あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

タイ映画3本勝負!「アタックナンバーナーフ」(2000年)の巻

アタック・ナンバーハーフ [レンタル落ち]

 

S原:タイ映画3本勝負。2番目はこちら!

Y木:あー、なんかレンタル屋で見たことあるで。

 

 (あらすじ)

タイで社会現象まで巻き起こした実話をベースに映画化した、笑いあり涙ありのスポ根ムービー。実力はありながら“ゲイ”という事でチームに入れないバレーボール選手が、“レズビアン”のコーチのもとに“ゲイ”を集めた最強バレーチームを結成する。

 

S原:これは実話をもとにした「ゲイたちがバレーボールを頑張る物語」。タイで大ヒットしたんだとか。ベタで面白そうやろ?

Y木:うーん、最近、ベタに面白い映画って観てないからなー。

S原:最近て、いつ頃から観てないの?

Y木:えーと、「メジャーリーグ」が最後かも。

S原:おいおい、いくらなんでも古すぎるやろ。

Y木:いや、あの映画は好きやで。

S原:好きなんはええねんけど、あなた、一応映画のブログをやってるんやから。

Y木:おまえがムリヤリ誘ったんやろ。

S原:てへっ!(頭をコツン!)

Y木:てへっ!、じゃねえ。

S原:この映画にでてくるのは「ゲイ」。ぼく個人としてはゲイの性的な志向はまったく理解できない。だけど、一方でゲイに限らずLGBTの人たち応援したいという気持ちはあるねん。具体的な援助は出来ないから、気持ちだけやけど。

Y木:ふーん。

S原:主人公たち(おもにゲイたち)がバレーチームを結成して、大きな大会に出場するねん。ゲイやけどバレーボールの実力はあるから、快進撃をつづける。だけど、周辺から偏見や差別や嫌がらせがあるねん。それでもめげすに、頑張って勝っていく…すごくシンプルなストーリーやろ?

Y木:たしかタイって、オカマちゃんとかに寛容な国じゃなかったっけ?

S原:ニューハーフとか、女装する男性に寛容な風土はあるみたい。それでも、この映画では他チームに『ナヨナヨしやがって』『オカマちゃーん』と、からかわれてたから、庶民の間ではいろいろとあるんやろうな。今回は、とくに「男子バレーボールチーム」の選手になる話やから。

Y木:ふーん。いわゆるスポ根映画?

S原:そうそう。ベタなスポ根もの。この映画のゲイたちが、頑張っていると応援したくなるねん。あの「ロッキー4」でも、ドラゴよりもアポロを応援してたやろ?

Y木:いや、あれはアポロが負けると分かってる展開やがな。

S原:アポロー!なんで死んじゃったんだよー、おれたちのブラザー!

Y木:だれがブラザーやねん。そんなにファンちゃうやろ。

S原:まあな。この「アタックナンバーハーフ」では俳優たちが良くてな。最初は本物(LGBT)を出演させてると思てたけど、俳優の演技やったみたい。観始めてしばらくは、演技が漫画チックで大げさやと思ったけど、観ているうちに慣れるのが不思議やな。たぶんLGBTが仕事場でいて、毎日会ってたら、どうも思わんようになるやろうな。

Y木:たしかに、慣れの問題は大きいやろな。

S原:チームの監督は、「おなべ」やねん。わかる?

Y木:えーと、女性が男性の恰好をするんやったけ?

S原:そうそう。「レズビアンが男性の恰好で男性的に振る舞う人」ね。

Y木:監督が女性やけど男性的で、選手が逆ってことね。

S原:これも実話なんだとか。チームも全員がゲイではなくて、ノーマルもおるねん。代表チームから苛められて、このチームに加入したんやけど、なかなか良い存在感がある俳優でな。こいつは、ゲイに対して偏見がなくて、普通に(ゲイたちに)接するねん。それでも、あるとき「いままでゲイに何人と会ったことある?あなたはゲイのことを知らないわ」とチームメートに言われて、黙ってしまう。この場面がええねん。

Y木:ほー。

S原:ダメな映画監督なら、全員ゲイに設定して、ゲイVSノーマル!みたいな構図を作りそうやけど、そうならない。こういうところも良かったわ。

Y木:要するに、ダメと思われたチームがどんどん勝ち進んでいくんやな?

S原:うん。良い意味で「ありがち」でなー。テレビ撮影があるから化粧をとって試合したら全然実力が出ないとか(笑)あと、ひとりだけものすごい美形でキレイな人(ゲイチームの一人)がおってな。本当の女性やと思てたら、本物のゲイらしい。いやー、あれはめちゃくちゃ好みやわー(笑)

Y木:おまえも目覚める寸前ちゃうんか。ところで、タイでは大ヒットしたのね?

S原:ヒットもしたし、映画自体も評価が高いみたい。やけど、映画としてはうーん…LGBTの悲しさとか葛藤の描き方が、意外とあっさりしてるしてるねん。これは、「ないものねだり」かもしれんけど。

Y木:まあ、LGBTの悲しさを描く映画じゃないんやろな。でもスポ根映画なら、ラストは、「ロッキー」みたいな感じではないの?

S原:さすがにあそこまで盛り上がらんな。でも「ロッキー5」よりは盛り上がるで。

Y木:観てないからわからん。

S原:まあ、「ロッキー5」はボクシングしてないんやけどな。

Y木:なんやねん、その映画。

S原:最後は、決勝戦まで勝ち進む。そして、勝っておしまい。実話通りです。

Y木:へーほんまに最後は勝つんや。

S原:LGBTの人が観たら、泣くかもしれん。個人的には、観る前にこの映画が高評価やと予備知識があったから、期待しすぎたかもしれん。やっぱり予備知識がないほうが映画は楽しめる(苦笑)でも、タイの庶民生活の雰囲気もよくわかるし、悪くない映画やで。

Y木:なるほどなー。

S原:さあみなさん、一部でカルトな人気のある映画です。DVD特典(来日記者会見や未使用場面集もあり)も充実してるし、素朴で楽しい雰囲気の映画です。カップルでも、ファミリーで観るのもバッチグー!この映画をワゴンで見つけたら、マストバイですよ!