺しようとします。

 

ヒットマンVSヒットマン 裏切りの報酬 - B級映画をみてガッカリした人きてください さん

ヒットマンVSヒットマン 裏切りの報酬 - B級映画をみてガッカリした人きてください

 

Y木:ああ、一応ヒットマン VS ヒットマン なんやな。

S原:うん。でも、いろいろあって、メキシコ国境付近で相手を狙撃したり、やりあっているときに、偶然2人の少女をアジトに連れ帰ってしまいます。

Y木:え? なんで少女?

 

ヒットマンVSヒットマン 裏切りの報酬 - B級映画をみてガッカリした人きてください

 

S原:まああれよ。「スリーメン&リトルレディ」(1990)よ。

Y木:おいおい、あれはコメディやろ。

 

Amazon.co.jp: スリーメン&リトルレディ(字幕スーパー版 [VHS] : トム・セレック, エミール・アルドリーノ, トム・セレック:  DVD

 

S原:え? これ、コメディやったよ。

Y木:おいおい。ガンアクション映画ちゃうんか。

S原:違います。ここから、ゆるい感じのコメディになります。

Y木:コメディ部分はおもしろいの?

S原:まあまあやった。見知らぬ同士が同居するねんけど、そこで起こる軽いドタバタを描きたいみたい。でもこれ、どうも人種問題とか人身売買が裏テーマになってるねん。監督の意向なんかなあ。

Y木:まあ、これをレンタルした人が観たいテーマではないわな。

S原:で、見知らぬ4人は家庭に恵まれてなくてな。2人の少女と出会うことで、気持ちが変化していく……うまきいけば佳作になるんやけど、どうも感情移入がしにくい。惜しいです。

Y木:感情移入ができない理由は?

S原:やっぱり中途半端なんやろうな。はじめから、ヒットマン達と少女の交流にすればよかったのに。もっと、ヒットマンのキャラも作ればいいのに。

Y木:例えば?

S原:そうやなあ。おじさんでもOkやねんけど、例えばもっと朴訥な感じでな。

Y木:ほう。

S原:人の愛情とか感情がわからない不器用で、でも純粋な心をもったおじさんという設定にしてな。

Y木:ほう。

S原:ニット帽をかぶって丸いサングラスをしたりしてな。

Y木:そりゃ「レオン」(1994)やがな!

 


S原:うん。「レオン」を10倍くらい薄めた映画やったわ。すこしだけ良い場面もあるねんけどな。フォリナーは根が優しくて少女の面倒をみてるねん。少女も次第に信頼していく。でもドラッグ中毒でな。コカインを吸っているのを、少女が見てしまう場面とか、白人がいかに白人がアメリカを作ったかを力説するんやけど、「それ、お前が作ったのか?」と言われて黙ってしまう場面とか。でも、観客がおおっと思う場面が少ない。残念やったわ。

Y木:なるほどな。

S原:さーみなさま。これは、アクション/サスペンスとしてはイマイチですが、人情コメディとしては、普通の出来でしょうか。ベタですが、ラストは爽やかで良いと思いました。というわけで、観るとすればレンタルでどうぞ~!