あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「処刑教室」(1982年)の巻

S原:今回はこちら!

Y木:おお、処刑教室!懐かしい。

S原:あらすじは、こちら。

 

あらすじ(アマゾンより引用)

エイブラハム・リンカーン高校。
アメリカ大統領の名を冠にしたこの高校は、今や荒廃の一途を辿っていた。
この地獄のような高校に赴任して来た音楽教師:ノリスは、赴任初日早々信じられない光景を目の当たりにする。
その光景とは、一人の教師が自衛用に拳銃を携帯しており、学校の入り口では、ガードマンが金属探知機で生徒たちを検問している光景だった。
そんな全てが教育の場とはかけ離れていることに絶句し、怒りを覚えるノリスに対し、不良グループのリーダー:ステッグマンは早くもノリスに敵意の目を向けていた! !

 

S原:原題は「class of 1984」。時代を感じるなあ。(製作は1982年)

Y木:これはねえ、日本公開当時は前売り券買って見に行きましたよ。前売り特典は千社札みたいなシール「処刑教室」って書いてあるヤツやった。

S原:当時は、前売り券を買ったら特典があったから。ポスターをもらえたりな。

Y木:ポスターといえば、昔の中学生の部屋には「青い珊瑚礁」のポスターが定番やったな。

S原:「大陸横断超特急」とかも定番やったな。

Y木:そりゃ、おまえだけやろ。

S原:それにしても「処刑教室」の前売り券を買うなんて、あなた、よっぽど楽しみにしてたんやなあ。

Y木:自分でも、どういう気持ちで前売り券まで買って見に行ったのか、今となっては思い出せない…(遠い目)

 S原:ぼくも「バトルトラック」の前売り券を買ったなあ…(遠い目)

Y木:今、こうして見ると、この映画もB級感ビンビンやけど、当時の若造の目にはそんなことわからんもんなぁ。

S原:当時はSNSもないし、映画雑誌とかテレビのCMで判断するしかなかったから。

Y木:「ランボー」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なんかも同じ感じで見てた。

S原:いや、さすがにその2本と同じ土俵に乗せたらあかんやろ。

Y木:あのころ、どんどん日本にやってくるワクワクする洋画の中の徒花やわ。

S原:映画秘宝なんかでよく取り上げられてるけど、たしかに当時の洋画(特に宣伝)のパワーと勢いは凄かったから。

Y木:「サスペリア2」とか死ぬほど怖かったもん。

S原:「メガフォース」なんか宣伝をみたときに、とてつもないスケールのでかい映画が公開されるぞっ!て興奮したりな。

Y木:するか!めちゃくちゃショボい映画やないか。

S原:ま、それはいいとして、この映画が公開されたときは、校内暴力が問題になってたから、教師が生徒にやり返すというのはなかなか斬新なアイデア…かな。

Y木:誰もが思いつくけど、本当に映画にしてしまうところが、アメリカやなあ。しかも、やり返す…というかバンバン殺してるけど(苦笑)

S原:しかも結構えげつない殺し方で。

Y木:たしか理科室みたいなところで、バーナーであぶったような気がする(笑)

S原:いまなら、製作できないやろうな。ところで久しぶりに見て、どうやった?

Y木:いや、もう一回なんて観てないよ。

S原:DVD貸したやろ!観ろよ!でもこのテーマは、いまでも十分に面白いと思うけど?

Y木:いや、面白いと思うよ。でもどうなんやろうな、なんか上手く言われへんけども…

S原:いまの映画のどこか違うと感じるんとちゃうの?

Y木:そうやな。

S原:映画のつくりとか、テンポが違う?

Y木:というかテーマかな、やっぱり。この映画って、いまみても生徒が結構ヒドイやろ。教師の怒りもわかるねん。でも、教師が子供を殺していくっていうのが、現代からみるとちょっとな。とくに大人になった今となっては…

S原:複雑な気持ちになる?

Y木:うーん。もちろん、この映画としてはそこがええわけでしょ。わりと問題提起というか、そういうことを意識しているやろうし。

S原:ラストは、不良生徒がみんなの前で首吊りやから(苦笑)

Y木:ごく単純にカタルシスはあるかも。

S原:あ、いま思い出したけど、途中で主人公の友達の教師がキレるねん。教室で拳銃を不良に向けながら授業をするシーンがあるねん。さすがに不良たちもビビってるし、あのシーンは緊張感があって一番良かったわ。

Y木:ビッグマグナム黒岩先生みたいやな。

S原:そういえば題材は一緒か(笑)。でもなんか、あそこだけ映画のトーンが変わるねん。妙にリアルで。

Y木:そのまま、不良を撃てばよかったのにな。

S原:黒岩先生やったら、絶対に発砲してるけどな(笑)。あと、一番の問題のシーンはラストやろな。主人公が不良を殺しまくったあとに…

Y木:ナレーションで『主人公たちは無罪だった。なぜなら、だれも目撃してなかったから』という感じで終わるという(笑)

S原:『だれも観てなかったら、人を殺しても無罪かよ!』と、みんな突っ込むという。

Y木:でも、映画を観てる人は不思議とハッピーエンドのような感じてしまうねんな。

S原:あ、ビッグマグナム黒岩先生も生徒を撃っても無罪やで。文部科学省に公認されてるから(笑)

Y木:なんやねん、その設定…

S原:まあ、今見てもなんとも不思議な味のある映画かも。

Y木:たしかに。いまのヤングたちの感想も聞いてみたいな。

S原:80年代の妙な味わいのある映画を求めている人は、マストバイです!