あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「学校の都市伝説  トイレの花子さん」(2007)の巻

学校の都市伝説  トイレの花子さん

 

S原:今回は都市伝説!

Y木:懐かしいなあ、トイレの花子さんか。

 

(あらすじ)

学校には「トイレの花子さんが住んでいる」という噂がある母校に赴任してきた新卒教師・浜口美香(相澤仁美)。何も知らない美香は懐かしい母校での教師生活に胸を膨らませていた。そんな中、初授業を終えた余韻に浸りながら歩いていると、ふと、「立ち入り禁止」と書かれたトイレを目にする。噂を知らない美香はそのトイレに惹き込まれるように入っていたのだったが、そこで美香は驚くべき光景を目にする・・・

 

S原:これは、みんなが想像するほど出来は悪くないよ。

Y木:「みんなが出来が悪い映画と思う」ことを前提にしてるんやな。

S原:いやバカにしてるわけちゃうねんて。いま、こういう映画を観る人も少ないやろ。学校の都市伝説ネタ自体が流行ってないやん。

Y木:どうやろ。いまでも形を変えて流行ってるんちゃうの?

S原:そうなんかな。このブログの中学生の読者にコメントが欲しいな。

Y木:こんなブログを読む中学生なんかおらんわ。

S原:で、この映画は75分。サクサクすすんで観やすいです。

Y木:昔からある「トイレの花子さん」ネタ、そのまんま?

S原:そうです。題材がストレートな分、構成が少し凝ってます。オムニバス風に話がすすんで、最後に収束する演出ね。

Y木:なるほど。

S原:どっかの映画にそっくりと突っ込まれてるけど、それは置いておきます。まず最初のエピソードは、「浜口美香」。この映画の主人公ね。浜口美香が、久しぶりに故郷に帰って来るところからスタートします。教師となって母校の小学校に赴任することになったのです。田舎風の駅に着いた後、あるお墓参りにいきます。その墓の隙間から怖い少女が睨んでいて、主人公の腕をギュッとつかみます。恐怖のあまり失神します。

Y木:それで?

S原:学校に行って職員室で新任のあいさつをするけど、他の教師たちにはほぼ無視される。子供たちとの交流がはじまるけど、使用禁止になっている女子トイレになにか気配を感じて……。

Y木:ベタやな。

S原:うん。導入部やからこれでOKやと思う。演じているのは相澤仁美というグラビアアイドル。残念ながら、この人が魅力的と思うようには撮られていないねんなー。まず、この女性はボインやねん。

Y木:あーそう。グラビアアイドルやからそういう人やろ。

S原:そうなんやけど、スーツとかピッタリしてて胸が強調されているねん。ぼくはエロに期待してるわけとちゃうからなあ。これって、どうなんかな。

Y木:別にええやん。

S原:これはホラーでお色気映画とちゃうからな。さすがにヌードはないけど、もっと普通に撮ったほうがええのよなー。

Y木:はあ。

S原:そのほうがええねんって。そのほうが逆にエロいねんって!

Y木:エロに期待しているやないか!

 

 

S原:次は「新井浩一」。この人も新任の教師で同じ小学校に赴任してきます。彼は着いて早々にクラスでイジメがあり、イジメられているのは神谷花子という女子生徒だと知る。なんとかイジメを止めて彼女を助けようとするが、学校側はそれを認めようとしない。新井はふとしたことから、10年前に事故で死んだ「池谷花子」について調べ始める……という感じです。これも展開が早くてあっというまに観れます。

Y木:今度は違う角度から同じエピソードが語られるんやな。

S原:そうそう。面白いのは、じつは最初のエピソードの浜口美香が『学校に赴任しなかった』ということになってるねん。

Y木:ん? どういうこと? すでに死んでたとか?

S原:そのへんは曖昧なんやけど、美香が職員室であいさつしても無視されていたという伏線が生きます。たぶんお墓参りにいったときに失神したのがカギになってるんやろうな。3つめのエピソードは「美香と花子」。美香の子供時代に、友達の池谷花子をイジメから助けたいと思っている。でも、いつしかイジメっ子グループの圧力に屈し、加担してしまう。花子は、トイレの窓を開けて身を投げてしまう。学校はトラブルを恐れてイジメによる死を隠蔽して、事故として処理してしまう。

Y木:あー過去にそういう因縁があったと。でもわりとベタちゃう? というかそういうのが最後にどうなるか、やな。

S原:いよいよ最後のエピソード「トイレの花子さん」。美香と新田がトイレの壁越しに会話をする。そこで、花子の自殺の真相が分かる。10年前に埋められたタイムカプセルを開封するイベントが開催される日。新田は校長に「過去の事件(花子の自殺)を隠蔽するべきではない」と迫るが相手にされない。美香もイベント会場にいます。同級生たちが校庭の記念碑の前に集まって来る様子を見て、花子の復讐が始まるのではないか、と美香は不安を感じる。そして、いよいよクライマックスになります。

Y木:みんなの前に花子さんが登場するんやろ。

S原:うーん完全ネタバレになるけど、ここで主人公の美香が人を殺しだすねん。

Y木:え、なんで。

S原:まったく説明がないです。もちろん花子さんの影響があるとは思うけど、恨みを晴らすためなのか、心を乗っ取られたのか、よくわからない。

Y木:ふーん、それで結局どうなるの?

S原:そこでおしまいです。

Y木:えー……なんか中途半端ちゃう?

S原:うん。唐突に終わります。観客は全員「え? どういうこと?」「これで終わり?」って思うはず。本当にまったく説明しないから。

Y木:たぶん、そういう狙いなんやろうなあ。

S原:そう思う。でも、観客がそれぞれ解釈するような要素は少ないから、やっぱり消化不良に感じるわ。というわけで、たくさん作られている学校の怪談ものとしては、おそらく普通の出来ではないか、と。小学生なら怖がるかも、ですが、ホラー映画ファンは物足りないと思います。観たい人はまずはレンタルからどうぞ~!