あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

まとめて短くコメントしてみます!「ネットワーク」(1976)「スイッチング・チャンネル」(1988)

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Y木:あー懐かしいな。これ、テレビの視聴率を上げるために強引なことをするテレビ会社の話やろ。

S原:そうそう。視聴率のためなら何でもあり。これは、1976年の映画やけど、今観てもいろいろと考えさせられるわ。

Y木:やらせとか、過激な演出とか?

S原:うん。40年以上たっても基本はまったく変わっていないという…(苦笑)

Y木:テレビメディアの宿命やろな。映画としてはどうなん?面白いの?

S原:これ、面白いよ。監督はシドニー・ルメットやから、根底に骨太なテーマがある。たしかに今観ると演出は古臭い部分が多いけど、なんというか欲深くて濃いキャラばっかりが登場してグイグイ物語がすすんでいくねん。

Y木:さすがシドニー・ルメットって、ところか。

S原:イエース。いまメディア論とかに興味のあるヤングたちもぜひ観てほしい。とくに、いまテレビ業界を描くとしたら、この映画と同じアプローチにするか?違うアプローチにするか?を考えるだけでも面白いはず。地味な映画ですがおススメです。できるだけネットのレビューを事前に読まずに、ぜひどうぞ!

映画 スイッチング・チャンネル に対する画像結果

S原:これはキャストが懐かしい感じやねん。キャスリーン・ターナー がSNNのニュース専門チャンネルのTV キャスター。 バート・レイノルズがその上司で元夫。キャスリーン・ターナーの新しい恋人がクリストファー・リーヴ

Y木:いかにも80年代やな。というか濃いな、その3人は(笑)

S原:うん。すごく濃い。湿気ムンムンやった(笑)で、これはもとは戯曲で「フロント・ページ」で今回で4回目の映画化やねん。まえの3本は「犯罪都市」、「ヒズ・ガール・フライデー」、「フロント・ ページ」ね。

Y木:4回目。それはすごいな。

S原:要するにすごくウェルメイドな戯曲ということなんやろうな。でもなんというか、なんか盛り上がらんねんなー…ネットでもレビューがかなり少ない。書いている日人も熱がないというか。

Y木:あーそうなんや。監督は?

S原:テッド・コッチェフ。「ランボー」(1982)を撮った人やな。

Y木:あかんやん。

S原:えー「ランボー」は最高やん。

Y木:そうか?他には何を撮ったの?

S原:「地獄の7人」(1983)、「バーニーズ あぶない!?ウィークエンド」(1989)、「Oh!大迷惑」(1992)とか。

Y木:あかんやん。ストーリーは?

S原:冤罪で死刑になりかけている男をニュースでとりあげて、てんやわんや!って感じかな。

Y木:うーん、なんかなあ…

S原:だからイマイチなんやって。80年代の雰囲気を味わいたい人はええけど、わざわざこの映画を観なくても……というのが正直な感想です。

Y木:なので、レビューも少ないんやろうなあ。

まとめて短くコメントしてみます!「ゴースト 血のシャワー」(1980)「デスウインズ 官能の深紅」(1990)「殺人魚フライングキラー」(1982)の巻

S原:今回は、海洋関係の映画をまとめて紹介します。どれも本物の船舶関係者が観れば怒るかも…

Y木:そもそも相手にしてないやろうな。

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「ゴースト 血のシャワー」(1980)

ゴースト/血のシャワー

 

Y木:あー、これ!みんなで観た映画やろ!くだらん映画やったなー!

S原:そうそう、大学時代にみんなで「オールナイトでバカ映画を観る大会」をしたときの1本やな。当時は「デスシップ」というタイトルやったと思う。

Y木:確か、おまえが持ってきたビデオ(VHS)やろ。女子も参加しているのに、アホちゃうかと心の中で突っ込んだわ。

S原:いや、あれは、そういう映画を持ってくるイベントやから!しかし、この映画はなあ…最後まで観るのが辛かったわ…

Y木:たしかナチスの呪いで廃船が動いてるってネタやな。

S原:そうです。最初のあたりはちょっと雰囲気がええねんけどな。一番のみどころはシャワーシーンで水の代わりに血が出て、女子が嫌がる場面だけという(笑)いやーあの場面はええよなー。

Y木:………(無言)

 

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「デスウインズ 官能の深紅」(1990)

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Y木:なんやねん、このしょうーもなさそうな映画は?

S原:いやー変な映画やった。これ、場末の映画館で3本立の中の1本やったんやけどな。映画が終わった後、場内がシーーーンとなったわ。

Y木:どういうこと?

S原:そのまえにちょっとストーリーを話すと、中年男の船乗りが航海するときに、若い美人2人を同船させることになるねん。中年男は、以前からドラッグをしていて言動がちょっと怪しい。彼の妻はすでに死んでおり、その死因もはっきりしない。ちょっとミステリアスな雰囲気もありつつ、話はすすむ。

Y木:普通やん。

S原:美人の片方と中年の男がチョメチョメしたりする定番シーンもあります。最後の「直前」まで普通やねん。問題は………ラストですよ、あなた!

Y木:どんなラスト?

S原:中年男と美女が日光浴をしています。いきなり、もう1人の女性が水中銃を持ってきます。この行為に伏線も脈絡もまったくありません。いきなり、中年男ともう一人の美女をズドンと撃ちます。2人は死にます。おしまい。

S原:なんやねん、それ。

Y木:ほんまやねんって!もう何十年前に1回観ただけやけど、いまだに忘れられない!出来の悪い映画は数あれど、普通の映画でほんとうにいきなり終わってしまう映画も珍しいって。突然キャラクターの気が狂ったってことやろうか……?

Y木:知らんがな。これは珍作ってこと?

S原:そうとも言えんなあ……ラスト以外は、結構普通に観れるしな。でも、ほんまに変なラストやねんって!

Y木:わかったわかった。

S原:ほんまやねん!信じておくれ~!

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「殺人魚フライングキラー」(1982)

 

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Y木:これ、有名なんやろ。B級映画ファンの間では(笑)

S原:そうそう。あのジェームス・キャメロンが監督した映画やから。たしかイタリアで撮ったんやけど、もう現場はメチャクチャやったらしい。インタビューで愚痴ってたわ。

Y木:まあ、当時は無名やろ。で、どうなん?才能の片りんが見えたりするの?

S原:いやーとくには。面白くないし。

Y木:えー面白くないんか。

S原:うん。全然演出に切れ味もないしな。魚が空を飛ぶっていうけど、そんなんトビウオだって空飛ぶやん。

Y木:そんなん言ったらおしまいやがな。

S原:まあ、おススメしません。あーでも「タイタニック」(1997)よりは好きかも。

Y木:………(無言)

まとめて短くコメントしてみます!「ワイルド・アット・ハート」(1990)「ロスト・ハイウェイ」(1997)「ストレイト・ストーリー」(2000)の巻

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Y木:おお、デビット・リンチ3本立てか。

S原:今回、見逃していた3本をまとめて観たんやけどな。ほんまに同じ監督の映画かいな、と突っ込みたくなるくらい振り幅が大きいねん。

Y木:まあリンチやからな。でも、レビューでも「難解」とか「映画として穴がある」と突っ込む人がおるやろ。あれってどうなんやろ。リンチに関しては「ああいう映画」「そういう監督」として捉えるのがええと思うで。

S原:「そういう監督」……(苦笑)確かにそうかもな。あの「DUNE 砂の惑星」(1984)も撮ってるくらいやし。

Y木:あーあれはなあー……(冬の空を見る)

S原:スタッフも気を遣って打ち上げの飲み会でも、あの映画の話題だけはしないらしいで。

Y木:うそつけ。で、今回の3本の映画はどうやった?

S原:そうやな。当時評判が良かった「ワイルド・アット・ハート」は、期待しすぎたかな。破天荒な男女の変形ラブストーリーやけど、そんなに面白いかな?というのが本音やな。ニコラス・ケイジと肌が合わないというのもあるけど…

Y木:昔観たけど、面白かったけどな。ウィレム・デフォーの変な顔しか覚えてないけど。あれは強烈やった。

S原:たしかにあの場面だけ異様やもんな(笑)。昔、結構周りの友達が「すっごい刺激的やで」とか「究極のラブストーリーやわ」とか言っていて、どれどれと思って観たんやけどな。ただ単にオツムの悪い汚い男女がダラダラしているだけにしか見えんかったなー。おっさんになってしまうと、こういうセンスにはついていけないんかもな。もっと自分がヤングの時に観たら印象が変わったかも……いやーやっぱりニコラス・ケイジはあかん。だって、眉毛の形が情けないもん。

Y木:ほっといたれ。「ロスト・ハイウェイ」はどうやった?

S原:これはなあ。難解なサスペンスというかなんというか……まったく分かりませんでした。

Y木:理解不能系というかシュールというか、やっぱり「そういう映画」なんやろ。

S原:ちょっとだけ観る分には面白いねんけど、ずっと見るのは辛い。それこそがまさにリンチの真骨頂なんかもしれんけどな。でも、これ、観た後にネットで詳しくストーリーを読んだら、すっごく面白そうやねん(笑)

Y木:もう一回観たら?

S原:うーん、さすがに躊躇するなー……

Y木:リンチ独特のセンスと映像美を楽しむんとちゃうの?

S原:そうやろうな。で最後は「ストレイト・ストーリー」。老人がトラクターで弟に会いに行くだけのロードムービーです。これがなあ、すっごくええねん。

Y木:おまえも年をとったってことやろ。

S原:たぶんな。ラストもすごくあっさりしていて、かえって余韻が残る。昔の松竹なら感動的なBGMで10分は引っ張るはず(笑)でも、こういう映画が良いと思えるんなら、年を取るのも悪くないと思ったな。

Y木:今回は、おじさん臭いレビューやな。ぶっとんだ系の映画についていなくなったおっさん映画ファンの哀愁を感じるぞ。

S原:はい、その通りです。でも最近のヤングは、あんまりデビット・リンチを知らないらしいわ。

Y木:へえ、そうなんや。

S原:ヤングな映画好きは、ちょっと変わった映画を観たいときはぜひ観てほしい。「ブルーベルベット」(1976)と「イレイザーヘッド」(1986)もかなり変な映画です。ほとんど訳が分からないのに、なんだかスゲエ!って思える稀有な個性ですよ。ぜひお試しあれ~!

まとめて短くコメントしてみます!「ブルワース」(1998)「デーブ」(1993)「フロントランナー」(2019)の巻

ブルワース

S原:これは、ウォーレン・ビーティ主演ね。

Y木:ああ、「イージー・ライダー」の人。

S原:うん。政治活動もする硬派な面と女にだらしない軟派な面がある人(笑)これは、たぶん彼の政治に対するスタンスが一番はっきり表現した映画とちゃうかな。

Y木:確か政治家の話やろ。

S原:ウォーレン・ビーティは上院議員。選挙を控えているけど、自分に全く関心がなく毎日同じようなスピーチをして、まったく眠れない。突然やけくそになった彼が、「自分を暗殺してくれ」と殺し屋に頼む。もう怖いものがなくなったウォーレン・ビーティが、大事なパーティで裏話を暴露したり、ユダヤ人を揶揄したり、スラム街でも大暴れする。で、予想に反してそれが「本音を言う政治家」と評価されていって……という話。

Y木:おもしろそうやん。

S原:面白いよ。ただ、映画の作りとしてはスマートじゃない。隙のない作りというよりは、ゴツゴツした印象やねん。それが、このブルワースの生き方にも重なってる感じがして、面白かったわ。

Y木:へえ。じゃあ、これはおススメ?

S原:おススメです。いろんな人にぜひ観てほしい。それぞれで感想が違うと思うわ。1998年の映画で、すでに変わっている部分(例えば、有色人種に対する偏見など)もあるけど、この映画が言いたいことは、今の世の中でも十分に通用すると思うで。

Y木:なんか、今回は普通のレビューやな。

S原:いや、べつに普通のレビューしてもええやろ(苦笑)

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Y木:「デーブ」か。懐かしいな。

S原:これ、すっごい好きやねん。いわゆる「ホラ話」としても楽しいし、キャラクターが良いから何回でも観れます。

Y木:えー何回も観る映画かな。

S原:ぼく、好きな場面は10回以上観てると思う。「なにか面白い映画ない?」と言われたら、とりあえずこの映画をおススメします。

Y木:そうなんや。ベタな映画やけどな。

S原:うん。もう映画作りの見本のような起承転結やろ。大統領のそっくりさんが、本物以上の大活躍をする!という話やもんな。真面目な人は敬遠するかも、やけどこれは本当によく出来てるねんって。主演のケビン・クラインはもちろん、夫人のシガニー・ウィーバーも良い。大統領補佐官フランク・ランジェラケヴィン・ダンも良い味をだしています。副大統領なんかベン・キングズレーやで。ガンジーが副大統領やで!、あなた

Y木:いやそれは役を演じてるだけやから(苦笑)

S原:かゆいところに手が届く伏線といい、ホワイトハウスの再現性といい、みんなが、つっこむポイントをあえて笑いに変える場面(オリバー・ストーンが大統領は別人だ、とテレビ番組で言うが、みんな相手にしない)といい、センスが良いねんなあ。「大人のおとぎ話」のようなこういう映画、いまでも作ってほしいなあ。

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S原:これ、期待してたんやけど、ダメやった。

Y木:へえ。

S原:1988年アメリカ大統領選挙。ゲイリー・ハート上院議員は、史上最年少の46歳で民主党の大統領候補となって最有力候補として一気に躍り出た。その若さからジョン・F・ケネディの再来とも言われるが、実は……という話なんやけどな。

Y木:実は……というのは?

S原:女性スキャンダルやな。それで失脚して大統領選にも出れない。でも、本人は全然悪いことをしたつもりはないねん。そういうキャラに感情移入しにくいよな。

Y木:これ実話が元やろ。大統領になろうとする人が女性関係を軽くみるなんて、あり得るんやろうか?

S原:ほんまにこういう人やったんやろうな……(苦笑)サスペンス映画としてもかなり落ちるし、この当時のアメリカ政治の内幕に興味がある人のみおススメです。わりとお金はかかってるっぽいんやけど、うーん残念な出来です。

まとめて短くコメントしてみます!「ナイトメア・シティ」(1980)「ZOMBIO 死霊のしたたり」(1985)「殺人ブルドーザー」(1974)

S原:今回は、もう一度観たいけど、なかなか観れない映画をまとめて紹介しますよ~。DVDは希少品でどれも高価なんですよねえ(ため息)

Y木:これ、どれも面白くなさそうやなあ…

 

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「ナイトメア・シティ」(1980)

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S原:これ、めっちゃ面白いねんって!

Y木:ほんまかいな。

S原:この映画は昔、VHSで大学時代の先輩(M行さん)の家で観たんやけどな。お酒を飲んでて観てて、頭がクラクラしたのを覚えてるわ。

Y木:酔ってるだけやろ。

S原:いやいや、あなた。だって飛行機で大量のゾンビがやってくるねんで?そのゾンビたちが元気いっぱいで走り回るねんで?そのままゾンビたちがエアロビクス教室にいって、わざわざレオタード女子を襲うんねんで?

Y木:しょーもなさそうな映画やなー。

S原:しかもラストは夢オチよ?しかもその繰り返し場面が長い!

Y木:夢オチかあ。しょぼいな。

S原:これはyoutubeで予告編が観れますから、ぜひ観て下さい。ゾンビ役のおっさんが、おもいっきり女性の胸を狙って襲っている伝説のシーン(エレベーターの場面)もバッチリ収録されています。ここは爆笑間違いなしですよ~!

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「ZOMBIO 死霊のしたたり」(1985)

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S原:これも先輩の家(O熊さん)で観た。「フロム・ビヨンド」(1986)も続けて観たけど、いやー両方とも面白かったなあ。

Y木:おまえ先輩の家に行って、こんなんばっかり観てるんかいな(ため息)

S原:まあこのパッケージを見てよ。これって、何をしているか分かる?

Y木:分からん。

S原:これ自分の体から、首を切断してるねん。それはまあスプラッターなので普通やけど、そのまま自分の顔を持ってゆっくりと女性の股間に近づけていく……

Y木:下品やなあ…

S原:女性「いやー!やめてー!」首だけ男「うひひひ、股間に近づいちゃうもんねえ~!」女性「変態―‼」

Y木:これを作った奴が変態やろ。

S原:嗚呼、なんて最低で最高なシーンを思いつくのでしょう。キャッチコピーがナイスです。「首なし男、こいつにだけは抱かれてはいけない!」

Y木:誰も抱かれへんっちゅーねん!

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「殺人ブルドーザー」(1974)

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S原:これはテレビで観ましたが、それ以来猛烈にDVDが欲しいです。

Y木:ええ年してるんやから、低レベルな物欲を捨てろよ。

S原:いやーなかなか難しいわ。で、いまだにゲットできていませんが、冷静に考えれば別にゲットしても自分の人生に何の影響もないような気もする…(微笑)

Y木:何の影響もない。断言できる。

S原:でも、これは面白いねんって。小汚い男たちが本当にリアルなのよ。ブルドーザーもちゃんと暴れます。いいですよー、ブルドーザーはカッコいいですよねええ!

Y木:幼稚園児か。

S原:そうやねん。たいていの男の子って、小学校に入る前くらいに工事車両に興味を持つやろ。ダンプカーとかブルドーザーとか。普通は成長するに従って、そういう幼児心はなくなっていくねんけど、この製作者たちはそのまま大人になったという……。そういう大人、ぼくは好き!宮崎駿風に言うなら、ポニョ、この映画、好き~!やで。

Y木:……(無言)

まとめて短くコメントしてみます!「悪魔のいけにえ2」(1986)「キャリー」(1976)「クリスティーン」(1983)の巻

S原:今回は、オジサン映画ファンにとっての「あの頃映画」をまとめてコメントしますよ~!

Y木:懐かし映画特集やな。

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悪魔のいけにえ2」(1986)

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S原:これは賛否両論、どちらかというと「否」が多めかな。

Y木:1作目の「悪魔のいけにえ」は、もはや伝説やもんな。

S原:あれを観たときは、本当に驚いた。すでに「変な勢いだけの映画」とか「出来は悪いがものすごい映画」とか予備知識があったんやけどな。それでも実際に観たら「なにじゃ、この映画は~‼」って。

Y木:確かに、あれを劇場で予備知識なしに観た人はぶっ飛んだんだやろうな。

S原:その体験をした人がうらやましいわ。で、このpart2ですが、ぼくは面白かった。確かに前作の勢いはないんやけど、やっぱり十分に変な映画やし(笑)。

Y木:おれ、観たはずやけど、パート2は忘れてるわ。

S原:これはこれでアリやで。ヒロインの美脚といい、モジモジするレザーフェイスといい、無駄にお金をかけた(でもチープな雰囲気の)地下セットといい、デニス・ホッパーの意味不明さといい(本当にわけがわからないキャラクターなんです)、あーこの知能指数0分署の映画こそ、トビー・フーパー監督ですよ、あなた!

Y木:そうなんか。よかったな。

S原:あ!さっきヒロインが美脚といいましたが、ずっと半ズボン(ホットパンツ)姿なんですよ。しかも、チェーンソーでお股のあたりをツンツンって。もう、わかってるじゃないの、トビー師匠!

Y木:いつの間に弟子入りしてんねん。

S原:トビー師匠のフィルモグラフィーを観れば、「あー頭のよくない人なんだなー」とすぐにわかるやろ?クラスに1人くらいおるやん。男子からは人気があるのに、女子からは総スカンみたいな。トビー・フーパーも合コンで女子から冷たくあしらわれていたんでやろうな。その時の怨念が爆発しているような変な映画やったわ(笑)

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「キャリー」(1976)

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S原:これは久しぶりに観たけど、面白かった。

Y木:懐かしいな。これは、最後がなあ。

S原:うん、ラストが強烈な映画やけど、今観ると前半(映画の2/3)はかなり陰湿なイジメの場面でな。個人的にここは観ていて辛かった。

Y木:だからこそクライマックスで主人公が感情を爆発させるシーンにカタルシスを感じるわけやろ?

S原:そうなんやけど、ちょっとなー。あと、クライマックスの分割画面は当時流行っていたと思うんやけど、今となってはこの演出をする人も少ないやろうな。それがかえって新鮮なんやけど。

Y木:あー分割か。一時期流行ったなあ。

S原:主人公の超能力で、周りが火の海になるやん。VFXがまだ進歩していない時代なので、すべて本物の炎を使って撮影してるのよ。ここは凄い。ボウボウと燃えさかっている場所での撮影・演技は、いまはまず出来ないと思う。

Y木:いまやったら、CGやろな。

S原:個人的には完成度としては高くないと思ってるんやけどな。ただ、独特の雰囲気や奇妙な感じがあって、定期的に観たくなる不思議な映画やわ。

Y木:リメイク(2013)もあったやろ?

S原:観たけど、まったく印象に残ってない……もしかしたら観てないんかな?

Y木:知らんがな。

 

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「クリスティーン」(1983)

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Y木:また、カーペンターか。

S原:こちらも久ぶりに再見したけど、楽しかった~。もうB級路線の王道というか、マジメな人は見向きもしないというか…

Y木:でも、確かに『赤い車が襲ってくる』というアイデアだけで、ラストまで引っ張る力技はなかなかのもんかもな。

S原:うん。当然、車がどう襲ってくるのか?どうやって車を退治するのか?が見どころになるんやけど、そのあたりはまずまずかな。クリスティーンが勝手に自己修復する場面は何度も観ても素晴らしい。

Y木:いま思い出したけど、当時、同級生が劇場に観に行って「大したことなかったわ。もっと車が暴れるんかと思ったわ~」とガッカリしてたわ。

S原:当時でもアクション/ホラーとしてはちょっと物足りない描写やったんやろうな。ジョン・カーペンターが監督ね。他の記事でも何度か触れましたが、そんなに上手い監督ではないというか、「下手」というのが僕の見解なんやけど、この人の個性はワン&オンリーかもです。何年かに一度は観たくなる不思議な個性ですねえ…オリジナルタイトルに「ジョン・カーペンターの」と付けるのも、自己顕示欲の塊みたいで好きです(笑)

Y木:あとは変なシンセのサントラがな…(苦笑)

S原:なんとも評価のしにくい自作のシンセも聞けますので、興味のある人はぜひ一度チャレンジしてくださいませ~!

まとめて短くコメントしてみます!「レベル16 服従の少女たち」(2019)「ダーケストアワー 消滅」(2011)「THX-1138」(1971)の巻

S原:今回から、しばらく趣向を変えて短めにコメントしてみます。ネタバレをしている部分もありますので、ご注意を!

Y木:今回は、SF特集か。

S原:ちょっと変わった趣向のSF映画を取り上げますよ~。

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「レベル16」(2019)

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S原:これは評価が分かれる映画やろうな。

Y木:へえ。難解ってこと?

S原:なんというか。「真相」を知ってありきたりだと失望するか、雰囲気や設定そのものを楽しめるか…人によって評価は変わると思う。

Y木:おまえはどうなん?

S原:単純に面白かった。最後まで飽きずに観れるし、暗めで清潔な雰囲気はなかなか良いです。よく考えれば突っ込みポイントだらけなんやけどな。

Y木:まあSFの設定に突っ込むのは野暮やと思うけどな。

S原:いや、これは野暮というよりも、ダメというか(笑)

Y木:あかんがな。

S原:これ、ネットのレビューでも類似作品の指摘が多いタイプの映画やねん。でも主演のケイティ・ダグラスの存在感(とくに顔つきが良い)はピカイチなので、興味のある方はぜひどうぞ~。

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「ダーケストアワー 消滅」(2011)

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S原:これ、結構イケます。

Y木:へえ。宇宙人が襲ってくる映画?

S原:そうなんやけど、「姿が見えない敵」からひたすら逃げるのがメインストーリーやねん。低予算だと思うんやけど、結構丁寧に作っててな。そこが好きなのよ。

Y木:アイデア勝負やな。

S原:うん。無人になったロシアの街の風景も印象に残るよ。後半での「宇宙人の見分け方」も単純でいてなかなかナイスなアイデアだと思います。ただですねえ……

Y木:なに?

S原:ワンちゃんが好きな人は絶対に観ないほうがいいです。ワンちゃんの〇〇が吹っ飛びますからね。あれはちょっと……(涙)

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THX-1138 ディレクターズカット」(1971)

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Y木:あーこれなあ!

S原:何十年ぶりかに再見しましたが、面白かった。昔観たときは、あまりピンと来なかったんやけどな。

Y木:そうか。おれ、好きやけどな。

S原:これ、ディレクターズカット版やねん。映画本編も哲学的というか難解というか物議を醸しだすタイプの物語やったやろ?それが、さらにディレクターズカット版では評価が分れてしまうかも、です。

Y木:どういうこと?

S原:個人的には画面がクリアになりオリジナルにあったチープさが減り、冷徹な雰囲気が一層深まった点は好き。やけど、「(チープだけど)こういう世界なんだ」という説得力が逆に減ったようにも思えるのよ。このへんは上手く言われへんねんけど、観た人は分かってくれるんではないか、と…

Y木:ほう。

S原:やっぱり後で継ぎ足したCGは(かなり配慮しているとはいえ)あんまりマッチしていないんちゃうかなあ。

Y木:やっぱり古い映画・オリジナル作品に後になって手を加えることは難しいわな。ただ、あとから自分の作品を観て手を加えたくなる気持ちは良くわかるけど。

S原:ぼくなんか、いままでの人生に手を加えたいことばっかりやで……(笑)